Academics 国際コミュニケーション学科の卒業論文・卒業研究について
国際コミュニケーション演習(以下、専門演習)の履修者は、卒業論文または卒業研究を履修し、8単位を取得しなくてはなりません。
卒業論文・卒業研究は、普段のレポートとは異なり、テーマも問いも自分で設定し、自分自身で資料を収集し、先行研究を調査・探究・考察に努め、自ら発した問いに対する、客観的証拠と論理的推論に基づく、普遍性のある結論(仮説)を見出さなくてはなりません。そのため、所属する専門演習クラスの教員の指導を受けながら、多くの時間と労力をかけ、自分自身で主体的に進捗を図ることになります。
また、卒業論文・卒業研究の作成にあたっては、特に二つの点に注意が必要です。一つは、他人の著作権に触れることのないよう細心の注意が求められる点です。無断転用や孫引きは剽窃(犯罪)にあたると見なされる場合があり、文章や内容を引用する場合、注を付すなど、自己の考察・見解と他人の考察・見解とを明確に区別できるようにする必要があります。
もう一つは、自身の論文や研究の内容が、多くの先行研究と重複する無価値なものにならないために、同一のテーマや問いに関連して、過去にどのような研究が行われ、いかなる論証・プロセスを経て現在の学説や理論が構築されてきたかを、先行研究(論文)を読み、整理することで理解することです。これにより、自分の研究テーマが過去の研究成果を踏まえて新規性のあるものであることを明確にし、自分の研究を今ある研究体系の中に位置付けることができます。
なお、卒業論文及び卒業研究は、8単位に相当する内実が求められ、かなりの時間と労力をかけること(自学自習及び指導を含め360時間を基準)になります。その作成にあたっては、所属する専門演習クラスの教員の指導を受けながら、あくまでも自分自身で主体的に進捗を図ることになります。所属する専門演習クラスによって準備学習の内容は異なりますが、テーマや問いの設定から、資料の収集、先行研究の調査・探究・考察、客観的証拠と論理的推論に基づく普遍性のある結論(仮説)の推敲のためには、早くから計画性のある取り組みが必要になります。
成績評価にあたっては、論文の内容について、「課題設定」「分析方法」「論理性」「結論の妥当性」などの視点から、学部における学修成果として「学術上、社会生活上の問題の発見・分析・解決に必要な思考力・判断力・表現力を十分に身につけている」ことを評価の基準として、適宜、他の要素を加え、次の5段階で総合的に評価します。
S(100〜90)「基準を大きく超えて優れている」
A(89〜80)「基準に達している」
B(79〜70)「概ね基準に達している」
C(69〜60)「最低限の基準を満たしている」
F(59〜0)「基準を満たしていない」
X
「評価不能」
文化遺産と国際交流
担当者:M.ウーゴ
本ゼミは、学生が卒業論文を執筆するに当たり、文化遺産を中心に、文化資源をコミュニケーション手段として捉え、その社会的役割を考えることを目的としています。具体的には、建造物や都市や演劇から、ポップカルチャーまで、有形的なもの、無形的なものや自然環境までを対象とし、それらがどのような国際交流を可能にしてきたのか、最終的には、どのようにして人々の暮らしをより豊かにできるのかを探ることを目指しています。その中で、例えば、文化遺産の持続可能な開発への貢献、自然遺産をめぐる国同士の国際協力、文化的景観と地域活性化、というように、文化遺産や自然遺産を様々な視点から捉え、その役割について深めていきます。文化遺産や自然遺産として認識されているモノやコトを今日の国内外の社会の中でどのように活かすべきなのかが、卒業論文執筆の基本的な学術的な問いと設定されています。ゼミ生は自ら選んだ興味のあるテーマについて問いを立て、特定のテーマについて考察する力や問題提起に対する答えを論理的に見つけ出す能力を磨いてゆきます。
指導方法
卒業論文の作成は、学生各自が調べたいテーマを見つけ出す作業が最初のステップとなりますが、ゼミではその手助けをします。資料の読み方、探し方、まとめ方を教えるのみならず、例えば、町に出かけて文化的な特徴の持つ街の雰囲気やそこで生まれる様々な交流を肌で感じることも含まれます。場合によっては、学生が提案する特別展や文化財建造物見学の企画を任せ、自ら環境や物事を批判的な目で見る力を養う機会も設けます。実際の見学とクラスメートとのグループ作業を通して、最終的には次の方法を交えながら、できるだけ学生主体で卒業論文を完成させるように促します。
- 新聞記事やドキュメンタリー、ラジオ番組や訪れた場所での情報収集といった、さまざまな資料や体験を通じて、数ある文化遺産や自然遺産と関連した話題の調べ方を身につけ、意見交換を行います。
- 発表会やクラスメートとのグループワークを通じて、調べたいテーマをより詳細に絞り込み、調べる方向性や論文内容の構成を一緒に考えます。
- 絞り込んだテーマをどのように深められるのか、論文としてまとめるのか、について定期的に文章を確認しながら、話し合ってゆき、卒業論文を仕上げます。
これまでの卒業論文の一例
- キリスト教文化遺産群とダークツーリズム―遺産の保護と歴史継承を目指して―
- 白川郷荻町の街並み―「文化的景観」としての価値―
- 食文化から見たナショナリズムの世界
- 成功するテーマパークと地域活性化
- 世界に誇る日本のアニメの魅力
- 日本における平和教育の課題と展望―教育旅行の視点―
アメリカ文化の諸相―小説・映画・表象研究
担当者:佐久間 みかよ(さくま みかよ)
卒業論文の指導においては、専門演習の授業とは別個に各人が卒業論文のテーマを選び、リサーチをし、また論文作成を行う際に、切り口の決め方、論の立て方、参考文献などリサーチの仕方を指導した上で、論文の形として仕上げるための指導を行なっていくものです。本ゼミでは、アメリカ文化・文学の批評となりうる卒業論文を目指します。これまで取り上げられたテーマは、女性の地位の変化、女性の成長物語と社会、ディズニーなどアメリカ大衆文化が孕む人種問題、奴隷制の影響、アメリカの光と闇などがあります。卒業論文の作成にあたっては、3年次のテーマ決定後、論文を仕上げるためには、多くの時間と労力が必要となります。卒業論文として学問的に意義があり、また自分のオリジナリティを出せる論文にするため、指導を行なって行きます。
