2016.03.25 Fri

トランポリン部

初心者でも優勝できる!〜地上7メートルを跳ぶ楽しさ〜 トランポリン部インタビュー

初心者でも優勝できる!〜地上7メートルを跳ぶ楽しさ〜 トランポリン部インタビュー

法学部法学科2年 早乙女嘉庸さん

天高く跳び、空中で多彩な技を繰り広げるトランポリン。その迫力は難易度の高さを感じさせますが、「大学から始めた部員ばかり」というから驚きです。全国大会Cクラスで優勝するなど目覚ましい活躍を見せている早乙女嘉庸さんも、そんな一人でした。

原点は「跳ぶだけで楽しかった」

入部したきっかけについて、教えてください。

練習風景

もともと小学校から中学校まで体操をやっていました。でも怪我などもあって高校では吹奏楽部に所属し、一度運動部から離れていたんです。大学ではもう一度体操部に...と思ったのですが、学習院大学には体操部がなかった。それで、新入生歓迎期間に体育館の隣でやっていた「トランポリン体験」に参加したのがきっかけです。やってみたら、ただ跳んでいるだけで本当に楽しくて。合ってるな、と思いました。怖さも全くなかったですね。先輩たちもとても優しく、丁寧に教えてくれたので、すぐ入部を決めました。この時に感じた「楽しい」という気持ちは、今でも根底にあって、一番大切にしていることです。

新鮮な感動があったんですね。初心者とはいえ、体操経験者のアドバンテージを活かして、最初からあまり苦労しなかったのでは?

早乙女さん

いえ、先輩たちは「最初からこんなに高く跳べて、すごい!」と言ってくれたのですが、入部してすぐは、運動していなかったブランクを痛感しました。体力が無かったですし、練習の翌日は筋肉痛で辛かったことを今でも覚えています。それでも練習を続けてこれたのは、地上では味わうことのできない無重力の魅力と、空中で技を決めた時の達成感に醍醐味を感じていたから。実際にやったことがないと伝わらないかもしれませんが、地上から7メートルを跳び、滞空時間にして約2秒間、無重力を体験できるんですよ。あれはぜひ味わってみてほしい、独特の感覚です。

個人、団体ともに優勝の快挙

入部後はどんなことを目標に練習したのですか?

練習風景

部員はまず、夏の全国大会を目指して練習をすることになります。私も入部した年の8月、大阪で行われた全日本学生選手権大会に出場しました。難易度別に易しいほうからCクラス、Bクラス、Aクラスと3つに分かれていて、学習院大学の所属部員は、ほぼ全員がCクラスにエントリーします。競技は10回連続でトランポリンを跳び、技の難易度や跳ぶ高さ、美しさなどを審判が判定し、得点を競います。大会1日目に予選で規定演技と自由演技の2つを実施し、上位10名が翌日の決勝に進みます。私は選手としての参加だけでなく、1年生ながら「学連員」という役職で大会運営のお手伝いもしていたので、大変でした。結果は、Cクラスの個人戦で5位入賞に終わりました。

入部して数ヶ月での入賞はすごいことだと思うのですが、嬉しかったですか? それとも、もっとできると思って悔しかったですか?

優勝時の写真

悔しかったですね。それからはもう、ひたすら練習を重ねました。周囲に何度も「次は優勝するぞ」と宣言して、自分を追い込んでいましたね。これは練習しないとヤバイ、と(笑)。
 
昨年の夏、第50回全日本学生選手権大会を迎え、再びCクラスの予選に参加しました。私は再び学連員として重要な役職についていましたし、北海道釧路市という慣れない場所での運営、さらに本番独特のプレッシャーもありました。でも台に乗ったら自分との勝負だと思い、切り替えて落ち着いた演技ができたと思います。その結果、エントリーした約30名中、1位で予選を通過することができました。そして決勝では、宣言どおり優勝を果たしました!
 
個人戦のほかに3人で合計点を競う団体戦もあり、Cクラスには6団体がエントリーしていました。近年はあと一歩のところで優勝を逃し続けていたのですが、私はこの団体戦にも参加し、2位に大差をつけて優勝することができたので、部としての功績に貢献できたことを誇りに感じました。
 
大会後は、学連員の役職を通じて仲良くなった他大学の学生たちと打ち上げに行ったり、観光したりと交流しました。トランポリンは競技人口が少ないので、他大学の学生ともすぐ顔なじみになれます。「去年より上手くなったね」と声をかけられたり、「負けないぞ」とライバル宣言をすることも。そういった交流も、楽しみの一つです。

初心者でも強くなれる秘訣とは?

