2026.02.12 Thu

押忍! ~應援團リーダー部~

押忍! ~應援團リーダー部~

創設から75年の歴史を誇る學習院大學應援團。その先頭に立って活動するのが、学生服に身を包んだリーダー部です。吹奏楽部・チアリーディング部との"三部一体"で運動部の応援を行うほか、学内外のイベントで演舞を披露する「リーダー公開」にも力を入れています。語り口や風貌からして特徴的であり、謎のベールに包まれていますが、実際のところは「人のため」「運動部のため」「後輩のため」を大切にする青春まっしぐらの部活動。2026年度に幹部となる2人の3年生、中西さんと石川さんに日々の活動内容をお聞きしました。

写真左:石川 翼さん 理学部化学科 3年 埼玉県・私立栄東高等学校出身[2026年度 副團長兼リーダー部長]
写真右:中西 悠斗さん 経済学部経済学科 3年 神奈川県立相模田名高等学校出身[2026年度 團長]

自由でやさしく勇ましく

――まずは入部のきっかけを教えてください。

中西:私は大学で何か人のためになることがしたいという思いがあり、活動内容に「利他の精神」が感じられた應援團リーダー部に惹かれたからです。同学年で先に石川くんが入部して頑張っていたので、彼の力になりたいという思いもありました。

石川:私は新歓期間にキャンパス内をブラブラと歩いていたところ、1学年上の先輩に話しかけられ、ステージを見るように促されました。応援団というものを見たことがなかった私は、当時の團長が白袴に下駄で演舞をする姿に感動しました。とても勇ましく、圧倒されました。未知の世界でしたが、だからこそ飛び込んでみようと思い、入部を決意しました。伝統やしきたりを大切にする古いイメージを抱かれがちですが、新入生にやさしい雰囲気で安心感もありましたし、家族も背中を押してくれました。

――入部後の流れや、大まかな活動内容を教えてください。

石川:4月・5月はお試し期間として、まずは応援の"型"を体験してもらいます。その後、6月に「入團式」があり、8月のリーダー部夏季強化合宿で型を習得します。型は代々受け継がれてきたもので、主に歌舞伎や空手の型を参考にしたものです。これを合宿中にマスターし、"團バッジ"を受け取ることで晴れて一人前ですので、まずはここを目指します。ただ、それまでにも硬式野球部のリーグ戦の応援などがありますので、1年生も学ランを着て参加します。学ランは先輩から譲り受けることもできますし、自分で新調しても構いません。上着の丈や裏地の刺繍、ズボンの幅などは自由。ちなみに髪型も自由です。

中西:入團式は、リーダー部のほかにチアリーディング部と吹奏楽部を含めた多くのOB・OGが来てくださり、学習院の耀英一院長にもご参列いただく盛大なものです。活動内容としては、運動部の応援以外にも多くのイベントがあります。例えば、キャンパス内や池袋駅東口で献血の呼びかけを行うなど、地域での奉仕活動にも取り組みますし、應援團主催の「桜の下に」というイベントも開催しています。「桜の下に」は、「学習院を一つにする」という理念を掲げて2024年1月に始まったものです。應援團は運動部の応援がメインであって、かつては"自分たちのため"のイベントはなかったのですが、この10年でさまざまな改革が進められてきているのです。ほかには、学習院・成蹊・成城・武蔵での「四大学運動競技大会」での応援も恒例行事です。この通称「四大戦」では、「デカンショ節」という演目を駅伝の応援時に披露しており、その際にはリーダー部員全員が水をかぶります。團員の気合いを示すパフォーマンス的な要素もありますが、言わば四大戦での風物詩になっています。さらには、「オール学習院の集い」や「桜凛祭」、オープンキャンパスでも演舞を披露しますし、瑶子女王殿下が実行委員長をされている「合同運動会」、約20大学が集結する「全日本学生応援団連盟本部記念祭」や「応援団フェスタ」といったイベントにも参加しています。

水分補給は"こっそり"と

――普段の練習内容を教えてください。

中西:お試し期間も入團式後も練習は週3日で、1日2時間程度です。時間帯に縛りはなく、授業の多い1年生や下級生のスケジュールに合わせています。あくまでも学業が優先ですので、上級生が時間を調整して柔軟に対応します。練習で覚えてもらう応援の型には、「腕振(わんしん)」「三拍子」「一本突き」といったものがあり、「拍手」も独特の動きをする型があります。それぞれに肘や手首、指先の角度、両脚の幅などで注意すべきポイントがあり、1年生が早く覚えられるように、動画を撮影してチェックすることもあります。基本的にはこの4つを応援歌に合わせて組み合わせた振付があり、リーダー部単独での練習では、自分たちが大声で応援歌を歌いながら練習することもあります。 

石川:そのほかには、「院生注目!」や「いいぞ!」といった掛け声もありますので、発声練習も行います。「声を枯らしてナンボ」「枯れてから成長する」と話されるOBもいらっしゃいますが......、そこは各自が考えて練習してくれて構いません。なお、月に1回から2回は、吹奏楽部とチアリーディング部と合同で行う「三部練習」もありますし、「三部合宿」も春と夏の年2回実施しています。

――練習で意識していることはありますか?