めざす批評とはどのようなものでしょうか。批評は批判とは違います。作品を理解し、分析することでその作品の持っている意義を示していくことです。一つの作品を理解するためには、英語力だけでなく、作品を成り立たせているコンテキスト理解していくことが必要です。そのために、歴史や社会の変化などもあわせてリサーチ力が必要になってきます。アメリカ社会を理解するため、人種問題とジェンダーを含めた多様性、そして民主主義の基本的知識を身につけられるよう指導します。
卒業論文の作成のプロセスは以下になります。自分の決めたテーマのコンテキストを理解するのに必要な参考文献などをリサーチする方法を学んでもらいます。これまで自明と受け入れていた歴史も視点を変えると違った見方ができます。「フェイク・ニュース」や「オルタナティヴ・ファクト」という言葉が世間に流布しました、偏りのない寛容な視点でものを見るには、多くの資料をリサーチする必要があります。
これらのリサーチが整ったら、書く作業に入ります。自分が感動したこと、なぜと思ったことが原点でその答えを見出せるように、切り口を決め卒論を書いていきます。切り口で必要なことは、「自分の興味」を他者に開いていくことです。どうしたら人に思いが届くか。自分のオリジナリティを他の人に理解してもらえる切り口を探します。そのために自分の疑問を大切にし、論文として読んでもらえるように、説得的な構成、文章の書き方を学んでいきます。自分の卒論構想を発表し、それを文章化し、そのレスポンスを受けるという双方向のコミュニケーションを行います。これらの過程を通して、学術上、社会生活上の問題の発見・分析・解決に必要な思考力・判断力・表現力を身につけられることを目標とします。
成績評価は、卒業論文作成の過程で、テーマの設定から切り口を決める際、学生本人に気づきがあること、オリジナリティがあるか、調査にどれくらい労力をかけているか、またそれを文章化するプロセスを評価し、問題発見能力、分析力、論理性として見ます。
提出された論文については、全体的な完成度、達成した成果の意義などの観点から評価します。これらを総合して5段階評価を行います。
歴史経営学:経営の本質を歴史という長い軸で考える
担当者:金城 亜紀(きんじょう あき)
当ゼミは、成果物としてすべての学生に論文を執筆することを求めています。具体的には、3 年生はプレ卒論、4 年生は卒業論文(卒論)に研究成果をまとめます。
研究テーマ
- 経営学を歴史的に考察する歴史経営学を対象領域として、研究テーマを指導教員と相談の上、お決めください。
- 具体的には、ゼミで扱う大きな研究テーマを私が設定し、それに関する基本文献を考察した後に研究テーマを選定していただきます。
- 現在の研究対象は「企業博物館」です。
プレ卒論
- 4人でチームを構成し、共同で論文を完成します。各人1万字程度の章を執筆いただくイメージです。
- 研究方法、論文の書き方を実践的に学び4年生に進級するまでに自力で研究できる実力を取得します。
- 6月中に研究テーマを決め、9月上旬の夏合宿で草稿を発表し、秋学期に完成させます。
- ゼミ内外で研究の指導を行います。締め切りは、卒論に合わせます。
卒論
- プレ卒論で扱ったテーマを発展させる形で、各人が3万字程度の単著論文を執筆します。スケジュールはプレ卒論と略同じです。
- ゼミ内外で研究の指導を行います。
- プレ卒論と異なる研究テーマにどうしても取り組みたい場合は、協議の上、認めることがあります。
論集
- プレ卒論、卒論ともに毎年ゼミの論集として製本し刊行します。先輩方の研究成果をご覧になりたい方は私の研究室(1号館307)までお越しください。
以上
中・東欧を中心とするヨーロッパ研究
担当者:中島 崇文(なかじま たかふみ)
論文テーマについて
対象地域は中・東欧、及び、その周辺地域とする。地域研究のゼミであるので、各自の関心に応じて歴史、政治、社会、民族、教育、芸術、文学、文化等、どの分野を取り上げても研究しても良い。世界の他の地域を扱うことは妨げないが、その場合、必ずヨーロッパとの比較という形にすることが求められる。これまでに提出された論文の中から参考例として題目の一部を列挙すると以下の通りである。
- ウィーンで活躍した精神分析学者フロイトの思想を探る―戦争観やユダヤ人意識を中心に―
- 「欧州の歌」を作曲したウィーン古典派を代表する音楽家―時代と国境を超越したベートーヴェンの功績の再考―
- オーストリアと日本の間から生まれた欧州統合思想―クーデンホーフが展開した汎ヨーロッパ運動―
- 音楽を通じて中・東欧の小国を世界に知らしめた「ピアノの詩人」―ポーランド出身のショパンの功績を再検討する―
- 旧ユーゴスラヴィア諸国における歴史教育の比較研究―歴史教科書から読み解く民族融和への取り組み―
- 近代オーストリアにおける帝都の威信をかけた都市の刷新―19世紀後半のウィーンの都市改造と万博開催―
- 現代まで領土を保ったアルプス山中の小さな国―欧州の小国と比較して考察するリヒテンシュタイン侯国―
- 今日のポーランド人に見られる愛国心の高揚―1944年のワルシャワ蜂起をめぐって―
- 自然と人間の共生に向けた取り組み―スイスから学ぶ環境保全―
- 戦間期オーストリアの都市における社会改革の役割―「赤いウィーン」の都市政策を中心に―
- 1867年に連邦制となった中欧と北米の立憲君主国家の比較研究―オーストリアとカナダにおける多文化共存の歴史と現状―
- 小さくなったハンガリー―東欧の一民族が国境の内と外に分断されたトリアノン条約(1920年)―
- チェコにおける宗教の歴史的変遷―次第に薄れていくキリスト教への信仰心―
- 中欧の芸術作家が描いた祖国―19世紀〜20世紀の絵画・ポスターから見る「ポーランド像」―
- ハプスブルク帝国各地で開花したアール・ヌーヴォー―世紀転換期の建築物を中心に―
- バルトの小国はいかにして先進国へと昇り詰めたのか―旧ソ連構成国の中で最も豊かになったエストニア― 分岐型教育制度を採用するドイツで実践される職業教育─日本との比較の観点から─
- ボスニア・ヘルツェゴヴィナにおける民族融和の試み―スレブレニツァ虐殺から30年を機に―
- ボヘミアの牧場と森の国ではぐくまれた映像芸術―アニメーションと共に歩んだチェコ近現代の文化史―
- ポーランドの伝統工芸の歴史と文化―ボレスワヴィエツ陶器と人々の関係、日本への広がりについて―
- ユーゴスラヴィアの文化政策における民族舞踊の役割―セルビア国立民族舞踊団『コロ』の歴史と現在―
