平成31年度 大学院、専門職大学院及び大学入学式

学長告辞(平成31年度 大学院、専門職大学院及び大学入学式)

 新入生のみなさん、入学おめでとうございます。教職員と在学生を代表して、こころから歓迎します。別室でモニターをとおしてご覧いただいているご父母の皆様、ご家族の皆様もおよろこびのことと存じます。
 本日ここに満開の桜のもとで、内藤政武学習院長、卒業生の同窓会である桜友会の東園基政会長をはじめとして、来賓の皆様のご臨席を賜わるなかで、入学式を執りおこなえますこと、たいへんうれしく思います。

 本年度の新入生は、法学部・経済学部・文学部・理学部・国際社会科学部の5学部あわせて2,119名です。大学院は6つの研究科と法科大学院をあわせて183名です。すべての新入生のみなさん、あらためて入学おめでとうございます。
 一昨日、新しい元号は令和であると発表されました。5月1日から日本は令和の時代を迎えます。新しい時代の始まりのなかで、新入生のみなさんの新しいキャンパスライフも始まります。
 充実したキャンパスライフを過ごすにはどうすればよいのでしょうか。前提となるのは新入生のみなさんの自主性です。学部の新入生のみなさんは「生徒」ではなく、「学生」です。今日から自分のことを「生徒」と呼ぶのは止めて、「学生」になってください。「生徒」と「学生」を区別するのは自主性です。学部生には自主性、大学院生にはより高度な自主性が求められています。
 自主性に基づくキャンパスライフとは、つぎの3つのような学生生活のことを指します。

 第1は、1日、1週間、1か月、1年を自主的に計画するということです。授業時間割は自分で組みましょう。新入生のみなさんは、課外活動の新入生の勧誘の一環で、「時間割を組みます」とサービスされるかもしれません。参考にはなるでしょう。しかし鵜呑みにはしない方がいいと思います。自分だけのオリジナルな時間割を組むことができれば、そこから充実したキャンパスライフが始まります。
 スケジュールのなかには学業だけでなく、課外活動やアルバイト、ボランティア、資格試験の準備などのほかに、自分との対話の時間を作るように強く薦めます。スマートフォンの電源をオフにして、自分との対話の時間をスケジュール帳のなかに記入すれば、そこから自主性が生まれます。

 第2は、オール・イン・ワンキャンパスの積極的な活用です。昨年度の新入生アンケートによりますと、学習院大学を志望する動機の一つとして、「学びたい学部・学科がある」と同じ程度に上げられたのが「キャンパスの立地の良さ」でした。キャンパスの立地の良さとは交通のアクセスが良いということだけではありません。すべての学生が入学から卒業・修了までともに学んでいる「オール・イン・ワンキャンパス」の利便性を積極的に活用する必要があります。
 別の言い方をすると、所属する学部・大学院の科目だけでなく、そのほかの学部・大学院の科目や総合基礎科目を学ぶことによって、学際的な知識が身につきます。
 例を挙げます。昨年度から新設された総合基礎科目の一つに「生命社会学」があります。この科目は2016年度に採択され現在も進行中の「私立大学研究ブランディング事業」の研究の成果が反映されています。昨年度のこの科目の参加者によるリアクションペーパーには次のような趣旨のコメントが溢れています。「最新の研究や自分の学部では学ばないような知識を得ることができて楽しかった」。「文理融合の科目で興味深く、同じテーマでも文系と理系の教員で違う見解があることを知って新鮮だった」。「グループ討論をとおして、自分の意見の短所やほかの人の意見の長所を発見できて、充実していた」。今年もこの文理連携型の科目が開講されます。
 さらに立地の良さとは、目白のキャンパス内に止まることなく、学びの場を多様なフィールドへ広げることができることを意味します。美術館、博物館、史料館、映画や音楽でも実地で学ぶ機会を活かすことができます。

 第3は、学習サポート組織を使いこなすことです。学びの場を海外に広げて、短期の海外フィールド研修から、語学研修、本格的な長期の留学に至るまで、チャレンジしてみようと思い立った時には、まず国際センターを訪れてみてください。中央教育研究棟の2階にあります。適切なアドバイスを受けることができます。
 西2号館の2階にあるラーニング・サポートセンターではライティングサポートやプレゼンテーションサポートをはじめとして、学習上のさまざまなサポートを受けることができます。以前、卒業論文が書けず就職活動も思うようにいかない4年生がいました。ラーニング・サポートセンターに相談することを思いついたこの4年生は、センターに通ううちに、すぐれた卒業論文を完成させて希望するところに就職することもできました。

 以上の3つの観点から自主性に基づいて、ほかの誰とも違う自分だけのキャンパスライフを過ごすことができれば、将来の可能性が広がります。

 今この場から始めましょう。目白の杜のキャンパスに集まっている教職員はもちろん、上級生やOBOGなどのすべての人たちが新入生のみなさんを応援しています。

 以上をもって告辞とします。
 
平成31年4月3日 学習院大学 学長 井上 寿一