
萱場 豊教授
Yutaka Kayaba
- 研究分野
- 行動経済学、実験経済学、応用計量経済学
メッセージ
私の研究分野は行動経済学全般になります。行動経済学は、人々の実際の意思決定の背後にある要因を明らかにする研究分野になります。これまで、人々の様々な意思決定を、被験者を募って行う経済実験や現実のデータを通じて実証的に明らかにする研究に取り組んできました。
これから取り組もうと考えていることは、社会的責任を果たそうとする営利企業とそれを支える市民の活動やその動機についての調査・研究、及び活動の支援です。社会のサステナビリティが強く意識されるようになった現代社会においては、元来は自己の利益追求を第一としてきた営利企業であっても、環境保護や貧困の削減、地域社会の活性化等、社会全体の利益を積極的に志向していくことが求められています。そして、このような自社の利益を超えて社会全体に利益をもたらす活動の原資については、銀行を通じた与信や政府を通じた補助金ではなく、それぞれの課題に関心の高い市民からクラウドファンディングで調達する時代へと変化してきています。また、今後、サステナブルな経済を築くためにはサーキュラーエコノミーの考えが非常に重要になってきますが、消費者がそのような活動に積極的に取り組むようになるため、すなわち、消費者の行動変容を促すために、企業や行政がどのような施策を行うのが効果的であるか明らかにしていく必要があります。東京大学大学院経済学研究科の社会的共通資本寄付講座や協力企業と連携して、社会全体の利益を志向する営利企業の新しい取り組み・経営のあり方や、それを支える市民の活動やその動機について調査・研究、及び活動の支援を行っていきたいと思っています。
最近の研究テーマ
●社会的インパクトのある事業に取り組もうという企業の資金調達と、それに応じようとする投資家のモチベーション
●消費者のサステナビリティ志向への行動変容を促す施策