- ヨーロッパの周辺地域で価値を見出され、世界各地に伝播した文化―中・東欧の民俗音楽とユダヤ人のクレズマー音楽―
- ロシア亡命文学の先駆者の足跡をたどる―ナボコフの描いた世界―
指導について
各自の関心事項と問題意識を徹底的に究め、アカデミックな形で卒業論文を執筆するものとする。学期が進むにつれて段階を追って着実に進められるよう、配慮している。
3年次の春から夏にかけての時期には、各自の興味、関心に応じて適切な研究テーマが見出せるよう指導する。まずは使えそうな国内外の文献・資料がどの程度、入手可能であるのかを把握し、先行研究を十分に踏まえた上で、タイトルとアウトライン(序章と終章、及び、3つ以上の章と節)を設定するものとする。このようにして見通しを立て、そのテーマが研究課題として妥当か否かを見極める。本ゼミでは論文全体の的確なタイトルの設定(メインのタイトルとサブタイトルとのバランス等)にもきめ細かな助言がなされる。ある程度まとまったところで構想発表を授業の中で行うものとする。本ゼミでは発表者以外の受講生も全員が毎週、一人ずつコメントを述べる形にしており、多様な意見が寄せられるので、切磋琢磨しつつ、着実に自らの研究を進めることが可能となっている。
3年次の秋から4年次の春にかけては、引き続き、主要な参考文献を渉猟し、各自の研究テーマへの理解を深めるものとする。
4年次の夏から12月にかけての時期には、これまでの研究をふまえて、結論を導き出すものとする。執筆を進める中で研究テーマが多少ずれてくることもあるが、その場合には問題設定の部分を適宜、修正することになる。おおよその結論の見通しが立った段階で、授業の中で最終発表を行い、より深い内容の各自の研究成果をクラスメートに分かりやすく説明するものとする。担当教員による十分な添削を経て、完成原稿を学科事務室に提出することになる。
東南アジア歴史地域研究
担当者:北川 香子(きたがわ たかこ)
テーマの選定
東南アジアを中心として(東アジアを除くアジア地域も可とします)、自分自身の興味関心にしたがって自由にテーマを設定し、研究を進めていきます。テーマの設定や研究方法の妥当性に関しては、ゼミ内での報告などで、個別に指導します。各自の研究テーマに適合する資料の収集や分析は、自分自身で進めていくことになります。もちろん一般的な資料収集の方法や、論文読解の方法、論文執筆の方法については、ゼミ内で指導します。資料の質や量は研究成果の出来栄えに直結しますから、時間のあるときにこまめに情報収集し、読み込んでノートを作成していくことが必要です。テーマによっては外国語資料が必須になりますので、時間のあるときに少しずつでも丹念に進めていくことを心掛けておいてください。
過去の卒論のテーマ
フィリピン女性の出稼ぎに関して:日本の事例、送出側=フィリピン社会に与えた影響、湾岸諸国など日本以外の受け入れ側の問題について等
教育:インド、ラオスの事例等
観光:シンガポール、バリなど東南アジアの観光地について、日本との比較等
ジェンダー:イスラーム社会、シンガポールの事例、タイの「レディボーイ」等
市民運動:「アラブの春」、タイの王室改革に対するデモ等
伝統文化と近代社会:オセアニアにおけるトライバルタトゥー、ハワイのフラ等
食:ベトナム・コーヒー等
その他:「タイドラマ」について等
評価
評価に関しては、①研究テーマについて正確な知識を持っているか、②課題設定と結論の妥当性、③真摯な研究姿勢が見られるか、④論理的に構成されているか、⑤正しく分かりやすい日本語で作文できているか、⑥出典の明示、参考文献リストなど、論文として必要な形式をきちんと満たしているか、を問います。また、テーマの発見や研究手法に関して、新しさや独創性がみられる場合、より高く評価したいと思います。
人種とジェンダーの歴史と現在
担当者:武井 彩佳(たけい あやか)
卒業論文を作成する意義
大学生活において、自ら関心のあるテーマを選び、ある程度の長さの論文を作製する機会は、卒業論文以外はありません。これまでどのような研究がなされ、どういった解釈があるか理解し、それに対する自分の見解を述べ、最終的にはその問題が現在の自分の生活にどのように関係しているのかを考える機会を持つことは、社会人になってからも必ず役に立つ学びです。その意味で、武井ゼミではきちんとした卒業論文を作成することに大きな価値をおいています。
テーマの決定
基本的には、自分がもっとも強く関心を持つ人文社会分野の内容であれば、テーマの設定は自由です。しかし、ほとんどの学生は、ゼミの授業で学んだことに近い分野で執筆しますので、たいていは歴史や政治、マイノリティやジェンダーなどに関する論文となります。これまでに見られたテーマの例を以下に挙げます。
社会問題系:日本の移民受け入れ問題/入国管理行政/安楽死を巡る議論/スペインにおけるジプシーの社会統合/アメリカ軍における外国人の帰化優遇制度/オーストラリアの移民統合政策
など
歴史系:戦後ドイツの歴史教育/スポーツにおける人種/ナチズム/在日韓国朝鮮人コミュニティの歴史/ナチ・ドイツによるジプシーの迫害/ミッション系私立学校の道徳教育
ジェンダー系:女性の労働の国際比較/女子大学におけるトランスジェンダーの受け入れに関する議論/日本の教育におけるLGBTQ
理解 など
論文作成の流れ
3年春学期:授業内で4年生の卒論構想報告を聞き、自身がどのようなテーマを扱いたいのかイメージをつかむ
3年秋学期:学期終了前に、自分が論文で扱う予定のテーマを発表する
4年春学期:決定したテーマで具体的な論文構想(章/節の構成、概要、参考文献リスト)を発表する
4年夏期休暇:本格的な執筆を開始する
4年秋学期:基本的にゼミ教員との1対1のやりとりとなる。卒論提出までに、最低でも2回は草稿を提出し、コメントを受け、加筆・修正を繰り返す。
論文の評価
国際コミュニケーション学科の論文評価基準に依拠して評価します。
社会史・歴史社会学・東アジア地域研究
担当者:金野 純(こんの じゅん)
本ゼミナールの主要な論文テーマ
基本的に東アジア地域研究に関連するテーマを扱っているが、共産主義・社会主義など政治体制に関連する比較研究などもテーマとして扱う学生もいる(例:チェコの旧社会主義と中国の社会主義の比較など)。東アジアについては、当然ながら日本も含まれる。例えば「日本統治下の植民地における日本語教育」などのテーマで卒業論文を執筆した学生もいる。
