2016.12.02 Fri

囲碁部

信じて見守る勝利の一手〜団体戦の魅力〜 囲碁部インタビュー

信じて見守る勝利の一手〜団体戦の魅力〜 囲碁部インタビュー

 学生のトップ=アマチュアのトップ、という現在の囲碁界。そのハイレベルな戦いにおいて、関東リーグ団体戦の一番下の4部リーグから、上位校ひしめく2部へ、一気に駆け上がった囲碁部。その原動力に迫りました。

文学部史学科2年 近藤司さん(委員長) 法学部法学科3年 吉田泰朗さん(副委員長)

文学部史学科2年 近藤司さん(委員長)
法学部法学科3年 吉田泰朗さん(副委員長)

シンプルな入口から奥深い世界へ

お二人はいつ囲碁を始めたのですか?

近藤:私は幼い頃からですが、部員の半数以上は初心者です。
吉田:私は大学から始めました。実は最初、囲碁自体に興味はありませんでした。でも新歓で部の雰囲気が良くて、新入生に優しい感じだったので。
近藤:新歓では実際に囲碁を打つのですが、初心者が不安にならないよう、声をかけるようにしています。

文学部史学科2年 近藤司さん(委員長) 法学部法学科3年 吉田泰朗さん(副委員長)

教わってすぐに打てるものなのですか?

近藤:ルール自体はとてもシンプルなので、すぐ打てるようになりますが、勝つには少し時間がかかるかもしれません。ただ、ハンデをつけることで、初心者でも上級者とゲームを楽しむことができます。
吉田:私は勝てるようになるまで、2〜3ヶ月かかりました。

囲碁

えっ! 逆にそんな短期間で勝てるようになるのですか。

近藤:囲碁は運に左右されにくい実力ゲーム。練習すればするだけ強くなるし、勝つのも早くなります。
吉田:勝てるようになると嬉しいですよ。やっぱり勝負事なので。
近藤:それに囲碁は「先を読む」ゲームなので、相手の「読み」を自分の「読み」が超えた時の達成感があります。逆に自分の「読み」にない手を相手に打たれた時は、新鮮な気持ちになりますね。相手の良い手に出会って、「ああ、やっぱり囲碁は奥深いな」と。そういう部分も魅力かな、と思います。

囲碁をしている風景

先輩と後輩で刺激を与え合い、一目置く関係性

関東リーグ団体戦で4部から2部まで一気に駆け上がったそうですが、どうしてこの短期間に結果が出せたのでしょうか。

近藤:そうですね、悪い局面でも諦めなかったことでしょうか。団体戦は5人1組で対局をし、3人が勝てば勝利というルールです。今回、3部から2部に上がった時は、1年生の部員が格上相手でずっと形勢が悪かったのですが、逆転勝ちをしてくれたおかげで3勝2敗となり、3部リーグ戦で優勝することができました。その1年生は対局後のインタビューで、「みんなの支えがあってこその勝利でした」とちょっとかっこいいことを話していたのですが、そうしたやる気のある後輩が入ってきてくれたおかげで、新たな刺激となって、諦めない戦いができたのだと思います。

囲碁をしている風景

4部から2部、状況は全然違いますか?

近藤:4部から3部に昇格した当初は、3部に定着すれば良いほうと思っていました。3部で優勝して2部に上がるというと、関東でも上位校に入ります。そこは囲碁推薦で入学する学生もいるような世界です。学習院大学にはそうした推薦制度はないですし、大学から始めた部員が半数以上、囲碁の名門校ではなく部員数も少ない、という状況での2部昇格は本当に凄いことだと思っています。それも短期間で成し遂げたのですから、私は「まさか」という感じでした。吉田先輩はどうですか?

文学部史学科2年 近藤司さん(委員長) 法学部法学科3年 吉田泰朗さん(副委員長)

吉田:私は「当然」と思っていました(笑) 委員長の近藤君は大会に強くて、4部でも3部でも全勝していましたから。
近藤:全勝ではないですよ(笑)、21戦19勝2敗です。でも5人1組の団体戦では、いくら1人で勝っても1勝にしかならないので......
吉田:その近藤君の1勝が、みんなのチカラになっています。それに、みんなが引っ張られていく感じがする。
近藤:私は引っ張っていくタイプではないですよ(笑)、でも先輩たちが夜遅くまで検討(対局の振り返り)をしていたり、対局の時間よりも検討のほうが長い、という姿を見て、刺激になっています。中には検討に2〜3時間かけている先輩もいて、1局にかける思いが強いな、と。

囲碁

その先輩と後輩の関係性が、強さの原動力のようですね。団体戦ならではの面白さはありますか?

近藤:団体戦といっても、1局1局は個人戦。対局中のフォローはできないので、部員を信じるしかありません。部が一体となって練習し、個人個人が努力し、それが全体の勝利へつながっていく。その過程にとても魅力を感じます。今後も2部リーグ残留を目標に、日々練習あるのみです。

集合写真

最後に、新入生にメッセージをお願いします。

近藤:囲碁というと渋いイメージがあると思いますが、以前話題になった人工知能と人間の対局でも、勝ち方が解明されたわけではありませんでした。誰にも正解が見えない、そうした奥深さを自分たちと一緒に感じてほしいな、と思います。
吉田:初心者でも始めやすいですし、個人競技でありながら団体戦でみんなで戦う、という違った楽しみも、ぜひ味わってみてほしいですね。

文学部史学科2年 近藤司さん(委員長) 法学部法学科3年 吉田泰朗さん(副委員長)