平成30年度大学院、専門職大学院及び大学卒業式

学長告辞(平成30年度 大学院、専門職大学院及び大学卒業式)

 学習院大学の卒業生のみなさん、大学院の修了生のみなさん、おめでとうございます。こころからお祝い申し上げます。
 本年度の卒業生は、法学部・経済学部・文学部・理学部の4学部あわせて1,919名です。大学院の博士前期課程の修了生は、5研究科あわせて141名、博士後期課程に在籍中に博士の学位を授与され課程博士になられた方が6名、法科大学院を修了して司法試験に挑戦する資格を得た方が17名おります。すべての卒業生、修了生のみなさん、おめでとうございます。ご父母の皆様、ご家族の皆様もお慶びのことと存じます。
 ここに内藤政武学習院長、東園基政桜友会長をはじめ、来賓の皆様のご臨席を賜わるなかで、卒業式・修了式を挙行できますこと、たいへんうれしく思います。この式典には卒業後30周年、40周年、50周年、60周年を迎えられた卒業生の代表の方々にもご列席いただいております。たいへんありがたく、お礼を申し上げます。
 この晴れの場に集まっているみなさんの大半が入学したのは、2015年(平成27年)のことでした。それからの学習院大学の4年間を振り返ってみます。
 みなさんの大半が入学した翌2016年(平成28年)、国際社会科学部が開設されました。5番目の学部の誕生が学習院大学の新たな可能性を拓くことになったことは、いうまでもありません。この年から毎年約200人ずつ学部学生が増えていきました。学業においても課外活動においても、新しい仲間が加わったことによって、目白の杜のキャンパスライフはそれまで以上に充実するようになったにちがいありません。
 この年(2016年、平成28年)は、学習院大学の教育と研究の状況を客観的に示すことができた年でもありました。文部科学省の「私立大学等改革総合支援事業」のタイプ1(教育の質的転換)とタイプ4(教育のグローバル化)が採択されたからです。
 さらにこの年、文部科学省の「科学研究費」の採択率が私立大学で第1位になりました。
 もう一つ、研究に関して強調したいのは、この年から始まった文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」に申請したところ、198大学のなかから採択率約20%・競争率約5倍の難関を突破して、採択されたことです。この研究プロジェクト「超高齢社会への新たなチャレンジ―文理連携型〈生命社会学〉によるアプローチ」は現在も進行中です。
 研究は研究に止まることなく、本年度からすべての学部生が何年生でも選択できる総合基礎科目の一つとして、文理連携型のプログラム「生命社会学」をスタートさせました。この科目は、学習院大学の総力を結集した教育プログラムになっています。2017年度(平成29年度)も引き続き「私立大学等改革総合支援事業」のタイプ1とタイプ4が採択されました。タイプ1とタイプ4は、翌年度も3年連続で採択されることになります。
 翌2018年(平成30年)2月の学部一般入学試験の受験者数は、69年の学習院大学の歴史のなかで過去最高の新記録を達成しました。短期間のうちに教育と研究で客観的な結果を出したことに対する社会の評価の反映だと理解しています。
 さらに2018年(平成30年)3月、国際的に著名な権威ある科学雑誌Natureが日本の大学の研究力ランキングを発表しました。学習院大学は日本のすべての大学のなかで第1位でした。
 これらの成果を上げることができたのは、みなさんと教職員が力を合せて学習院大学をよりよい大学にしようとしたからです。
 例を示します。さきほどふれた生命社会学の授業への参加者のリアクションペーパーには次のような趣旨のコメントがあふれています。「文理連携型の授業は文理の異なる視点から考えることができてとてもプラスになりました。理想の授業です」。「グループ討論では考えもしなかった意見が多く驚きました」。この科目では、自分の所属する学部の専門知識を活かしながら、学部の垣根を越えて、相互に協力しながら、学びを深めることができました。
 生命社会学以外の5学部や大学院、専門職大学院の科目でもみなさんは大きな知的刺激を受け、自分の頭で考え自分の言葉で表現できるようになったにちがいありません。
 課外活動から学び、身につけたことも多かったでしょう。スポーツ系の課外活動に関して言えば、スポーツ推薦やセレクションがないことを言い訳にすることなく、大学スポーツの原点に立ち返って、成果を上げました。「勝つためならばどんなにつらいトレーニングにも耐えます」。そう不退転の決意を固めた選手たちに対して、監督からコーチまで総入れ替えの新体制をもって応じ、短期間のうちにリーグ昇格を果たした部活動があることを知っています。
 学業と課外活動のちがいはあっても、共通するのは、考え方が異なる人が集まることで必然的に生まれる緊張関係をエネルギー源として、自発的に結びついた相互協力のネットワークを築いたということです。この経験はみなさんがこれからどのようなフィールドに活躍の場を見出すことになっても、必ず役に立ちます。先輩たちもそう言っています。
 最後に一言、長い人生、時には迷ったり困ったりすることがあるかもしれません。その時は是非このキャンパスを再び訪れてみてください。どうすればよいのか、目白の杜のなかで考えていると、インスピレーションが湧くでしょう。
 卒業生・修了生のみなさんに感謝の気持ちとあらためてお祝いを申し上げます。
 以上をもって告辞とします。

平成31年3月20日 学習院大学 学長 井上 寿一