西村 淳一(ニシムラ ジュンイチ)教授

西村 淳一 教授

西村 淳一(ニシムラ ジュンイチ)教授
経済学科:産業組織論、イノベーションの経済学

略歴

  • 2006年3月:一橋大学経済学部卒業
  • 2007年3月:一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了
  • 2011年3月:一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了
  • 2011年4月:一橋大学イノベーション研究センター助手
  • 2013年4月より 学習院大学経済学部所属

連絡先

E-mail:add_junichi_nishimura.png

研究分野

応用ミクロ経済学(産業組織論、イノベーションの経済分析)

主要業績

  • "Internal and external discipline: The effect of project leadership and government monitoring on the performance of publicly funded R&D consortia"(with H. Okamuro), Research Policy 47, 840-853, 2018.
  • "Knowledge and rent spillovers through government-sponsored R&D consortia"(with H. Okamuro),Science and Public Policy 43, 207-225, 2016.
  • "R&D portfolios and pharmaceutical licensing"(with Y. Okada), Research Policy 43, 1250-1263, 2014.
  • "Investigating collaborative R&D using patent data: The case study of robot technology in Japan"(with S.Lechevalier and Y. Ikeda), Managerial and Decision Economics 32, 305-323, 2011.
  • "Subsidy and networking: The effects of direct and indirect support programs of the cluster policy"(with H. Okamuro), Research Policy 40, 714-727, 2011.
  • "The effect of participation in government consortia on the R&D productivity of firms: A case study of robot technology in Japan"(with S. Lechevalier and Y. Ikeda), Economics of Innovation and New Technology 19, 669-692, 2010.

学外での活動

日本経済学会、研究・イノベーション学会、日本中小企業学会

講義・演習の方針

「産業組織論」の講義ではミクロ経済学の理論的基礎を説明し、実際の経済においてどのように適用されるか、理論と応用の対応についても触れていきます。講義内容に沿って、日本の産業組織、企業行動、市場成果、政策制度に関するデータや実証分析の例を示していきます。「産業組織論特論Ⅰ・Ⅱ」は「産業組織論」で扱った内容について、より理論的・実証的研究の深堀をすることで理解力を高めることを目指します。また、公開されているデータを学生自身が収集・分析することで、ミクロ理論と現実の産業・企業がどう関連しているのかを理解できるように課題をだします。「産業組織論特殊研究・演習」ではイノベーションの経済分析や科学的根拠に基づく政策評価を中心に論文の輪読を行います。特に、イノベーションの測定、産業組織や企業行動とイノベーションの関係、イノベーションの促進に係る政策的課題などを取り上げます。

演習では経営戦略、イノベーション、規制・競争政策に関するテキストや論文を輪読形式で読んでいきます。また、データ分 析への理解を深めることを目的としたテキストも輪読します。演習は講義とは異なり、学生に自分で考える力を養うよう促し、自分なりの判断基準を研ぎ澄ませていけるような教育を重視します。テキストの専門知識を学ぶだけでなく、それ以上に、学生自ら分析課題を見つけ、理論的に考察し、実証的に検証する力を磨くことが重要です。また、演習を通じて得る友人は将来の財産になるかもしれません。演習では様々な個性や意見が飛び交い、学生のディスカッション能力が高まるように後押しもしたい と思います。そのため、輪読だけではなく、それぞれが論理的にディベートできるよう訓練する場も設けていきます。さらに、グループ研究によって、自分なりの経済トピックを設定し、学生同士が協力し切磋琢磨し合えるような演習を目指します。

研究について

私の専門分野はイノベーションの経済分析です。イノベーションとは、経済的、社会的に大きな影響力を持つ革新を意味し、アイデアの着想から研究開発の実施、製品化・商業化によって消費者に行き渡るまでの一連のプロセスを指します。イノベーションの研究で大切なことは、どのような要因がイノベーションを促進しているのかを実証的に明らかにすることです。その分析アプローチとしては、イノベーション・プロセスの実態調査、イノベーションを遂行する革新者の分析、イノベーションを促進する制度・政策の分析など多岐にわたります。

私が関心のある研究テーマの一つはイノベーションに係る政策評価です。90年代の科学技術基本計画以降、多くのイノベーション政策が実施されてきました。「政策のための科学」と呼ばれるように、実証的根拠に依る政策立案 (EBPM:Evidence-based Policy Making) が求められています。しかし、望ましい政策をデザインするのは容易ではありません。政策立案のためには、これまで数多く行ってきた政策を今一度見直し、精緻に評価することから始まると思います。

メッセージ

学生の皆さん、 大学生活ではよく学び、よく遊びましょう。大学は第一に学問を学ぶ場です。経済学を学ぶ過程で得られる論理的な 思考力と検証力は、 将来、実社会で役に立つでしょう。しかし、 学問だけに限らず、大学では多様な仲間が集う場でもあります。学生同士様々な個性や意見が飛び交い、活発なコミュニケーションが行われることを期待します。

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