大会を運営しながら選手として結果も残す、まさに最高の結果と言えますね。初心者ばかりの環境でも結果が残せるということは、普段の練習に何か工夫があるのですか?

練習風景

はい、毎週4日間、各4時間、体育館で練習しているのですが、そこでは常に効率を心がけています。はじめはキャット(背中から落ちる)や、腹落ち(お腹から落ちる)といった基礎から、少しずつ段階的に教えていきます。数ヶ月もすると誰でも大会に参加できるだけの実力がついてきますよ。それに、部員のほとんどが初心者からスタートしているというのも強みで、もし練習につまずくところがあっても、先輩たちも通った道なので親身に指導してもらえます。
 
また練習中はビデオカメラを回して、客観的な見え方の把握に役立てています。演技を間近で見ているときは美しく見えたのに、遠くで見たら美しくなかった、なんてこともよくありますから。客観性という意味では、毎週土曜日に指導に来てくださる監督のジャッジは絶対的ですね。監督は10年来のOBで、大会では審判を務めている方(審判本部長)なので。

日々のスケジュールはどのようになっていますか?

平日は4限が終わってから体育館に向かい、4限がない日は部員たちと練習のビデオを観てくつろいだり、練習の無い日はアルバイトをやっている部員が多いです。毎日活動している運動部もある中、週4日の練習なので、体力的にも余裕がありますし、授業やアルバイトとも両立しやすい部だと思います。

みなさん、自分のペースで充実した学生生活を送っているようですね。部内はどんな雰囲気ですか?

メンバー集合写真

1年生が3名、2年生が4名、3年生が1名、4年生が4名と少人数で、男女比では女子が多いこともあり、いわゆる体育会系!といった雰囲気はあまりないかもしれません。でも常に活気にあふれています。基本的にみんなしっかりしているのですが、少し変わった...というか、個性的な人が多いのも特徴です(笑)。練習にはOB・OGの皆さんが参加されることもあり、卒業後も交流が続いています。練習後はみんなでご飯を食べに行くことも多く、夏休みにはOB・OGの皆さんと遠方へ遊びに行ったり、年2〜3回行われる納会などのイベントでも先輩後輩の隔たりがありません。先輩方にはとてもお世話になっているので、自分もそんなふうに後輩に還元できる人になりたいと思っていますね。

トランポリンも目標も、より高みを目指して

お話を伺っていると、とても楽しそうで興味が湧いてきます。ただ、初心者からすると、あれだけの高さを跳ぶことに不安はないのか、気になります。

確かにトランポリンは失敗すると危険な競技でもあるので、安全面にはかなり気をつけています。たとえば宙返りのような難易度の高い技を習得するときは、必ず監督の来る土曜日にのみ行うようにしています。また普段の練習でもトランポリンの周囲に部員を配置し、着地の補助を行うなど、しっかりとした注意を払っています。練習の期間が空くことも怪我につながりますので、いわゆる幽霊部員は居ません。所属部員全員が大会を目指すため、集中力を切らさず、密度の高い練習ができていると思います。

なるほど、練習の目標を置くことも安全対策につながっているんですね。早乙女さんの、今後の目標について教えてください。

練習風景

今年の夏の全国大会では、Bクラスに挑戦します。Cクラスとの差として、10回のジャンプすべてに宙返りを入れなければいけない、ということがあります。より高い構成の演技が求められますが、以前からそのつもりで練習を重ねてきました。絶対に優勝したいと思っています。
 
また、団体戦は、男子二連覇がかかっています。私はクラスが変わるので今度の団体戦には出場できないのですが、部員たちに指導をしています。一丸となって練習しているので、優勝できると思います!

とにかく一度、跳んでみてほしい

最後に、新入生のみなさんへ一言お願いします。

早乙女嘉庸さん

部活やサークル選びの時期は、いろんなところを見て、これから自分がどのような大学生活を送りたいか、よく考えることが大切です。学業との兼ね合いや将来の事を見据えて、自分に合った居場所を見つけて欲しいと思います。その結果、新しい事を始めてみたい、トランポリンに興味があるという方は、ぜひお尋ねください。新入生歓迎期間は、屋外で「トランポリン体験」ができます。青空に向かって思いっきり跳ぶ気持ち良さを、実際に自分の体で感じてみてほしいですね。