テーマの方法論としては、歴史や社会に限定せずに、東アジアに関連したテーマであれば、経済などに関するテーマを扱うことも可能である。例えば、中国や韓国の経済政策に関する論文やベトナムのドイモイ政策に関する論文を執筆する学生もいる。全体的に言えば、東アジアに関するテーマであれば、特に方法論に関わらず論文指導しており、東アジア以外であればアジア圏との比較研究といった形のテーマであれば可能である。
本ゼミナールの論文指導について
ゼミ参加者は春学期に関心テーマに関する文献を調べ、主要文献に関する報告を行う。秋学期は、関連テーマに関する論文を集めたコースパックを講読し、テーマに関する知識のみならず、論文の基本的な執筆ルールや形式的側面への理解を深める。その後、年次には個々のテーマに関する卒業論文の構成を決定し、ゼミでの報告と討論を重ね、コメントを参考にしながら、各自で卒論作成を行う。
「朝鮮半島を中心とする東アジア地域研究」
担当者:羅 京洙(ら きょんす)
本ゼミナールの主要な論文テーマ
羅ゼミでは、受講生が各自の研究テーマを一つ決め、それを自分一人でまとめる「卒業論文」を選択します。また、研究テーマにおいて、「朝鮮半島を中心とする東アジア地域研究」というゼミ全体のテーマをもとに、東アジア地域秩序、日韓関係、日韓交流、歴史認識問題、韓国の社会と文化、北朝鮮問題、人・文化の移動・越境、多文化共生など、最も関心のあるテーマを自由に決め、それを卒論のテーマとします。以下は、本ゼミの卒論題目一覧の一部です。
- 現代韓国の「若者」をとりまく社会構造:教育・雇用の観点から(Y氏賞受賞)
- 韓国における日本大衆文化の受容と変容:ボーダーレス化する若者世代の意識に着目して(Y氏賞受賞)
- 大久保コリアタウンの発展と変容:日韓交流における役割
- 関東大震災と在日朝鮮人:「虐殺」から考える逆説の「普遍性」(Y氏賞受賞)
- 板門店の存在意義:「分断」の象徴か「平和」の象徴か
- 日本人の保守性とアパシー:韓国・ドイツとの比較を通して
- 中国残留邦人の「帰国」:「個人史」から見る生活実態と帰属意識の変容(Y氏賞受賞)
卒業論文は、アカデミックな思考と実践のプロセスです。すなわち、(1)関心のあるテーマを定め、(2)これに対する独自の問題意識(research
question)を持ち、(3)具体的な仮説(hypothesis)を立て、(4)これを裏付けるための具体的な考察を通じて実証し、(5)最後に、自分自身の研究を通して得た新しい知識を幅広く共有するという過程といえます。とりわけ、この過程において研究方法論はきわめて重要です。自分自身の問題意識を明らかにするためには、関連文献の調査、先行研究の把握、インタビュー調査、アンケート実施などの様々な方法論を適切に駆使する必要があります。本ゼミの場合、必要に応じて韓国への現地調査も一つの良い方法論になります。
研究スケジュールにおいて、本ゼミでは、毎学期必ず一回研究報告をし、指導教員および他のゼミ生と討論の機会を設けます。また、3
年次までは、卒論を視野に入れつつ、比較的自由に自分の研究テーマを探求します。4 年次の春学期には指導教員との相談のもと、卒論のテーマをほぼ確定し、(羅ゼミ専用の卒論フォーマットを使って)論文執筆に着手します。4
年次の秋学期には卒論提出の時期であるため、論文執筆と完成に拍車をかけなければなりません。そのためには、10月末と 11 月末の 2
回にわたって執筆中の論文を指導教員に仮提出し、添削と共に詳細なコメントを受け、これを反映した最終完成本を 12
月に正式に提出します。
以上をふまえ、本ゼミにおける卒論の評価(100%)は、(1)準備性(20%)、(2)独創性(20%)、(3)論文の形式(20%)、(4)論理性(20%)、(5)学問的・社会的意義(20%)を基準とします。本ゼミでは、従来の枠組みに捉われず、リベラルかつクリエイティブな発想と実践を主体的に行うことを何よりも重視します。最後に、卒論は単なる学問的自己満足ではなく、得られた知見を幅広く共有・還元・活用することが重要であることを、羅ゼミは志します。
以上
イギリスを中心とした英語圏の文学・文化研究
担当者:澤田 知香子(さわだ ちかこ)
本ゼミナールの主要な論文テーマ
各ゼミ生は自身の興味・関心のあるテーマを選び、英文学テクストを題材にして考察し、20
ページ程度の卒業論文にまとめる。テーマは、作品論や語りの技法などの分析といった英文学研究に限定しない。広く人文学に関わる領域のトピックをテーマにしてよい。ただし、必ずイギリスを中心とする英語圏の物語(映画)を通して、それらのテーマに取り組むこととする。
英文学研究としては、特定の作品あるいは作家をとりあげ、自分でテーマを決めて論じる。小説作法、つまり語りの技法や構成の分析、映画化作品との比較分析、例えばフェミニズムや精神分析理論などと絡めた思想研究やキャラクター分析、作品から浮かび上がる社会問題の分析・考察など。
文化研究のトピックとしては、衣服や食、アートやメディアなど文化的事項、ジェンダーや家族関係、エコロジーなど社会問題、フェミニズム思想やフィクションからみる歴史的イベントの考察など。
指導方法としては、ゼミのクラスにおける発表課題とそのフィードバックに加え、個々のセッションによりテクスト・資料の理解と議論の方向性・妥当性について随時確認し、説明や助言を行う。ゼミ生はメインとなる文学テクスト(一次資料)とその他の文献(二次資料)を読みこみ、調べたことをまとめ、自身の考察を文章化する。授業やセッションの内容を反映して推敲と編集を重ね、卒業論文を完成させる。
卒業論文の評価は、ディプロマ・ポリシーに照らしあわせ、具体的には以下の四項目を重要事項とする。本ゼミの専門領域においては、特に汎用的スキルとしての文章力、ひいては思考力の涵養を目指し、内容とともに「体裁と文章の正しさ」を重要視する。
- 体裁と文章の正しさ
- 課題設定の妥当性
- 論理構成
- 独自性:発想・着眼点の新しさ・おもしろさ、想像力
議論の発展性、創造性
国際法と国内法の基本問題
担当者:櫻井 大三(さくらい だいぞう)
卒業論文の作成
櫻井ゼミでは、大学4年間の学びの集大成として卒業論文を作成する。卒業論文とは、自らが素朴に感じた疑問を出発点とし(自ら問いを立てる)、その疑問を自ら解き明かすために調査を行い(自ら問いの検証・論証にあたる)、その調査結果を文章にとりまとめたもの(問いに対する自らの結論を導く)をいう。
卒業論文のテーマ・内容
