ファイナンス、エージェンシー理論による企業財務の分析(コーポレート・ガバナンスの研究)、統計的手法による企業評価、企業経営の日独比較(ドイツ人との共同研究、英語、ドイツ語による論文発表等)。財務の学会の会長などを務めました。最近は日本的経営、日本企業の財務的意思決定、そしてその海外での有効性などをとりあげています。
ドイツには5年住み、バイエルン州のバイロイト大学で給料をもらって毎週ドイツ語で日本的経営の講義・ゼミを行い、ドイツ語で試験をやりました。ミュンヘンに家族と暮らしたことはとても楽しい思い出です。サッカーのブンデスリーガ、バイエルンミュンヘンを応援しています。
日本財務管理学会前会長、日本経営財務研究学会、日本経営学会、Verband der Hochschullehrer fuer BWL Deutschland(ドイツの経営学会)、Verein für Socialpolitik(ドイツの社会政策学会)、Euro-Asia Management Studies Association( ヨーロッパ・アジア比較経営学会)等の会員、ドイツ大使館・ドイツ-日本研究所での客員研究など。
講義のテーマは、地味だが必須の知識である経営財務分析の基礎を身につけることです。財務の知識は会社勤めには必須で、入社後の新入社員研修では必ず試験があります。企業経営の4大資源であるヒト、モノ、カネ、情報のうちのカネに関する勉強ですが、まあ、地味なトピックかもしれません。経営財務Ⅰの授業の特徴は 「出席の重視」で、ふだん地道に授業に出ている学生に、できるだけS, Aをつけられるようとりはからっています。授業に普通に出ていれば、落ちることはないと思います。ただしもう一つの科目、企業評価論では、advancedなコースとしてEXCELやSPSSを使った財務データ処理の実習で、どんどん進みます。こちらは逆に 「難しい」という評判のようですが、これは仕方がありません。最近は目先の面白さを追求する学生が多く、戦略やマーケティングなど 「ハウトゥもの」の、経営の現象面を取り上げるトピックに人気が集まって、その背後にある、あるいはその分析道具を勉強する会計や財務のトピックは残念ながらあまり希望者が多いとは言えません。経営財務は会社経営の根本、あるいは土台を見る分析道具です。このため、目先の面白さだけを追う人にはあまり向いていないかもしれません。
2024年3月末で、43年間の学習院大学での教授生活を終えます。ずっと担当した経営財務は企業人の必須知識です。この知識がないと企業人として大きなハンディキャップとなり、人生が遅れる人を多数見てきました。これから大学生活を送る人もぜひ会計・財務の基礎勉強は、して下さい。
大学4年間、4年目の最後にゼミ論(卒論)に取り組み、4年間の 勉強の締めくくりをしましょう。本学の卒業生は、まさに全員が、「大学時代にもっと勉強しておけばよかった」、と言っています。ゼミ論に取り組んだことが、会社でのそうでない人よりも一歩前からのスタート を、可能にしてくれます。そしてゼミの同期生、先輩・後輩とのつながりは一生を支えてくれるものです。大学生活を是非楽しいものに、そしてゼミでの勉強を一生の財産にして使って、人生を楽しく送っていって下さい。
Eigenarten des japanischen Managements, Schmalenbachs Zeitschrift für betriebswirtschaftliche Forschung, März 1991 pp.275-284.
Zur Geschichte des VHB - Eine Einstellung eines japanischen Mitgliedes, in:Wagenhofer,A. und Burr,W.(Hrsg.): Geschichte des VHB und Geschichten zum VHB, Gabler 2011
Die Rezeptionsgeschichte der deutschen Betriebswirtschaftslehre in Japan, in:Matiaske, W. und Weber, W.(Hrsg.):Ideengeschichte der BWL, Springer/Gabler 2018
『企業評価の総合的方法』2018 創成社