中西:まずは、単調にしないことです。また、長丁場の応援でも苦にならないよう、体力強化を目的とした練習メニューもありますし、精神力を鍛える側面も重視しています。腕を振る「腕振」にしても、入部当初は不慣れで早々に疲れてしまうものですが、応援では腕を振り続けますし、選手も頑張っていますので、腕を止めるわけにはいきません。また、「拍手」の練習では、長いときは30分ほど「学習院!」と連呼しながら全力で手を叩き続けます。脳が学習院のことしか考えられなくなりますし、ほかの部活動では考えられないような経験ができると思います。

石川:選手より先に"へばって"しまってはいけませんので、あきらめない精神が鍛えられることもリーダー部の魅力です。リーダー部員も選手とともに戦う意識が大切ですし、相手を圧倒するための強い心を持つことを重視しています。

――そういった意識の表れなのか、口調や所作も独特ですよね?

石川:そうですね。まず、挨拶は基本的に「押忍」です。所作に関しては、例えば試合会場やリーダー公開などの場で学ランを脱ぎ着する際には、ボタンを着脱する様子を人に見せないように背を向けるなど、細かい点にも気を配っています。

中西:また、真夏の応援での水分補給にしても、基本的には人から見えない場所で行います。広いグラウンドなどでそれが難しい場合でも、なるべく周囲から見えないように背を向けて飲むよう指導しています。選手が必死に頑張っている中で、私たちが堂々と水分補給をすることは、あまりよろしくないと考えているからです。こうした規律は明文化されているわけではありませんが、代々受け継いで実践しています。入部当初は戸惑うかもしれませんが、徐々にリーダー部ならでは振る舞いの意味や意義を理解していけますし、そこに"誇り"を感じるようになるはずです。

日本一の應援團に

――ところで、リーダー部員は常に学ランを着ているのですか?

中西:活動日の登下校は学ラン着用ですが、それ以外の日は私服ですし、練習はジャージで構いません。ただ、毎日ではないにせよ、入部当初は学ランだと目立って恥ずかしいと感じる部員がいることも確かです。そこでこの度、学ラン以外の選択肢としてウィンドブレーカーを導入することになりました。私は学ランの方がしっくりきますし、"應援團らしさ"を感じる学ランにプライドを持っていますが、新入生目線で上級生が対応しようと考えました。上級生がウィンドブレーカーを着なければ、おそらく下級生も着づらいと思いますので、今後は"ウィンブレ"で過ごす時間が増えそうです。

石川:部全体、部員全員のことを考えた結果であって、下級性が過ごしやすい雰囲気づくりは常に意識しています。練習中や応援中は規律を重んじますが、それ以外の時間はかなりラフといいますか、世間話などもします。そこはもうフツーの若者同士の会話ですし、シンプルに仲が良いです。後輩からは学業との両立方法や、アルバイトなどに関するプライベートな相談も受けますので、答えられることは何でも答えます。"運動部のため"だけではなくて、"仲間や後輩のため"という思いも大切にしています。そこは学年や立場に関係なく、いつも心のどこかに「人のために」という思いを持っていないと、活動がぎこちなく感じてしまうように思います。

――では最後に、新入生へのメッセージをお願いします。

石川:応援中はアドレナリンが出て、奥深い世界に引き込まれていきます。見ているだけではわからない迫力や一体感に包まれ、"ゾーンに入る"ような高揚感すら味わえます。そして、勝利の瞬間に立ち会い、選手が喜ぶ姿を間近で見られると自分も嬉しくなりますし、試合後に選手から感謝の言葉をかけてもらうこともあります。リーダー公開での演技後にいただく歓声や拍手もうれしい限りです。また、リーダー部で「人のため」に活動していくことで、普段の生活でも今まで以上に思いやりを持って周囲に接することができるようになると思います。情熱的な学生やガッツのある学生のほか、目立ちたい学生も適性があると思いますし、自分の殻を破りたいと考える学生にもおすすめです。

中西:リーダー部員は全学生の模範となるべきだと考えており、学生の本分である学業においても怠惰な姿は見せられませんし、学外では"学習院大学の顔"としての自覚と誇りを持って活動します。その点、リーダー部員であることが自分を奮い立たせ、成長させる原動力になるはず。自分磨きには最適な環境だと思います。また、應援團全体としては、リーダー部、吹奏楽部、チアリーディング部の三部が同じ方向を向き、同じ熱量で活動する「圧倒的な三部一体」によって、どんな大学も圧倒する「日本一の應援團」を目指しています。リーダー部員は現在約10名ですが、三部で構成される應援團総勢約150名の先頭に立って活動しており、やりがいに満ち溢れています。吹奏楽部やチアリーディング部との交流も盛んですし、学業やアルバイトとも問題なく両立できますので、まずは気軽に見学や体験にお越しいただければと思います。押忍!