卒業論文において取り扱うべき分野は、原則として、国際法、国内法(日本・外国)、またはこれら以外で社会科学的観点からの問題提起に値するもののいずれかとする(卒業生が取り扱った卒論テーマの具体例については下記を参照)。
国際法分野
- 9.11米国同時多発テロの国際法的分析
- 主権免除規則と国際強行法規の相克
- 東シナ海における大陸棚の境界画定
- TRIPS協定における途上国と先進国
- AI兵器の法的規制
- LGBTと人権の国際的保障
国内法分野
- 日本の死刑制度
- 里親制度
- 選択的夫婦別姓制度の導入可否
- 修復的司法
- 児童虐待への対応をめぐる国際比較
- 集団的自衛権と憲法第9条
卒業論文の指導方法
以下の手順に則った指導を行う。
- 3年次の春学期中に、卒業論文で取り上げるべきテーマのおおよその選定を行う。この時点ではテーマを確定させる必要はなく、専門演習やその他の研究活動を通じて興味・関心のある研究内容を見出し、卒論テーマをおおよその範囲で絞り込むことが目標となる。
- 3年次の秋学期中に、上記(1)で選定したテーマに関連する先行研究を徹底的に渉猟する作業を実践し、当該の研究テーマに関わるそれまでの研究の到達点を確認する。その作業成果を「卒論テーマ準備書(暫定版)」として提出する。
- 4年次の春学期中に、上記(2)の作業成果を踏まえた論文構想を完成させる。この論文構想に対する指導教員による複数回の助言をもとに、「卒論テーマ準備書(最終版)」を提出する。
- 4年次の秋学期は、遅くとも 11 月上旬までに上記(3)の作業成果を踏まえた卒論草稿を完成させる。この論文草稿に対する指導教員による複数回の助言をもとに、11月中旬から卒論提出期日まで最低一か月以上の時間的余裕をもって、卒論草稿に加筆・修正を加える。
以上(1)から(4)の作業過程において、各学期最低1回以上(4セメスターで最低4回以上)の口頭発表を必須とする。
フランス近世社会史
担当者:正本 忍(まさもと しのぶ)
指導のねらいと方法
フランスの歴史・文化(あるいはヨーロッパの歴史・文化)に関する基礎的知識および歴史研究のテクニックの獲得と、それらをベースにした課題探究・問題解決能力の獲得を目的とし、ゼミ生各自の研究テーマに沿った個別指導を行います。
到達目標
- フランスの歴史・文化(あるいはヨーロッパの歴史・文化)に関する基礎的知識および歴史研究のテクニックを獲得できる。
- 各自の研究テーマに沿った研究計画の立案と遂行ができる。
- 文献・資料の探索ができる。
- 研究成果の報告書・レジュメを作成できる。
- 人文・社会科学における西洋史あるいは歴史学の役割について自分なりの考え方をもつことができる。 *歴史に関する卒業論文を書く学生のみ。
演習・卒論指導の概要
卒業論文に関する計画立案、資料・文献収集、および論文の執筆、プレゼンテーション等を指導します。
04月:研究テーマの決定、研究計画書の作成
05月:参考文献の検索・収集、文献の精読(11月末まで随時)
演習における研究成果報告(2~3週に1回程度、11月末まで)
07月:研究の進捗状況の確認と研究計画の調整(夏休み前)
09月:中間発表会(ゼミ内、秋学期1回目の演習時):卒業論文の章構成の確定
10月:卒業論文の執筆開始(初旬)
11月:最終発表会(ゼミ内、中旬)
卒業論文の草稿完成(下旬まで)
12月:卒業論文の最終チェック(初旬)
卒業論文の提出(12月半ば)
これまでの卒論のテーマ
- 「イタリアと『食』の深い結びつき ――イタリアの食文化が生まれた背景――」
- 「マリー=アントワネットはなぜ国民の敵になったのか ――歓迎から非難までの評価の変遷――」
- 「フランス・ブルターニュ地方における歴史的遺産の保存 ――ケルトの文化遺産を中心に――」
- 「日本と欧米の香りの価値観と日本のフレグランス市場の変化」 など
言語学・英語学・比較統辞論研究
担当者:小林 亮一朗
このゼミでは、理論言語学、特に文法の研究(統辞論)および複数の個別言語を対象とした比較統辞論研究を中心に扱う。必須要件ではないが、これまでに言語学・英語学に関連する科目(詳細は「募集要項」を確認のこと)を履修済であることが望ましい。理論言語学における統辞論研究がこれまで明らかにしてきた、人間言語の特性について確認しながら、英語や日本語など個別言語の多様な様相を学ぶことで、言語を含めた人間の認知能力に関する理解を深める。
ゼミでの指導について
卒業年次に作成する卒業論文・研究に向けて、理論言語学・英語学における基礎的な研究の手法を身につけることができるよう指導を行う。具体的には、実際に理論言語学の研究論文を読み解くことで、生成文法の枠組みで行われる理論言語学の中核となる統辞論と、その隣接分野に関する基礎知識の修得を目指す。生成文法の思考法・思考能力を涵養するため、学生自身が自分で手を動かして問題演習を行い、学んだ内容を整理することも求められる。ゼミの中での教員とのやり取りを通じて、社会人として最低限必要な礼儀作法も身につける。
文献発表について
このゼミでは毎回、学生による文献発表を行う。割り振られた文献は事前にしっかりと読み、もしわからないことがあれば、予め十分に調べておくことが求められる。もし、それらの疑問が自力で解決できない場合、少なくとも「何がわからないのか」を整理してわかるようにしておくこと。もちろん、学生からの要望があれば適宜、必要に応じて(アポイントメントやオフィスアワーを活用しながら)ゼミ時間外における指導も行う。
地球環境 自然科学
担当者:熊谷 英憲(くまがい ひでのり)
このゼミは、令和5年度開始の新しいゼミです。そのため、卒論を提出した先輩(前例)もなく、確立した指導方針と呼べるほどのものがまだない代わりに、新しいゼミを創っていくという醍醐味が(当面は)味わえるように運営する考えです。また、理学の背景を持つ教員は本学の中では珍しい存在です。このようなリスクとベネフィットを認識していただけることを希望します。
とはいえ、論文としてまとまるような知的創造の営みにおいて、各自の興味と問題意識に基づき、1)すでになされた先人の功績(既往研究/先行研究)を把握して必要な水準でまとめ、2)まだ検討/解決されていない問題の中から取り組むべき課題を抽出・定義し、3)測定や観測を通じたデータの生産・創出、あるいは、現地調査や文献調査などにより課題解決のための情報を得、4)獲得された情報をこれまでに提案された考え方を含めて評価する、という一連の行為はさほど異なるものでもありません。理学的な自然の探求においては、技術的な改善や発明を含めた3)のうち、一次の(プライマリ:全く新しい、の意)データの生産に重きを置く傾向がありますが、このゼミでは特段求めないこととします。
