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「生活習慣病と食生活について」


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学校医 大越 敦

現在一般的に使われている生活習慣病は以前成人病と呼ばれていた。それが、今日生活習慣病に変わった理由は食生活の変化を中心とした、疾病の低年齢化によると思われる。
例えば、糖尿病などは境界型を含めると全人口の6分の1の人間が、罹患していると言われている。これは、欧米スタイルの食事が関与していると医学界では定説になっている。
潰瘍性大腸炎という病気がある。これは大腸の粘膜に潰瘍を起こす病気が、20歳前後の成人に発生すると言われている。この病気は、1970年代より右肩上がりに患者数が増加しておりこれも食生活が関与していると言わざるを得ない。
ある研究者によれば、軽症〜中等症の潰瘍性大腸炎患者にはステロイドを使用せずとも、既存の内服薬に食事療法、和食中心の食事や、ヤクルト・ミルミルを代表とする乳酸飲料の中の乳酸菌群が症状を改善させると提言している。

生活習慣病

生活習慣病は、一般的には高血圧・高脂血症・糖尿病・高尿酸血症(痛風)・リウマチを広義の成人病=生活習慣病と呼ぶように、1997年厚生省公衆衛生審議会の提案で取り扱うようになったが、これら疾患以外でも前述の潰瘍性大腸炎のように食生活の変化により増加する疾患が出現した。
よいライフスタイルとは、運動・余暇利用・禁煙・適正飲酒・社会参加とソーシャルネットワーク・ライフスタイル lifestyle,life-stayle,lifestyle,は生活様式 way of lifeと同じ意味で、ライフスタイルを健康と関連づけるとすれば、乳幼児期から中年期の生活習慣の積み重ねがさまざまな成人病(生活習慣病)として結実してくるという事実が明らかにされたためである。
成人病(生活習慣病)や老年の健康状態はライフスタイルによって大部分決定される。

運動・活動

霊長類は機敏な身体活動をその特徴としている。人類は直立2足歩行をすることでサルと区別される。
人の体重の50%以上は筋肉と骨でできており、筋肉と骨格を使い陸上で重力に対抗して機敏に動きまわるようにつくられている。
無重力状態を続けた宇宙飛行士は、その骨のリンとカルシウムが流出して骨の重量が平均1%、骨によっては最大8%まで減少、筋肉と骨は使わないと小さく軽くなる。
運動をせずにダイエットのみで減量すると脂肪とともに筋肉と骨も小さくなるため美しくやせることができない。運動・活動は、心臓機能、精神機能、腎臓機能 などを活発にする。また、代謝をスムーズにし血清コレステロールのうちHDLC(high density lipoprotein cholesterol)を高め動脈硬化を防ぐように作用する。運動量が多いとHDLが高くなる。

余暇

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余暇は、睡眠や食事などの生理的に必要な時間、労働や学業のための時間を除いた、個人が自由に利用できる時間をいい、レクリエーション、交際、新聞、テレ ビ、学習などに使われている。これによって、休養をはかり、家庭、社会生活を充実し、ストレスを解消し、将来のための蓄積をはかる。
飲酒はイスラム教を除くほとんどの人類社会に広まっている。酒類に含まれるエチルアルコールの持つ興奮及び沈静作用のためであるが、適量なら「百薬の長」にもなり得るが、利用によりさまざまな健康問題が引き起こされる。
酔 い、意識消失、二日酔い、一気飲みによる急性中毒、依存症、繰り返す刺激による咽頭・食道・胃の発癌・アルコール肝脂肪・肝硬変・膵臓炎・妊娠時の流 産・胎児の発育不良・奇形・低体重児・転倒・外傷交通事故・溺死・火災・脳萎縮・抹消神経炎・心臓血管疾患(脳卒中や心筋梗塞)
これらの健康問題を防止するには、飲酒者が適正飲酒を、個人の教育・法規制・社会的取り組みにより的確に推進する必要がある。
以上のごとく生活習慣病と食生活の間には密接な関係が認められ、食生活を気をつけることにより生活習慣病の罹患率を減少させることができることは明らかだと思われる。
是非みなさんが実行されることを望みたい。