教員紹介
勝尾 裕子 教授

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勝尾 裕子 (カツオ ユウコ) 教授

経営学科:財務会計

略歴

  • 1998年3月:東京大学大学院経済学研究科修士課程修了
  • 2000年4月:学習院大学経済学部専任講師
  • 2001年3月:東京大学大学院経済学研究科博士課程単位修得
  • 2003年4月:学習院大学経済学部助教授
  • 2005年9月~2007年8月:LSE、ケンブリッジ大学客員研究員
  • 2007年4月:学習院大学経済学部准教授
  • 2008年4月:学習院大学経済学部教授

研究分野

企業会計


主要業績

  • ‘Articulation, Profit or Loss and OCI in the IASB Conceptual Framework: Different Shades of Clean (or Dirty) Surplus,’ Accounting in Europe, with van Mourik, C., 2018.
  • 『財務会計の理論と制度』(共著), 中央経済社, 2018.
  • 『アナリストのための財務諸表分析とバリュエーション』,ペンマン著, 共訳, 有斐閣, 2018.
  • ‘Goodwill Accounting Standards in the USA, the UK, France and Japan,’ with Garcia, C. and van Mourik, C.  Journal of Accounting History, 2018.
  • ‘Environmental Costs, Social Responsibility and Corporate Financial Performance - A Closer Examination of Japanese Companies,’ with Chiang, B. and Pelhem A., American Journal of Business Research, Vol.8, No.1,  2015.
  • 『はじめて出会う会計学』新版(共著),有斐閣,2015.
  • ‘The IASB and ASBJ Conceptual Frameworks: Same Objective, Different Financial Performance Concepts,’ with Van Mourik, C, Accounting Horizons, Vol.29, No.1, 2015.
  • 『会計基準研究の原点』(共著),中央経済社,2012年.
  • ‘Subjective Goodwill as a Determinant of Earnings Quality,’ International Review of Business Research Papers, Vol.6 No.4, 2010.
  • 『日本の会計社会』(共著),中央経済社,2009.
  • 『詳解「討議資料・財務会計の概念フレームワーク」』(共著),中央経済社,2007.
  • 「投資有価証券の時価情報の有用性─わが国銀行の株価に及ぼす影響─」,『會計』,第154 巻,第5 号,1998.
  • ‘Fair Value Accounting and Regulatory Capital Requirements,’ Economic Policy Review, Federal Reserve Bank of New York, 1998.

学外での活動

  • 日本会計研究学会、アメリカ会計学会、ヨーロッパ会計学会、金融先物取引業協会不服審査会委員・学術連携委員会委員、プロネクサス総合研究所ディスクロージャー基本問題委員会委員

研究

将来キャッシュフローの予測が改訂された場合に会計上どのように反映されるのか、という問題に興味をもち、特に事業用資産の評価のあり方について研究しています。最近は、特にのれんの会計問題について、検討を進めています。

企業の行う投資は、金融投資と事業投資に大きく分けられます。金融資産の価値が市場の平均的な期待を反映した時価でとらえられる一方、誰が保有するかによって価値が異なる事業用資産の価値をはかるには、それを利用することから得られる将来キャッシュフローを予測することが必要です。それを現時点まで割引計算した割引現在価値が、その事業用資産の資産価値を表すことになります。

問題は、その後の環境の変化等によって収益性が大きく変化し、当初の予測が修正されるようなケースです。たとえば収益性が悪化した場合には、当初の予測が下方修正され、事業用資産の価値は下落することになります。こうした資産価値の下落を、会計上どのように認識すればよいのでしょうか。これは、事業用資産の価値の変動が会計利益にどう反映されるのか、という問題でもあります。

事業用資産といっても、建物など償却性の資産もあれば、土地のような非償却性の資産もあります。また、在庫品のようにごく短期間に売却することが予定されているような資産や、個々の資産をあわせた企業全体でみたときに顕在化するような無形資産もあります。これらの資産それぞれについて、当初では予想できなかった収益性の低下による価値の下落を、会計利益にいかに反映させるべきか、あるいは反映させるべきではないのか、検討を重ねています。


講義・演習の運営方針

演習

2年生対象の演習では、事例や新聞記事、文献を使って、より深く経済事象について学びます。資料や文献に記されていることをそのまま受け入れるのではなく、自分が本当に納得できたのかをいつも確認しながら進んでいくことの重要性を理解してもらいます。そのために有効な手段の一つであるのが、プレゼンテーションやデイスカッションです。本当に正しいかどうか自分が納得できてはじめて、他の人にも説明できるということを、デイスカッションを通じて体得してください。プレゼンテーション能力を向上させるため、デイベートも取り入れています。

3年生対象の演習では、各自の関心に応じて各々あるいはグループごとに研究を進めます。何が問題なのかを見つける能力つまり問題設定能力と、それを解決するには何をどう考えていけばよいのかという問題分析力を、学部生のうちに身につけることが重要です。演習では、それぞれの研究の成果を発表する機会も数多く用意し、自分の考えを正しく伝えるためのスキルを身につけてもらいます。グループ発表、デイベートもひき続き行います。他大学との交流会であるインゼミも実施しています。

4年生対象の演習では、卒業論文の作成を行います。各自の興味に応じてテーマを選択し、これまでに学んだツールを用いて分析を進めます。


メッセージ

なぜ?という気持ちを常にもつことは大事なことです。しかし、何も土台がないまま問題点・疑問点を見つけようとしても、こじつけや枝葉末節に陥ってしまい、問題の本質には近づけません。相手(人でも文献でも)が何を伝えたいのかを、偏りのない心と頭で理解しようとする姿勢が、何より大切だと思います。相手を理解した上で浮かんできた「なぜ?」こそ、問題の本質をつく疑問のはずです。


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