具体的には、自然科学的知見の社会への適用を念頭に、環境にかかわる身近な課題を選び、その現状と解決についての自然科学的知見と提言をまとめていただくことが考えられます。あるいは、データを自分たちで獲得する代わりに、現在急速に蓄積、公開されつつありながら十分な検討が未だ施されていないオープンデータを収集し、評価解析を行っていただくことでもよいでしょう。もちろん、ハードウェアに制約がありますが、一次データの生産・創出に果敢に取り組みたいという意欲ある方も歓迎します(この場合は熊谷が実施している観測に参加するか、観測機材の開発を担当するかが考えられます。また、論文の形式に達するほどの結果が得られるかどうかにより卒業研究の扱いになる可能性があります。この場合、報告書を超えた文書を求めるかは研究の対象と内容に拠ります)。いずれのケースでも、大学生活での学修の集大成となるよう、それぞれの研究課題、問題意識についての研究と考察を深めていただくことが必要です。中間の製作物として、3年時には演習報告書(少しまとまった分量のレポート)として見出した課題とその意義や探求する計画の概要を作成いただき、研究文書の作成に触れていただく考えです。
ゼミでの指導について
卒業年次に作成する卒業論文・研究に向けて、理論言語学・英語学における基礎的な研究の手法を身につけることができるよう指導を行う。具体的には、実際に理論言語学の研究論文を読み解くことで、生成文法の枠組みで行われる理論言語学の中核となる統辞論と、その隣接分野に関する基礎知識の修得を目指す。生成文法の思考法・思考能力を涵養するため、学生自身が自分で手を動かして問題演習を行い、学んだ内容を整理することも求められる。ゼミの中での教員とのやり取りを通じて、社会人として必要となる礼儀作法も身につける。
文献発表について
このゼミでは毎回、学生による文献発表を行う。割り振られた文献は事前にしっかりと読み、もしわからないことがあれば、予め十分に調べておくことが求められる。もし、それらの疑問が自力で解決できない場合、少なくとも「何がわからないのか」を整理してわかるようにしておくこと。もちろん、学生からの要望があれば適宜、必要に応じて(アポイントメントやオフィスアワーを活用しながら)ゼミ時間外における指導も行う。
文献発表について
担当教員は、これまで複数の大学において卒業論文の研究指導を行ってきた。参考として、過去に指導した学生たちが取り組んできた卒業論文のテーマをいくつか以下に挙げる:
- 「英語の"who"と"someone"を用いた疑問文の統辞論・意味−語用論的分析」
- 「日本語の埋め込み節を導く「って」の性質に関する統辞論研究」
- 「形容詞と推量の -(y)ooの統辞論的分析」
- 「ゲームの呪文に見られる語形成の形態統辞論研究」
- 「英語と日本語の韻に関する形態音韻論的研究」 など
国際協力活動における「主体性」・これからの市民社会の構築-「豊かさ」を求めて-
担当者:伊藤 由紀子(いとう ゆきこ)
伊藤ゼミの卒業論文・卒業研究の目的は、自分でテーマを探し、仮説を立ててそれを論理的に検証するプロセスを経験することです。卒業論文のできあがりと、特にそこまでに至るプロセスを重視します。
テーマについては学生の自主性と関心を尊重します。それまでのご自分の関心に基づき蓄積してきた知識・体験を土台とし卒論・卒研に取り組んでください。国際協力・開発・NPO・市民社会といったキーワードの範囲のことなら基本的になんでも
OK
です。
ゼミでは近年、「国際協力」のあり方を考えるうえで、私たちが構成員である市民社会や「豊かな」市民社会とは何かということについて考えていますので、かなり幅広く卒論・卒研のテーマ設定ができるはずです。つまり、ぜひ難しいことを考えずに日常の生活やこれまで学んできた中で感じた素朴な疑問やジレンマ(憤り)について、考え、調べ、皆さんらしく、取り上げるテーマについて「あるべき姿・状態」を説得できるようにしてください。例えば、「開発途上国で本当に「援助」が必要か」、「日本でボランティアは無理」、「豊かな開発途上国の現状」、「NGO/NPO
職員はボランティアであるべきか」、「豊かな社会づくり~ペット里親活動普及を通して~」なんかだと、「皆さんの考え」は構築しやすいかもしれません。それをいかに客観的に、正当性を持たせながら検証し、皆さんの20代の時のモヤモヤを卒論・卒研で整理してみましょう。
指導について
伊藤ゼミでは、3年の秋学期から卒論・卒研のテーマ設定、構成を考えてゆくための発表をしてゆきます。並行してテーマにもとづいた書籍、論文等を読み、レポートを書きながら「問題意識」=Question(問い、ジレンマ)を明らかにするために個別面談を複数回実施します。そのプロセスを経て、4年生の夏休みに卒論を執筆、秋学期にゼミで発表し、最終的な校正をし、12月に提出します。
これまでの卒論・卒研の一例
- ジェンダー平等の実現に向けて
~メイクアップは開発途上国女性のエンパワーメントに効果を発揮するか~ - 開発途上国の女性の支援 小規模融資と啓蒙活動による女性のエンパワーメント効果
~バングラデシュのマイクロファイナンスの事例から~ - なぜ東日本大震災を風化させてはいけないか
- 学校教育における開発教育の可能性
- 講演会の意義を考える~NGO のあり方~
- 日本の子どもの貧困と原因、解決に向けての考察
国際関係の諸問題とメディア
担当者:石澤 靖治(いしざわ やすはる)
卒論を進める全体像
まず、熱い「興味」と「好奇心」が必要。その上で、「事実」を集める。各種データベース、書籍、調査(量的調査(アンケートなどの社会調査)と質的調査(現地での面談)など。この際に注意することは、どれほど客観的に情報を集めることができるか。そこから、自分がさらに深めたい部分をみつける。
次に「仮説」を立て、客観的な事実、あるいはデータを積み上げて「仮説」を証明して結論を出す。「仮説」が証明できない場合は、仮説を変更・修正あるいは、仮説との違いを示す。類似する研究の結論・理論と比較する。学部学生の立てる「仮説」は、本来の論文からすると「仮説」の前段階の「問題意識」や「推測」のレベルものがほとんどだが、それはそれでかまわない。
