2017.07.07 Fri

軽音楽部

学習院大学の音楽系団体が団結!43年目を迎えた目白音楽祭の魅力とは?

学習院大学の音楽系団体が団結!43年目を迎えた目白音楽祭の魅力とは?

学習院大学で毎年5月に開催される「目白音楽祭」は、音楽系の公認団体に所属する学生たちが企画・運営するもので、1974(昭和49)年から続く伝統のあるイベントです。目白音楽祭実行委員会の磯野祐斗委員長のインタビューとともに、今年の目白音楽祭のハイライトシーンをお届けします。

経済学部経済学科3年 磯野祐斗さん(目白音楽祭実行委員長、軽音学部副部長)

経済学部経済学科3年 磯野祐斗さん(目白音楽祭実行委員長、軽音学部副部長)

「目白音楽祭」はどのようなイベントですか?

音楽系の公認団体がみんなで協力して作るイベントです。毎年5月中旬ごろから、輔仁会館前の広場に屋外ステージを設置して、お昼休みの時間に毎日日替わりでライブ演奏を行っています。今年の参加団体は軽音学部・スカイサウンズジャズオーケストラ部・音楽愛好会・世界民謡研究会・中南米研究会・フライングハウス・応援団吹奏楽部の6団体です。バンド系では唯一軽音学部が「部」として公認されていることもあり、例年、軽音学部の副部長が主催し、目白音楽祭実行委員会を立ち上げて委員長になるという暗黙のルールがあるため、今年は私が委員長を務めることになりました。

委員長はどんな仕事をするのですか?

4月中旬に参加団体を集めて会議を開き、演奏スケジュールを調整します。大学に提出する申請書類の作成や手続きなどの事務業務はすべて委員長の仕事です。軽音学部にはもうひとり副部長がいますし、部長もいますので、困ったときはすぐに相談できますし、設営は他の団体のみんなが手伝ってくれるので、特に「苦」ということはないですね。本当に楽しくできています。

目白音楽祭

目白音楽祭

目白音楽祭の魅力について

いちばんの魅力はクラブ・サークルの垣根を越えて仲良くなれるところですね。普段の活動でも連携を取る場面が多いので、5月のうちに交流を深められるのは、お互いが活動するうえでもとても良いことだと思っています。また、軽音学部は屋外のステージで演奏する機会が少ないので、お昼休みにたくさんの人に見てもらえる場所で演奏できるのも魅力のひとつです。新歓(新入生歓迎活動)の延長のような感じで、目白音楽祭がきっかけとなって入部を決めてくれる1年生も多いです。他の団体と仲良くなれるという面でも、新入生を勧誘するという面でも、音楽系の団体にとって目白音楽祭はとても大事なイベントだと思っています。

目白音楽祭に出演するバンドの準備期間は?

4月の新歓が終わってからなので、だいたい開催1ヶ月前くらいから、目白音楽祭に参加するバンドのメンバーを決めたり、曲を決めたりします。軽音学部では基本的に3年生が主体となって出演しますが、3年生に誘われると入学したばかりの1年生でも出ることができます。私も1年生の時、偶然メンバーに空きがあったのか、先輩に誘ってもらえて、初めて目白音楽祭の高いステージに立ったのですが、新緑のさわやかな空気の中での演奏は開放感にあふれ、「軽音学部に入って本当によかったな」と思いました。ステージに出演しない部員もPA(音響装置)の操作や運営など裏方の仕事に携わっているので、部員全員で1からステージを作りあげています。

目白音楽祭

目白音楽祭

磯野さんの楽器歴について教えてください。

磯野さん

中学1年の時からドラムをやっています。楽器はドラム「だけは」できるという感じで、他の楽器はできないし、ゲームの「太鼓の達人」もできません(笑)。また、ドラムは両手両足をフルに使ってリズムを刻む楽器のせいか、「普段の生活でも複数の作業を同時にこなせるのでは?」と聞かれることがありますが、意外とできないですね。なので、もともと才能があるというよりは、練習を積み重ねてドラムが叩けるようになったという感じです。

ドラムをはじめたきっかけは、当時の友達にドラムを叩ける人が多く、自分が叩けないことが悔しくて、がんばってみようと思ったことですね。中学の時は吹奏楽部で、高校から軽音学部に入りました。4歳違いの兄が家でさまざまなジャンルの音楽を聞いていたので、その影響も大きいです。特にビートルズが大好きで、それで音楽をやってみたいなと思いました。ジャンルの好き嫌いはなく、ビジュアル系も好き。アイドルも好きです(笑)。大学の部活動では、BUMP OF CHICKENなど日本のロックバンドをコピーすることが多いですかね。「この曲がやりたい!」と声を上げた人がリーダーになって、メンバーを誘って集めてバンドを結成しています。基本的にはライブイベント1回限りで解散で、その時々でやりたい曲に合わせていろいろなメンバーとバンドを組んでいるので、毎回新鮮な気持ちで取り組めます。

音楽やバンド活動の魅力について

自分で演奏するよりも聞くだけの方がいいと思った時期もありましたが、大学に入ったあたりから再び、自分の耳で聞いたものを自分なりに叩くことが楽しくなりました。

ステージ

耳で聞いてコピーしているんですか?!

譜面が読めないんです(笑)。でも、どちらにしても著作権の問題で、市販されているバンドスコアも完全な譜面ではないそうなんです。ドラムはアンプを通さない生の音なので、叩く人のクセが出やすい。だから、雑にやるのではなくて、ちゃんと自分の耳で聞き取りたいですね。大小さまざまなドラムやシンバルなどたくさんの音がありますが、全部聞き取ることができます。ドラムをはじめた時からずっと耳で聞いてやっていたので、気がついたらできるようになっていました。やっぱり経験の積み重ねだと思います。最終的には体で覚えないといけないことには変わりないですしね。

ドラムに出会うまでは趣味と呼べるものがありませんでした。ドラムを叩くのが特技になり、趣味になった。生きがいになるものになったので、続けてやっていてよかったと思います。他の楽器と合わせるのも最初は難しかったのですが、バンド歴を重ねるほど、周りに合わせようという気持ちが強くなりました。バンドのテンポを作るのはドラムで、ドラムが遅れるとみんなが遅れ、ドラムがミスをするとみんながミスをしてしまうので、責任は大きいです。今回の目白音楽祭でも、1日目のときにスティックをとばしてしまって。めったにないことなのですが。それでも遅れることはできないので、曲が途切れないように片手でリズムを刻みながら、そばに置いてあった予備のスティックを取り、なんとかミスをカバーしました(笑)。

最終日に富士見会館ホールで行われた「リーダース」の様子

最終日に富士見会館ホールで行われた「リーダース」の様子。目白音楽祭は各団体の代表者による合同演奏で幕を閉じる。

今後の音楽活動について

個人的な活動としては学外のライブハウスでの演奏や、部の活動としては新潟での6泊7日の夏合宿がありますね。学校行事としては大学祭があります。軽音学部は3年生の大学祭でのライブを最後に引退するので、あと半年です。本当、早いなあって。先輩たちが引退したのがついこのあいだのように思います。もう最後なので。いまはまだ「これが最後」という自覚が足りていないので、これから行うひとつひとつの活動を「これが最後」と思いながらやっていきたい。目白音楽祭も、自分が出演するのは今回が最後だったのですが、先輩たちから受け継いだ長い伝統のあるイベントなので、しっかりと後輩たちに引き継いで、このままずっと絶やすことなく続いていくといいなと思っています。