【開催報告】理学部「今年のノーベル賞」

10月4日(木)、理学部で「今年のノーベル賞」が行われました。この催しは、その年のノーベル賞の発表後、受賞対象となった研究について専門分野の近い理学部の教員が解説をする会で、2002年からほぼ毎年行われています。今年は化学賞の発表(3日の18時45分)から丸一日も経たない4日の18時に開始という素早い開催でした。

今年は物理学賞について物理学科の平野琢也教授 が、化学賞について物理学科の中根大介助教 が、医学・生理学賞について生命科学科の阿形清和教授 が解説を行いました。

解説会は、会を企画し、司会進行を務めた物理学科の田崎晴明教授 による、冒頭挨拶でのノーベル賞を受けた研究成果についてどう考えるべきかについての話しから始まり、平野教授による物理学賞の解説へと進みました。


(写真)物理学賞について解説する 平野琢也 教授

物理学賞の受賞者には、生物学の実験や、目のレーシック手術などに応用されているレーザー技術の開発に貢献したアメリカのベル研究所のアーサー・アシュキン博士ら3人が選ばれました。レーザーを使った研究を専門とする平野教授がそれぞれの研究の原理を丁寧に解説してくれました。女性として 55 年ぶりにノーベル物理学者を受賞したドナ・ストリックランド博士と平野教授は専門分野も近く、つい先日も学会で顔を合わせたとのこと。平野教授は 「一緒に写真を撮っておくべきだった」と残念そうに話していました。


(写真)化学賞について解説する 中根大介 助教

化学賞の受賞者には、自然界で起きる進化の仕組みを活用してバイオ燃料や関節リウマチなどの薬をつくる技術につながる研究を行った、カリフォルニア工科大学(アメリカ)のフランシス・アーノルド博士ら3人が選ばれました。生物物理学を専門とする中根助教は、カラフルなスライドと洗濯洗剤など親しみやすい応用例を使って難しい研究について生き生きと話してくれました。中根助教が解説を依頼されているのを知ったのは、なんと、この日、朝起きてメールを見た時だそうです。短時間で用意したとは思えない見事な解説でした。


(写真)医学・生理学賞について解説する 阿形清和 教授

医学・生理学賞の受賞者には、免疫の働きを抑えるブレーキ役となる物質を発見し、がんに対して免疫が働くようにする新たな治療薬の開発などに貢献した京都大学の本庶佑特別教授らが選ばれました。解説を担当した阿形教授は、プラナリアの再生の研究などで有名な再生生物学の第一人者です。本庶佑さんとは古くからの知り合いで、彼の研究についても人柄についても深く理解しており、このテーマの解説者としては世界最高だったと言っていいでしょう。本庶さんと阿形教授の関わりから始まり、研究の内容にもしっかりと触れながら、 研究者としての本庶さんが何を目指し、何を達成し、そして今は何を目指しているかを描き出す迫力の講演でした。

当日は大教室がほぼいっぱいになるほどの人が集まる大盛況でした。それぞれの講演に対して様々な質問が出て、予定時間をずっと過ぎるまで解説者とのやりとりが行なわれました。本学の大学生に混じって外部から参加した高校生も質問をしていたのが印象的でした。

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