集めた事実を「解釈」「分析」するにあたっては、「先行研究」「理論」「法則」などを参考にする。「結論」についても、冷静で客観的な姿勢が必要。論文とはこれまでのことを分析するもの。「提言」「予測」をしたい熱い気持ちはわかるが、論文は、自分のオピニオン(意見)を述べるものではない。それらを書くのはかまわないが、論文の付け足しの位置づけ。
卒論のタイプ
タイプ1:ある問題について情報を集めて一定の結論を出し、その上でそれが従来の理論や考え方から(先行研究)どのように説明できるか、それがどのように理論に整合するか(あてはまるか)、一部修正が必要かなどを示す。
タイプ2:ある問題について、これまで調べられていなかった部分を明らかにする。つまり証明というよりも、新たな資料や情報から新しいものを発見するもの。
タイプ3:理論(先行研究)にしたがってある事例を調査する。それがその理論に合っているか、違いがあるか、問題点があるかを論じる。
うまくいかないときには
「これまでの研究(書籍)に書いてあることのまとめになってしまった」という感想が聞かれることがある。だが分厚い研究業績のある場合は当然出てくることで、落胆する必要はない。それの対処法としては「●●と言われていたが、それがその通りであるかどうかを追求し、その結果、どこまでが言われている通りで、どの部分に疑問が残ったか」という形にする。それは学部学生の論文として十分成立する。
指導方法について
卒論は自分でテーマを見つけ、自分で仕上げるもの。それを前提として個別に十分サポートをしていく。最後にゼミで発表会を行う。
最後に
自分で問題を見つけ、自分で分析して、自分で何かを見つけるということは、自分の知的作業の成果として、かけがえのないもの。卒論でその楽しみを味わってほしい。
コミュニケーションデザインとメディア・コンテンツ(作品制作)
担当者:丸山 信人(まるやま のぶひと)
本ゼミナールの概要とテーマについて
Society 5.0とよばれる現代社会では、コミュニケーション活動はこれまで以上に増えていきます。これからの社会でより重要なことの一つは「ヒトとヒト・モノ・コト・トキとのあいだのコミュニケーションをデザインすること」です。皆さんが日々接しているPR(広報)や広告を「コミュニケーションデザイン」といいます。
その多くは、「メディア・コンテンツ」によって表現され、それらを通じて、世界中でコミュニケーションがおこなわれています。ここでいうメディア・コンテンツとは、日本のコンテンツ促進法で定義している、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム、その他人間の創造的活動により生み出される教養又は娯楽の範囲に属するものです。
さらに、エンターティメントの多くも、このコミュニケーションデザインで企画をしています。このコミュニケーションデザインについて研究し、卒業研究としてメディア・コンテンツの作品と卒業研究報告書に取り組みます。
卒業研究作品(例)
映像(動画・アニメ・短編映画・VLOG等)、出版(雑誌・書籍・ZINE・漫画・写真集・絵本・電子書籍等)、生成AIコンテンツ、音楽(楽曲の作詞作曲等)、WEBサイト、ゲーム、スマホアプリ、グッズ、その他
本ゼミナールの指導方法について
本ゼミは、理論と実践の双方からコミュニケーションデザイン分野を探求し、その卒業研究とメディア・コンテンツの作品制作を行います。そのため、実際に、メディア企業や広告会社、エンターティメント企業等の見学・研修やフィールドワーク調査と、ゼミ生同士のワークショップ形式による雑誌メディアの制作などによって研究を進めていきます。また、企画とマーケティングメソッドについては、メディア企業に所属していた担当教員が、産官学連携プロジェクト等により実践的な手法で指導します。
具体的には、3年次には、各種プロジェクトを実践するとともに、ゼミ生共同によるメディア・コンテンツを制作します。さらに、4年次には、コミュニケーションデザインに関連する卒業研究とともに、個々に制作するメディア・コンテンツを企画して、取材・撮影・編集作業等を行い、メディア・コンテンツの作品と研究報告書を制作します。
皆さんの新たな「想像×創造」へのチャレンジをお待ちしています。
経済に関する基本問題
担当者:櫻井 宏明(さくらい ひろあき)
なぜ卒業論文が必要なの? 深い知識を活用できる能力を獲得!
物事の成り立ちをより深く考え、物事に正確に対応できる能力を身に付ける必要があるためです。表面的な事象は複雑な要因から構成されていることが多い一方、社会科学には答がなく実験もできません。このため、様々な状況証拠から仮説を立て検証(分析)し結論を導く必要があります。原因と結論を正確に突き止めることで正確な対応が可能となります。
実は「物事を深く考える」手法には定跡があります。より具体的には、先人が同じことを考え検証し、その結論を書籍や論文として残していますので、こうした書籍や論文を広く深く読んで正しく理解することが大切です。次に、先人の功績を「広く深く読んで正しく理解」するためには、アウトプットの形にすることが重要です。読みっぱなしは正確に活用できないことも多く発生します。
卒業論文の目標は? 学術的貢献が必要!
アウトプットは何でもいいわけではなく、「学術的貢献」が求められます。
- 翻訳:和訳書のない洋書の翻訳は学術的貢献です。
- レビュー:ある特定分野に関する数本から数十本の論文をまとめ、当該分野に対し当該学術分野の大枠を示す「レビュー論文」は学術的貢献です。
- 新規の分析:先行研究に従い一定の仮説に基づき一定の分析を行います。
学部レベルであれば(1)が目標到達点です。周辺知識を加えつつ(2)の要素を加えられれば自分らしい卒業論文として満足感が得られると思います。
目標達成のために行うことは? 図書館の活用を!
まずは基本となる洋書を選定し、和訳を進めます。基本書でわからないこと、掘り下げたいことがあれば、洋書の参考文献としている論文を入手します。場合によっては理解を深めるために同分野の和書を読むことがよいかもしれません。参考文献の論文を入手するため他大学の図書館に出向くことも多いでしょう。3年生の夏休みに得た洋書・論文を和訳し、1回につき1章分以上のレポートを作成、3年生の秋学期2回、4年生の春学期1回と計3回の発表が目標です。4年生夏以降に発表資料を仮説や結論等を加筆し、卒業論文を完成させます。
おわりに:成果物執筆・提出による16年間の学業総決算!
