【GCA東京コラム】プログラムを支えるボランティア~GCA東京にはなぜ日本人学生が集まるのか~

  • HOME
  • NEWS
  • 【GCA東京コラム】プログラムを支えるボランティア~GCA東京にはなぜ日本人学生が集まるのか~
 学習院大学国際研究教育機構(以下「geore」)では、日本語教育プログラムである「グローバル・キャンパス・アジア東京(以下「GCA東京」)」を開催しています。


GCA東京は、中国・台湾・韓国の学生を中心に、海外から日本語を勉強したいという留学生(以下「研修生」)が参加するプログラムで、日本語力が低い学生向けのGCA東京first japan。2週間様々なプログラムを行うGCA東京夏、2月に行うGCA東京冬の年3回開催されています。

 毎回40名ほどの学生がプログラムに参加するために来日しています。プログラムの特徴は、午前中に日本語のできる学生を共学者(conversation partner)として共に授業を受ける「ビジターセッション方式」による日本語学習を行い、午後には研修生の興味に応じた課題探求型学習として学外見学を行っており、座学よりも教育効果の高いアクティブラーニングを行っています。

 GCA東京は、学習院の日本語教育研究の手法と、課題探求のアクティブラーニングを融合させた学習院大学が提供する意欲的な日本語教育プログラムですが、一方、この人数規模に対して、高い品質の内容を提供するにはconversation partnerや日本語サポーター、学外見学や、その人員統率などに多くの人員が必要です。これを支えているのが、サポーターと言われる学習院大学・学習院女子大学の学生ボランティアです。リピーターを含め毎回100名以上の応募があり、場合によっては制限がかかるほどの応募があるそうです。

 プログラムを統括するgeoreのPD研究員の幸松氏も「学習院はほんとうに学生が集まってくれています。一般的に、日本人学生向けに日本語授業のビジターを募集しても、なかなかこちらが希望する人数は集まらないと聞きますが、学習院は多くの学生が集まってくれています。単位が取れるわけでもないGCA東京になぜこのように学生が集まるのか。他大の方も学習院の集まりの良さには驚かれます。」と首をひねります。

 4年生になって初めて参加した学生が「もっと早く知っていれば」とくやしがるというこのプログラム。運営している学生団体「GCA東京学生部」の学生は、「多くの人に知られているとは言えないGCA東京をもっと知ってもらいたい」といいます。なぜ学生が集まるのか、その魅力についてGCA東京学生部の学生に聞きました。


(話を聞かせてくれた学生部の皆さま
左から時計回りに新井さん(法政)、寳田さん(経経)、岡部さん(法法)、太田さん(文仏)、近藤さん(文仏))

-学生自身が、GCA東京が好きで立ち上げた団体

 学生部は、GCA東京2015の後に、あまりに大変そうな教員の姿を見て、なにかお手伝いができないかと声をかけた学生が中心となって設立されました。初期メンバーはすでに卒業していますが、今は自分たちの代が引き継ぎ活動を継続しています。先生方にやってくれと言われたわけでなく、自分たちが好きなこのプログラムに貢献できないかと考えた結果だったと思います。
 活動内容は、GCA東京のビジタープログラムの人員配置、学外授業の引率、日本人サポーター募集のための活動や交流イベントの企画運営、大交流会(学習院大学から派遣する学生、学習院大学への受け入れ学生、学習院の日本人学生の三者の交流会)の企画運営を行っています。GCA東京の企画運営のために週1回のミーティングを行います。
 現在、学生部は23名のメンバーがいます。


(右端 幸松PD研究員)

-日本語で参加できる国際交流

 きっかけは立て看板やG-portで募集されているのを見てGCA東京の日本人サポーターとして参加しました。海外から日本語を勉強に来た研修生のお手伝いをしようと思っていましたが、参加してみてわかったのですが、GCA東京夏・冬に来た研修生は、日本語ができない人はほぼいません。日本人の友だちと話すような感覚で海外の学生と話し、でもやはり文化的な背景は違うところからきている人たちですから、新しい視点を得られたりするのがとても楽しいです。
 国際交流というと、英語など他の言語ができないと参加できないのではないかと感じ、敷居が高いものと思っている人も多いと思います。しかし、これは日本語教育プログラムであることから研修生に日本語を話させるという意味でも、基本的に日本語しか使いません。国際交流には興味があるけど、英語が苦手だから無理と思っていたような方でも問題なく参加できます。 また、プログラムの説明会なども学生部がまめに連絡をとったり、たくさんの説明会を行ったりして不安なく参加できるように努めています。


(大交流会でのディスカッション)


(GCA東京学生部代表 近藤さん)

-意義のあるプログラムに運営側として参加する充実感

 学生部では、ただのサポーターとして参加するよりも、深く研修生と関わることができます。研修生と友だちになって、相手の国に会いに行ったりもしました。
 異なる背景を持つ研修生と深くかかわることで、視野が広がりましたし、またその視野の広がりは身近な人にも波及しました。いろいろな背景を持ちつつも日本に学びにくる研修生の姿勢に刺激を受けます。異文化と深くかかわることによる自分たちへのフィードバックは大きいです。
  GCA東京は研修生への日本語教育プログラムではあるのですが、海外の人も含めた100名を超えるイベントを取り廻す経験は、運営する自分たち日本人学生にとっても貴重な機会になっています。 教員の方と一緒に、話し合って、プログラムの企画を考えて、実際にやってみて、研修生の方々が楽しんでくれるのを見る楽しさ、充実感は、ほかではなかなか味わえません。


-学生が主体であることが人の集まる理由

 学校が主体のプログラムだと、どうしても申し込みの相手も学校になってしまい二の足を踏むこともあると思います。GCA東京は、学生部が学生の窓口となっていることで身近な感じで参加ができるのだと思います。
 また、たくさんの人が参加していることで、その友だち関係から人が集まるという好循環も発生していると思います。こういったことは学生が主体の団体で人が集まっているからこそ、口コミの効果が生まれるのだと思います。
 期間中のすべてのプログラムに参加しなくても良いことや、外国語ができなくても大丈夫というところはやはり大きいと思います。 自分たちや、サポーターを繰り返し手伝ってくれるリピーターが、GCA東京が好きで楽しんでやっていることを見せること、また新しく参加してくれたひとにも楽しんでもらうということが大事だと思いますし、そのためにいろいろな企画を考えて運営しています。
 今後もこの楽しい、貴重な経験ができるプログラムへの協力を続けていきたいと考えています。


(日本語授業におけるプロジェクトワーク発表会の様子)

 教員と学生部と一丸となって情熱を持って取り組んでいるGCA東京。話ぶりからもこのプログラムが好きであるという気持ちや充実感が伝わってきました。
 GCA東京に興味のある方は国際研究教育機構、あるいは本学学生はGCA東京学生部(外部サイトfacebookページ)へ。