平成30年度 大学院、専門職大学院及び大学入学式

学長告辞(平成30年度 大学院、専門職大学院及び大学入学式)

 新入生のみなさん、入学おめでとうございます。教職員と在学生を代表して、こころから歓迎します。別室でモニターをとおしてご覧いただいているご父母の皆様、ご家族の皆様もおよろこびのことと存じます。
 ここに内藤政武学習院長、卒業生の同窓会である桜友会の東園基政会長をはじめとして、ご来賓の皆様のご臨席を賜わるなかで、入学式を執りおこなえますこと、たいへんうれしく思います。
 本年度の新入生は、法学部・経済学部・文学部・理学部・国際社会科学部の5学部あわせて2182名です。大学院は6つの研究科と法科大学院をあわせて197 名です。すべての新入生のみなさん、あらためて入学おめでとうございます。
 これから最初に学習院大学の〈今〉をお話します。次に学習院大学でどのように過ごすべきかを考えます。
 学習院大学は今、急速な成長を遂げています。たとえば今年2月の学部一般入学試験の志願者数です。3年連続対前年度比プラスの結果、志願者は2万447名になりました。この数字は70年近い学習院大学の歴史のなかで、最高の新記録です。定員管理の厳格化は本学も同様で、難易度も上がったと思われます。コア試験とプラス試験の併願者も多く、強く志望して入学したみなさんは、充実したキャンパスライフを送ることができるでしょう。
 学部一般入試の翌3月、今度は別のビッグニュースがもたらされました。国際的に著名な権威ある科学雑誌NatureのNature Index 2018 Japanにおいて、学習院大学の研究力は日本のすべての大学のなかで、第1位であると発表されました。Nature Index 2018 Japanとは何かはすぐあとに説明します。先にランキングを確認します。第1位学習院大学、第2位東京大学、第13位に慶應義塾大学、第29位に早稲田大学となっています。
Nature Index 2018 Japanとは科学論文の発表に関するデータを正規化して指標によって、高品質な科学論文をもっとも効率的に発表している大学や研究機関を格付けするものです。Natureは「日本の科学が衰退し続ける中」、輝きを放っている大学として、学習院大学を特集しています。詳細は大学の公式サイトからリンクを張ってありますので、そちらをご覧ください。
学習院大学はこの数年の短期間のうちに次々とめざましい結果を出してきました。2016年には文部科学省の科学研究費の採択率が私立大学で第1位でした。この年は文部科学省の私立大学研究ブランディング事業に競争率約5倍の難関を突破して採択された年でもありました。2017年には生命科学専攻の大学院生木下佳昭さんが日本学術振興会の育志賞を受賞しました。私立大学では学習院大学だけでした。このような研究実績の上に今回の快挙があったのです。
研究の成果は教育プログラムに反映されています。たとえば私立大学研究ブランディング事業は、本年度、総合基礎科目の一つに「生命社会学」を開設しました。すべての学部の1年生から選択可能な科目です。学習院大学の研究のフロントラインを実感してみてください。
次に学習院大学でどのように過ごすべきかを考えます。
昨年7月に卒業生調査の結果を公表しました。概略は公式サイトで確認できます。皆さんにとって身近な卒業後10年以内の若い先輩たちが対象です。調査の結果は、キャンパスライフの充実度と学習時間がセットになっていることを示しています。充実度が高い人は学習時間が長く、そうでない人は学習時間が短いということです。
さらにこの調査結果は新入生のみなさんに対する社会人の若い先輩たちからのアドバイスとなっています。大学でのどのような学びが社会人としてのキャリアに役立っているのか。アドバイスを3つにまとめます。
第1に課題レポートは十分に準備して書く。文章を書くトレーニングは社会に出てからすぐに役立ちます。この点に関連して、読むことをお勧めしたいのが木下是雄先生の『理科系の作文技術』(中公新書)です。木下先生はお亡くなりになりましたが、本学の学長も務められた理学部の教授でした。この本は「理科系の…」となっていますが、理科系の人だけでなく、文化系の人も読むべきだと思います。1981年が初版の超ロングセラーで、今ではまんが版もあります。本学で学ぶすべての人の必読書でしょう。
第2に学術論文や専門書を積極的に読む。高度な内容の論文や本を読むことは、読書の習慣を力強いものにします。何をどう読めばよいかはそれぞれの授業担当の教員から説明があります。ラーニング・サポートセンターに相談すれば、文献の調べ方、読み方などの助言を得られます。
第3に授業内容を理解できるまで考えたり調べたりすることをきっかけとして、自分に固有の関心を形成する。ほかの誰とも同じではない知的な関心を持ち続けることが重要なのです。別の言い方をすれば、セットメニューではなくアラカルトメニューの授業時間割を組んで学びながら、オリジナルな考えを形成するように努めるべきです。
学びのきっかけとして、海外に出るのもいいでしょう。たとえば海外研修フィールド科目を選択すれば、他学部の人たちと協力しながら、世界のフィールドで研鑽を積むことができます。国際交流については新たに発足した国際センターを活用してください。
なお付け加えますと、卒業生調査の結果は、課外活動の経験も社会に出てから役立っていることを示しています。学業と課外活動の両立が充実した満足度の高いキャンパスライフをもたらします。
以上の3つの学びの習慣を身につけたみなさんの先輩たちは、社会のさまざまな分野で活躍しているのです。
 みなさんも今この場からスタートしましょう。目白の杜のキャンパスに集まっている教職員や先輩などすべての人たちが新入生のみなさんを応援しています。
 以上をもって告辞とします。
 
平成30年4月3日 学習院大学 学長 井上 寿一