卒業論文は「ハード」な作業ですが、決して「シビア」ではありません。このため、資格試験勉強等との両立は可能です。また、指導する側としても上記「定跡」を守っているかどうかで評価しますので、卒業論文の対象分野は経済系の中で好きな分野を選択いただいて問題ありません。皆さんの挑戦を待っています。
情報システム
担当者:江藤 正己(えとう まさき)
論文のテーマについて
下記の過去の卒業論文テーマ例からも分かるように、テーマは多種多様なものから選択できます。趣味やサークル,アルバイトなど、発想の起点は問いませんので、自分が深く興味を持てるテーマ、あるいは既に多くの関連知識を得ているようなテーマを選択することを推奨しています。なお、卒業研究として、グループで情報システムを作成することも可能です(卒業研究の場合も論文執筆は必要です)。
過去の卒業論文テーマ例
- 人と情報システムの関わりを調査した論文の例
・人はなぜブログを辞めるのか?
・外国人は日本の空港でどんなことをつぶやいているのか?
・どのような回答が Yahoo!知恵袋でベストアンサーに選ばれるのか? - Twitter や口コミサイトの書き込みを国際比較した論文の例
・ホテルのサービスに対する評価の国際比較
・化粧品に対する評価の国際比較
・かわいいと kawaii の違い
・ジブリ映画に対する感想の国際比較
・ディズニーランド(日本)とディズニーワールド(アメリカ)で発信されるつぶやきの比較 - SNS から得られるイメージを分析した論文の例
・「女子力」のイメージ
・「モテる」のイメージ
・おしゃれカフェの「おしゃれ」のイメージ
・「子育て」に対するイメージの国際比較 - メディアを分析した論文の例
・旅行雑誌と旅行口コミサイトで得られる情報の違い
・ファッション誌の記事タイトルからみる流行の変遷
・海外の図書館における日本マンガの所蔵
指導方法について
「単なる意見や感想を述べるのでは無く,データに基づいた議論をすること」が卒業論文の主たる指導方針です。
テーマ設定について
テーマ設定の準備段階として、3年生の春学期に学術論文の読み方を学びます。その後、主として3年生の秋学期の期間に、ゼミ授業時や個別の面談において議論を重ねることによりテーマを決定します。なお、3年生秋学期の終わり頃に、卒論テーマ発表会をおこないます。
調査について
テーマにもよりますが,3年生のゼミ授業時に使用し、経験を積んだ分析用ソフトウェアを用いて調査することを推奨しています。4年生の春学期において予備的な調査をし、本格的な調査を4年生の夏休み期間におこないます。なお、4年生秋学期始まり頃に調査結果の中間発表をします。
論文執筆について
関連文献をまとめる部分は4年生の夏休み前頃までにおこないますが,本格的には4年生の秋学期に論文を執筆します。執筆の段階を細かく分けた課題を設定し、少しずつ課題を提出していくことで論文が完成するようにしています。なお、4年生秋学期終わり頃に、提出された論文の内容を最終発表会で報告します。
(未定)
担当者:今野 ○○(ふりがな)
卒論のテーマと研究手法
このゼミは、令和5年度開始の新しいゼミです。そのため、卒論を提出した先輩(前例)もなく、確立した指導方針と呼べるほどのものがまだない代わりに、新しいゼミを創っていくという醍醐味が(当面は)味わえるように運営する考えです。また、理学の背景を持つ教員は本学の中では珍しい存在です。このようなリスクとベネフィットを認識していただけることを希望します。
とはいえ、論文としてまとまるような知的創造の営みにおいて、各自の興味と問題意識に基づき、1)すでになされた先人の功績(既往研究/先行研究)を把握して必要な水準でまとめ、2)まだ検討/解決されていない問題の中から取り組むべき課題を抽出・定義し、3)測定や観測を通じたデータの生産・創出、あるいは、現地調査や文献調査などにより課題解決のための情報を得、4)獲得された情報をこれまでに提案された考え方を含めて評価する、という一連の行為はさほど異なるものでもありません。理学的な自然の探求においては、技術的な改善や発明を含めた3)のうち、一次の(プライマリ:全く新しい、の意)データの生産に重きを置く傾向がありますが、このゼミでは特段求めないこととします。
具体的には、自然科学的知見の社会への適用を念頭に、環境にかかわる身近な課題を選び、その現状と解決についての自然科学的知見と提言をまとめていただくことが考えられます。あるいは、データを自分たちで獲得する代わりに、現在急速に蓄積、公開されつつありながら十分な検討が未だ施されていないオープンデータを収集し、評価解析を行っていただくことでもよいでしょう。もちろん、ハードウェアに制約がありますが、一次データの生産・創出に果敢に取り組みたいという意欲ある方も歓迎します(この場合は熊谷が実施している観測に参加するか、観測機材の開発を担当するかが考えられます。また、論文の形式に達するほどの結果が得られるかどうかにより卒業研究の扱いになる可能性があります。この場合、報告書を超えた文書を求めるかは研究の対象と内容に拠ります)。いずれのケースでも、大学生活での学修の集大成となるよう、それぞれの研究課題、問題意識についての研究と考察を深めていただくことが必要です。中間の製作物として、3年時には演習報告書(少しまとまった分量のレポート)として見出した課題とその意義や探求する計画の概要を作成いただき、研究文書の作成に触れていただく考えです。
研究上の問いと研究の設計
論文を執筆する上で最初の大きなステップとなるのが、「研究上の問い(リサーチ・クエスチョン)」を設定することです。どのような問題に取り組むのか、何を明らかにしたいのか、といったことをわかりやすく言語化し、その問いにどうアプローチするのか(研究の設計)を、丁寧に検討する必要があります。リサーチ・クエスチョンが曖昧であったり、研究目的と分析手法の整合性がとれていなかったりすると、論文の内容・構成が散漫になりがちです。そのため、初期の卒論指導では「リサーチ・クエスチョンの立て方」と「分析手法の選び方」について重点的に指導します。その後、議論を重ねながら具体的な論文の構成を組み立てていくことになります。
独自のリサーチ・クエスチョンを立て、それを育てていくためにも、国際関係研究のなかで自分の卒業論文をどこに位置づけることができるかを理解するためにも、先行研究の調査・整理は重要です。自分が進めようとしているテーマについて、研究者(専門家)たちが何を主張していて、どこで意見が対立しており、その意見対立の本質が具体的に何なのかを把握することが重要です。そうすることで、先行研究との差別化をはかりながら、自身の卒業論文研究を進めることが可能になります。
卒業論文研究の流れ
3年次は、日々の勉強をこなし、4年生の卒業論文報告を聞きながら、「自分が面白いと思えるテーマ」をみつけ、先行研究の調査・整理を開始します。3年次の終盤に、卒業論文の構想について報告をおこないます。
4年次の早い段階でテーマを確定し、中間報告や個別指導を通じて研究を進めていきます。11月中に草稿をまとめることを目指します。その後は改訂作業を通じて、12月の完成稿の提出までに一定水準以上の学術論文に仕上げることを目指します。
