教員紹介

守島 基博教授

Motohiro Morishima

研究分野
人的資源管理論、組織行動論、労使関係論

自己紹介

 私の研究テーマは企業等が行う人材マネジメント(人的資源管理)が、企業の経営成果および働く人の幸せにどう貢献するかを考えるものです。今世紀に入って日本の企業の多くは、経営寄りの人材マネジメントを行ってきました。昭和の高度成長期が終わり、新たな時代の成長を求める中で、そうした人材マネジメントの在り方は必要だったのでしょう。その結果として、終身雇用が終焉し、成果に基づいた評価制度が導入され、外部人材の活用が進むなど、日本の人材マネジメントの在り方は大きく変化しました。
 ただ、平成も30年近くがたって、現在はニーズの充足やや幸せなど、働く人の気持なども考える必要が出てきています。働く人が疲弊し、社会格差が生まれ、多くのひとが夢を失っています。人材のサステナビリティが問われているのです。
 経営と人、この2つの視点はしばしば対立し、葛藤を起こしますが、日本社会が成熟した成長を保つためには、その葛藤を解決する人材マネジメントを構築することが必要なのです。今こそ新たな人材マネジメントが求められているのです。私の研究と思考はこうした目的に向けられています。

メッセージ

 研究を学ぶには、一定程度の徒弟的な学習の時間が必要です。そのため、すぐに重要な発言ができたり、大きな発見ができたりするわけではありません。ひとつずつ小さな石を積んで、塔を建てていくような地道な作業の連続です。また、塔ができたと思ったその時に崩れてしまうこともよくあります。また石を積む方法(研究方法論)についての学習も長く、あまり面白くありません。研究をするとは、それだけ報いられない、大変な作業なのです。そのため、大学院という世界は、課題やテーマに本当に興味があり、好きで、心から打ち込める人以外には、勧めません。
 企業の中の人的問題に興味があり、このテーマを考えるのが、飯より好きだ、という方々、ぜひ一緒に勉強しましょう。可能な限り支援はします。私でいえば、与えられた時間のうち、6~7割は人材マネジメントのことを考えています。そのぐらい強い関心のあるテーマを持っている人、問題意識を持っている人、また特に特に実務の経験があり、そこで抱いた問題意識を学問的に分析したい人、是非ぜひ一緒に考えましょう。

最近の研究テーマ

戦略的人材マネジメント(経営成果に貢献する人的資源管理)
働く人を幸福にする人材マネジメント

研究室

現時点(2017年4月)時点では、ゼミ生はいません。ただ、前任校のゼミ生が扱ったテーマの例は以下です。
・戦略的採用システムの探求
・高年齢者雇用を促進する人材マネジメント
・戦略的人的資源管理論の理論的敵版
・企業内技術者の昇進を決める要因
・処遇に対する厚生間の構造
・企業内ソーシャルキャピタルの構築と効果
・企業内でイノベーションを起こす技術者のキャリアパス
・派遣労働者の生活とキャリア
など