教員紹介
杉田 善弘 教授

杉田 善弘 (スギタ ヨシヒロ) 教授

経営学科:マーケティング・サイエンス

略歴

  • 1974年:学習院大学法学部卒業
  • 1980年:ワシントン大学(シアトル) 経営大学院修士課程修了、MBA.
  • 1986年:カリフォルニア大学ロスアンジェルス校経営大学院博士課程修了、Ph. D.

研究分野

  • マーケティングのためのデータ分析、特に新製品売上モデル、ブランド選択モデルなど、そしてデータマイニングのマーケティングへの応用。
  • 新製品開発のためのマーケティング。

主要業績

  • 「消費者セグメント毎に軸の重要性が変化するジョイント・スペースを持つブランド選択モデル」『学習院大学経済論集』2015。
  • 「ブランド選択モデルを用いたジョイント・スペース・マップによる分析」『日経広告研究所報』2012。
  • 「内的参照価格形成におけるブランドロイヤルティの調整効果の非対称性」『学習院大学経済論集』(共著)2011。
  • 「データマイニングの特質と活用」『情報の科学と技術』2010。
  • 「ダイナミックに変化する家計毎のアイデアル・ポイントを持つブランド選択モデルによるジョイント・スペース分析」『学習院大学経済論集』2009。
  • 『マーケティング・コミュニケーション大辞典』(分担執筆)宣伝会議 2006。
  • 『プライシング・サイエンス』(編著)同文舘出版 2005。
  • 『製品・ブランド戦略〔現代のマーケティング戦略①〕』(分担執筆)有斐閣 2004。
  • 「考慮集合形成における交互効果」『学習院大学経済論集』(共著)2002。
  • 『マーケティングのためのデータマイニング入門』(共訳)東洋経済新報社 2001。
  • 「文脈効果とジョイント・スペースを組み込んだブランド選択モデル」『消費者行動研究』1998。
  • 「消費者に起因する先発の優位性について」『消費者行動研究』1996。
  • 「マーケティング・サイエンスと新製品売上予測」『品質管理』1995。
  • 「非集計レベルのデータを用いた新製品トライアル購買モデル」『マーケティング・サイエンス』(共著)1993。
  • 「多項ロジット・モデルによる広告効果の測定」『マーケティング・サイエンス』(共著)1992。
  • "New Product Introduction under Uncertainty in Competitive Industries", Managerial and Decision 
Economics, 1990.
  • 「消費者選択の相互依存性について」『マーケティング・サイエンス』(共著)1990。
  • “A Price Expectations Model of Customer Brand Choice”, Journal of Marketing Research, 1990.

