多田 浩司(タダ コウジ)特別客員教授

多田 浩司 特別客員教授

多田 浩司(タダ コウジ)特別客員教授
経営学科:人的資源管理論、組織行動論

略歴

  • 1988年:航空会社入社
  • 2005年:筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士前期課程修了 修士(経営学)
  • 2012年:一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了 博士(商学)
  • 2021年:学習院大学経済学部特別客員教授

連絡先

  • E-mail:add_koji_tada.png
  • 研究室:中央-803

研究分野

人的資源管理論、組織行動論

主要業績

論文(査読付)

  • 多田 浩司(2010)「感情知能の後天的な向上が上司と部下の関係性に与える影響」『ドクトラルコンソーシアム提出論文』組織学会
  • 多田 浩司(2012)「感情知能の変化が上司と部下の関係性に与える影響」『組織科学』第46巻第1号, pp. 58-70.

学外での活動

所属学会:組織学会、経営行動科学学会

研究テーマ

 これまでの研究活動では、主として組織の中で働く成員の態度や行動が組織の生産性に与える影響についての実証分析を行ってきました。ミクロレベルのデータを用いた具体的な研究成果の一例としては、感情を処理する能力が上司と部下の関係性に与える影響を定量データを用いた共分散構造分析(SEM:structural equation modeling)により行い、その発見事実の背後にあるメカニズムを質的データ(インタビュー調査)を通じて明らかにするという研究をしています。また、ヒューマンスキルの向上を目的とした研修が受講後の参加者の意識や態度にどのような変化をもたらすかということを、研修前後の時系列データ(パネルデータ)を用いた実証研究についても行っています。
 今後においては、生産性向上の決定要因に代表される企業成長の様々なメカニズムを人的資源管理の側面から研究していきたいと考えています。特に昨今のような環境的にも構造的にも不確実な状況下では、今まで以上に人的資源の活用と活性化が求められており、協働が原則の生産現場では成員同士が信頼し合い、共に喜び合える一体感のある職場風土を醸成していくことが不可欠であると思っています。
 また、近年では経営研究における感情の位置づけが益々大きくなってきているにも係わらず、組織における対人関係の質を感情面から捉えた研究はあまり報告されていません。さらには、感情をマネージする能力として重要な役割を果たしていると考えられている感情知能が、組織における人と人との関係を規定する要因になっていることは直感的にも理解されているところです。しかしながらこうした研究についても殆ど報告されていないことから、引き続き今後の研究テーマとして取り組んで行きたいと考えています。

講義・演習の方針

 キャリア・デザインの講義は様々なバックグラウンドを持つ仲間と共に主体的に講義に参加することで、多くの気付きや学びが得られるように授業を設計しています。
 現在大学生の皆さんが社会に出て活躍する頃のキャリアの築き方は、皆さんのご両親の時代とは大きく変わって来るものと思います。グローバル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速的に進展する未来の社会で最も求められることは、自分自身を見失わず、他者と協調し、新たな価値を生み出す力です。そこで、単に「就活のため」ではなく、就職した後も続くキャリアの旅路を主体的に自分の足で歩んで行けるような力を身に付けること、それがキャリア・デザイン講義の目的です。具体的には、自己理解・他者理解、仕事理解、人事評価、コミュニケーション、リーダーシップ、グローバル化などをテーマに、ワークシートやグループディスカッションなどのインタラクティブな授業スタイルで進めます。
 また、教員自身のキャリアや社会人の先輩の具体的な事例を通してキャリアに関する理論と実践を学びます。講義が進むほど受講生は自分の意見をしっかり発言できるようになり、グループディスカッションのスキルも上達します。「学習院大学で過ごした数年間で自分は成長した」と、いつの日か皆さんが振り返られるように実りある時間を共に過ごしたいと願っています。

メッセージ

 ご入学おめでとうございます。高校生から大学生になるということは「キャリアの転換期」を意味します。新しい生活が始まりますが、実は新しいことを始める前には過去を終わらせることが重要だというキャリアの理論があります。慣れ親しんだ過去の生活との別れは寂しくもありますが、それが成長に繋がるのです。そして、いずれ皆さんは大学生を終わらせて、今度は社会人へと次の転換期を迎えます。
 こうして人間は幾度かの転換期を経て、キャリアを何層にも積み重ねていきます。皆さんの大学生活における貴重な「キャリア」の1ページが豊かになるような授業をしたいと思っていますので、ぜひ⼀緒に楽しんでください。

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