略歴
浜松生まれ。広島大学教育学部卒。MA 及びEd.M in TESOL(Teachers College, Columbia University)取得。文化外国語専門学校、Earlham College(米国)、広島大学留学生センター、国立国語研究所を経て、2010年4月より学習院大学文学部教授。
学習院大学
文学部日本語日本文学科
大学院 人文科学研究科日本語日本文学専攻
Staff
KANEDA, Tomoko
浜松生まれ。広島大学教育学部卒。MA 及びEd.M in TESOL(Teachers College, Columbia University)取得。文化外国語専門学校、Earlham College(米国)、広島大学留学生センター、国立国語研究所を経て、2010年4月より学習院大学文学部教授。
日本語教育学
担当授業(2024年度)※長期研修のため、2025年度は授業を担当しません。
私の研究・教育活動
主要著書
所属学会
日本語教育学会/異文化間教育学会/社会言語科学会/留学生教育学会/教師教育学会/日本総合学術学会
大きく分けて二つあります。日本語教師になりたい人や、日本語教師として成長したい人を支援すること、そして日本語教育という分野に関する理解者を増やすことです。この二つを目的として、教育活動、研究活動、社会活動を行っています。
「日本語教師に必要なのは、日本語についての知識だ」と考える人は多いだろうと思います。もちろん、日本語を外国語として捉え、分析的に見直すことができなければ、日本語教師になるのは難しいでしょう。しかし、私は日本語学や日本文法が専門ではありません。軸足は日本語の「教え方」「学び方」にあります。
日本語を身に着けるためにはどういった方法が有効なのか、そのような環境を作れば学習は促進されるのか等を焦点に、そういった側面の力を蓄えた人を育てるための授業を行っています。たとえば、どんな工夫をすれば、学習者は意味のある発話を数多く行うことができるのか、どんな活動を取り入れれば、伝えたい内容やそれを表すことばを増やすことができるのか、などを検討するのです。
また、日本語を教える上では、どんな日本語を教えるかを選択する力も重要なので、「こういう場面ではどんな日本語がどういった意図で使われるのか」を分析することもよく行います。それをすることによって、たとえば「~てください」は「依頼」ではなく、むしろ「指示」なのかもな、といったことに気づくようになります。
テーマを決めてグループで調査を行う、という授業も行っています。調査計画、実施、分析、報告書作り、といった一連の活動を通じて、調査の方法を身に着けます。この授業は、国内の外国人や日本の言語環境についての理解を深めることも目的にしています。
私自身がこれまで研究テーマにしてきたことは、授業分析と日本語教師の専門性です。授業分析は、30年ほど前に出会ったFOCUSという授業分析ツールと、その開発者であるファンズローの考え方に影響を受け、あきずに取り組んでいます。日本語教師の専門性については、そもそも、自分自身が学部生時代に「職業」について悩んだことが発端ですが、日本語教師になって数年後に、日本語教師の資質・能力に関する研究グループに加えてもらったことにより、興味が深まりました。そしてこの二つのテーマを融合し、授業データを用いた教師研修の実践と研究、教師としての成長が目下の課題となっています。
実際の日本語教育に触れ、日本語教師としての能力を伸長する機会として、日本語日本文学科では外部団体の助成を受け日本語教育研修旅行(韓国、台湾等)や、海外日本語教育インターン派遣などを実施しています。また、近隣地域在住・在勤の外国人を対象とした日本語教室を設け、運営しています。日本語教師を志す方はもちろん、そうでない方も、在学中にこういった機会をぜひ活用していただければと思います。
また、日本語教育の実践がよりよいものになるように、日本語教師が成長できるように、という思いから、仲間とともに言語教師向けの雑誌を刊行しています。国内外の教師がそれぞれの授業について紹介し、刺激を受けあう雑誌にしたいと考えています。
ぜひ、日本語教師を目指してください。なりたい仕事がみつからなかった20代、ようやく巡り合ったのが日本語教師でした。これだと決めたからは、やめたいと思ったことは全くありません。そして、これで満足と思ったこともありません。つまり、やりがいのある仕事です。