学外での活動

  • 日本マーケティング・サイエンス学会
  • 日本商業学会
  • 日本消費者行動研究学会

メッセージ

研究では,企業のマーケティングにとって現実性のある問題を理論の上で意味のあるモデルにして説明していくことを目標にしています。


講義・演習の運営方針

[ゼミについて]
何故ナイキのバスケットボール・シューズは人気があるのだろうか。これが私のゼミ生がグループで作成したゼミ論のテーマのひとつである。私のゼミの活動を理解してもらうには、ゼミ活動の柱の一つであるゼミ論の話をするのが手っ取り早い。バスケットボール・シューズをテーマにした論文を詳しく紹介するのはここでは無理なのだが、論文作成にあたって採られた方法は、私のゼミのゼミ論としては一般的なものなので紹介しよう。まず、その企業、業界の現状を図書館にあるビジネス誌や業界紙などで把握し、授業やゼミで得たマーケティングの理論的な知識を使って、現状(ナイキのバスケットボール・シューズが人気がある)を説明すると思われる仮説を作り上げ、それを実際のデータを使って検証する。
文献だけでは現状の把握が足りないときは、メーカーに直接尋ねたりもする。ナイキの場合は、イメージ(特に、広告を通してのイメージ)が非常によいことが人気につながっているという仮説が構築され、この仮説がアンケート調査で得られたデータによって確かめられた。特に、ナイキのイメージが良いばかりでなく、同業他社のイメージが弱く、はっきりしたものがないことが、ナイキの独走に余計弾みをつけさせていることが彼らの調査結果から分かる。ここまで書くと、私がゼミで行って欲しいことがある程度読みとれると思う。
1)まず、マーケティングに興味を持って、世の中で起こっている事柄に接すること。
2)また、授業で習った理論をただ理論として理解するのではなく、現実に起こっている現象と関連づけて考えること。つまり、理論によって現実に起こっている事柄を説明しようとすること。ここから仮説が生まれてくる。何かもやもやとした経験や勘による説明ではなく、明快な理論的説明が、大学でマーケティングを学ぶことの意義のひとつであろう。
3)そして、仮説を仮説として終わらせないため、客観的なデータをアンケート調査などから得て仮説を検証すること。自分の作った仮説をデータによって検証することによって、仮説の客観性を高めることが出来、ひとりよがりではない論文を書くことが出来るのである。データを分析するには、それなりの知識を必要とするし、ゼミでもデータ分析の方法を解説はするが、それは特に重要なことではない。下では、私のゼミの卒業生である中村里香さんのゼミと仕事に関する感想を載せよう。

[中村さんのゼミについての感想]
何かひとつのアクションを起こす際の基となる考えかた。それがマーケティングだと思います。社会人になり、企画・提案から、制作までの仕事に従事するようになった今、私は大学時代にゼミで学んできたことが多いに役に立っていることを実感し、感謝する日々です。大学時代に学んだことは、必ずしも社会人になってから、有効に活用できない場合も多いようですが、こと、マーケティングという分野においては、それは例外であると私は思っています。現在、私は大手印刷会社のもと、様々な分野のクライアントに対しての企画提案を行っています。受け持っている業界は多種多様で、クライアントが流通であれば流通プロモーションの提案、また、クライアントが大学であれば、大学案内を作る上でのツールの提案や内容の提案などなど、幅広い分野のマーケティング・プロモーション活動に携わっています。私が杉田先生のゼミで学んできたのは、新製品開発に関するマーケティングであるプロダクトマネジメントについてでした。先生は、理論と実践の両側面から勉強させて下さいました。理論とそれに即してのケース・スタディー、さらに自分達で課題の設定からデータ収集を行って他大学と発表し合うゼミ討論会への参加などを通して幅広い知識が付いたと思います。ある企業が、アクションを起こす際の外部的要因と内部的要因の分析によって、もっとも有用な新商品の提案を行う考え方を学んできたわけですが、これがそっくりそのまま、今の私の仕事となっているわけです。ついこの間も、あるローカル鉄道会社で土産物に関する提案を行ってきました。「今まで売っていた土産物の売上の落ち込みが激しく、収益にひびいてきているので、それに変わる商品の提案を...」とのことでした。まさに、ゼミのケース・スタディーで出されるテーマはこんな感じではなかったでしょうか。商品の提案をするためにはそれを提案する動機付けが必要となってきます。そのために行うのは、市場の特性を理解し、購買の動機を探り出し、さらに、動機に影響を与える要因や、商品に対する消費者の態度、商品選好条件や、購買意図の理解などを調査し、結果として商品の提案とするということだと思うのです。社会人2年目の私が、このような分析がなんとかできるのは、基本的なマーケティングの考え方を二年間、杉田先生の元で勉強させていただいたおかげであると思っています。マーケティングは私のような企画部門に直接携わっているものだけに必要とされている知識ではありません。社会人になって、営業をすることになっても、消費者のニーズを考えるということは全ての基本となってくることで、得意先との会話において、この考え方を常に念頭に置くことは相手を満足させるための必須条件となってくると私は思っているからです。マーケティングは誰にでも必要で有用な知識なのです。

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