2016.12.09 Fri
日本銀行が全国の大学生を対象に主催している経済・金融分野の小論文・プレゼンテーションコンテスト「第12回 日銀グランプリ~キャンパスからの提言~」の決勝大会が2016年12月3日(土)に日本銀行本店で行われ、経済学部清水順子ゼミに所属する経済学部3年生4名(長谷川梨沙さん、今野裕莉香さん、薄井俊介君、平川悠貴君)が優秀賞を受賞した。清水ゼミでは前年も決勝大会に進出し敢闘賞を受賞しており、2年連続の輝かしい成果を残した。

(写真)岩田日銀副総裁をはじめとする審査員との記念撮影
12回目を迎えた日銀グランプリ決勝には、全国38大学から118編の応募作のうち、書類審査を通過した5チームが進出し、プレゼンテーションおよび審査員との厳しい質疑応答内容も加味して、最優秀賞、優秀賞等が選ばれる。

(写真)プレゼンテーションの様子
優秀賞を受賞したチームは「ギャップイヤーを応用したデモワーク型奨学金制度の創設」を提案した。これは、ギャップイヤー制度を応用し、この奨学金を利用する学生が大学に進学する前に1年間企業で働き、大学に行くことの機会費用を知ることで学習意欲を高め、奨学金の将来返済額の負担を軽減するとともに、この制度に参加する中小企業の知名度向上とCSR活動を促すことを目的とした提案である。
学生の立場から奨学金滞納という身近な問題点の解決方法を探り、学生を対象としたギャップイヤー取得に関するアンケート調査の実施や、豊島区を例としたデモワーク実施に対する試算など、丁寧な分析が高く評価された。
優秀賞に選ばれたメンバーの一人、長谷川さんは、論文作成の苦労について「“金融”という1つの広いテーマに、自分たちなりのアプローチ方法で答えを導き出していく過程で、“現存する様々な問題の中からどれを取り上げるか?”“そもそも問題はそれだけなのか?”“その問題をどう解決できるだろうか?”など考えは様々で、1つ1つのステップを踏んでいくのが大変でした。」と振り返る。今野さんは「決勝大会進出までの間に、経済学部の他の先生方や外部の方から様々な問題点をご指摘いただきました。デモワーク事業における事業構造やコスト面などについて、皆で話し合いを重ねましたが、議論は難航し、ようやく解決策を導くことができたのは決勝大会前日でした。このように「解のない問題」に対し、いかに説得力のある解を出すか、という部分がとても難しかったです。」とその苦労を語った。また、決勝大会進出が決まってから、プレゼンテーションの練習を重ねるうえで「清水ゼミ3年生、4年生のメンバーだけでなく、椋ゼミ、他大学とのインカレゼミで何度もプレゼンを行い、たくさんのアドバイスをいただきました。今は、感謝の気持ちでいっぱいです(今野さん)。」と喜びを語った。

(写真)プレゼンテーションの様子
決勝大会では、「日銀副総裁を前に大変緊張しましたが、日本の金融の専門家の方々に自分たちの提案を評価してもらう貴重な機会でした(薄井君)」、「プレゼンでは、なるべく聞いて下さっている皆さんの方をよく見たり、呼びかけたりするように工夫しました(平川君)」と当日の感想を語った。
受賞結果について「本番は、やっぱりツメが甘かったなと思うこともあり、グランプリを取れなかったことはとても悔しいので、この悔しい経験を今後の人生に活かしていきたい(今野さん。)ぜひ来年リベンジしたい(長谷川さん)。」と新たな意気込みを語ってくれた。
指導する清水順子教授は「論文作成を始めたのは7月から。就活のインターンシップなども始まり、時間的制約がある中で、4人とも大規模なアンケート調査を実施するなど、よく準備をしました。ゼミでも皆と何度も議論しながら完成させた論文なので、ゼミ生全員の成果です。こうした貴重な経験が、皆の就職活動にも役立てばと思います。」と、ゼミ生のさらなる活躍に期待した。