徳川 義昇(三菱重工業)
投資家に向けて会社の魅力を伝える
学生時代はゼミ、部活、委員会で活躍し、現在は大手企業のIR部門で働く徳川義昇さん。
今も週に一度は目白に通って旧交を温めている。

徳川 義昇 Yoshinori Tokugawa
三菱重工業 社長室 広報・IR部 IRグループ課長代理
Profile
2001年、経営学科卒業後、三菱重工業に入社。神戸造船所にて電力会社向け営業を経験した後、汎用機・特車事業本部で発電機、エンジン系部品などの購買を担当。その後、本社社長室広報・IR部ブランド戦略グループに所属し、10年にIRグループへ異動となる。
Voice

株式の投資家(インベスター)に向けて会社の情報を発信し、多くの投資家との良好な関係(リレーション)を構築し、自社の株式を購入してもらう。それがIR(インベスター・リレーションズ)と呼ばれる活動である。德川義昇さんは、三菱重工業のIR担当部署に所属し、ホームページや会社説明会などで個人投資家向けに情報を発信する仕事を担当している。
「事業内容や歴史、社会貢献活動などをわかりやすく、具体的に伝えていく仕事です。会社の魅力を理解していただき、株式を購入していただいたときが一番うれしいですね」
形に残る仕事、多くの人の役に立つ仕事がしたいと考え、大手製造業への就職を選んだ。電力会社を顧客とする営業、資材を調達する購買の仕事を経て、自ら希望して社長室直属の広報・IR部に異動となった。
「現場で商品を売る立場や材料を買う立場を経験したうえで、会社の事業全体を見られるような仕事がしたいと考えていました」
たゆまぬ努力でそのキャリアビジョンを実現し、現在に至っている。同社の事業範囲は、航空、宇宙、環境、造船、生活インフラまでと幅広い。
IR担当者として事業概要を把握するとともに、金融知識をさらに深めていくことが、現在の目標だ。
初等科から学習院に通う。大学では、社会や企業の仕組みを広く学びたいと考え、経済学部を選んだ。経営学科にしたのは、より実践的な勉強ができると思ったからだ。ゼミでは、年金制度の研究や、転職と起業の比較研究などを行った。
一方、小学校から野球を始め、大学でも硬式野球部に所属し、レギュラーとして活躍。平日は昼から3時まで、グラウンドで練習に明け暮れた。経済学部は、比較的自由にカリキュラムを組めるので、勉強と部活の両立は、それほど難しくなかったと言う。さらに3年生からは、学内の運動部を統括する「運動部常任委員会」で副委員長も務めた。
「勉強も課外活動もアルバイトも、やりたいことが何でもできる。それが学習院の良さだと思います」
ゼミ、部活、委員会と、さまざまな活動に全力を傾けた彼だからこそ、その言葉には説得力がある。今も週に一度は目白の居酒屋で旧友たちと酒を飲み交わして語り合う。現在も続く仲間たちとの友情が、学生生活で得た大きな財産だ。