教員志望学生による小学生を対象にしたプログラミングワークショップが開催されました

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2019年2月23日、学習院大学目白キャンパスにて、 学習院大学文学部教育学科の学生有志からなる「教育学科プログラミング教育研究サークル(代表:宮島衣瑛 学習院大学文学部教育学科3年生)」主催で、広く一般の小学生を対象とした「プログラミング体験ワークショップ(共催:学習院大学文学部教育学科 後援:豊島区教育委員会)」が開催されました。

定員40名に対し、1月の募集開始から豊島区外も含め140名以上の応募があり、昨今のプログラミング教育に対する関心の高さが伺われました。午前と午後2回行われたプログラムには、応募者の中から抽選で選ばれた4年生から6年生の小学生が合計で約40名参加しました。

(北1号館1階多目的教室Bにて開催)

今回のワークショップは教育用プログラミングツールScratchを使ったプログラムになっています。

(Scratch cat)

参加した小学生は知識やスキルも様々です。まずは、Scratch catを様々に動かすことで、動きの指示や色・大きさなどの属性を、パズルを組み立てるようにプログラミングできるScratchの操作に慣れていきます。

操作のオリエンテーションが終わったら、発表に向けたグループワークを行います。
「女の子がまほうにかけられた」というテーマで、グループでアイデアを出しあって物語を創作し、それをScratchを使って表現。最後は全員の前で発表します。

「プログラミング教育の利点は、パソコンの中では現実の制約がなく、あらゆる発想の実現が可能なことと、試行錯誤が容易にできることです。」(宮島さん)
参加した小学生は、与えられたテーマの中で自由な物語を発想します。メンターは小学生の発想を制限したり、阻害したりしないよう注意しながら、Scratchでアイデアを実現できるようサポートしました。

(多くが実際の小学校教員になる教育学科の学生がメンターとしてサポート)

グループは事前に指定されていますが、住まいの地域や学年などバックグラウンドが違う者同士がグループになるよう考えて配置をしています。参加した小学生は当日初めて会った人とコミュニケーションを取りながら作業をしなくてはいけません。

このプログラムは、グループワークという共同作業を通じて、全体の物語を作る(全体の構想を考える)、順番を決め、個別の作業でシーンを作る(工程の分解)、繋げて物語りにする(再構成)、というフローが組み込まれていて、自然にプログラミング的思考やコラボレーション体験に繋がるよう考えられた構成になっています。

最後は発表です。順番に自分が担当したシーンをプロジェクターに投影、物語を表現しました。

(動きや音を使って自分たちで作った物語を表現)

参加した小学生からは「Scratchで画面を動かせるのが楽しかった。」「初めて会った人とグループワークする体験が新鮮だった。」や発表の時に「もっと完成度をあげたかった。」という感想が聞かれました。
保護者の方からは「プログラミング教室はたくさんあり、どれに参加すれば良いのかわからない状況でしたが、学習院大学の中で行われているということで安心感もあり参加させていただきました。」という声が聞かれました。

ワークショップを主催した教育学科プログラミング教育研究サークル代表の宮島さんは、今回の取組みについて、
 「私たちが開催したワークショップは、小学校の教員を養成する教育学科の学生が企画や事務・運営をすべて行っています。実際に、自分達が卒業後に先生になりますので、学校教育の現場を想定して行われていることが、他とは違う大きな特徴です。
 私たちは、プログラミング教育では『創造性』と『コラボレーション』が一番重要なものであると考えています。従来、公教育の中で、子どもたちが自由な発想に基づき、自らの知識やスキル、経験や感性などを総合的に発揮できる場を提供することは、費用面や設備面その他、様々な要因により難しかった側面があると思います。ですが、プログラミングは必要な環境さえ用意できれば、そのなかではあらゆる表現が可能で、何回でも試行錯誤ができます。公教育の中でも、子どもの総合的な能力を発揮する教育プログラムとして取り入れることができると考えています。
 小学校では2020年度からプログラミング教育が必修化されますが、単なる作業をマニュアルに沿って行うようなものではいけないと思っています。このワークショップは、プログラミング的思考を養うことはもちろん、子どもたちが自由な発想をすることや、意見を素直に表現できる受容の環境を作ることを特に大切にしました。
 今後も、この取組みをサークルメンバーとともにより良いものにしながら、継続したいと考えています。」と語りました。