
略歴
1987年 東京大学経済学部卒業
1993年 米国スタンフォード大学
経営学博士号取得
主要業績
1.“Bargaining with Imperfect Commitment,” Games and Economic Behavior, 50, 321-342, 1999.
2.“When Is There a Unique Equilibrium in Less-Structured Bargaining?” Japanese Economic Review, 28, 217-237, 1999.
3.“Subjective Evaluation in Agency Contracts,” Japanese Economic Review, 57, 121-140, 2006.
4.“Emergence and nonemergence of alternating offers in bilateral bargaining,” International Journal of Game Theory, 38, 499-520, 2009.
講義・演習の運営方針
大学院においては、研究手法を身につけることと、経済学の概念をより深く理解することを目標として、講義・演習を行っています。
研究手法を身につける上では、学術論文をどう読むか、関連する研究をどうやって探すか、アイデアの見つけ方、論文をどうやって書くかについて、公刊された論文を基に学んでいきます。
経済学はいくつかの基本的な概念の上に構築されています。その概念は、経済学の歴史の中で吟味され、より洗練されたものへ進化してきています。講義・演習では、それぞれの分野で基本的な論文を時間をかけて読むことで、概念について自分なりの整理を行ってもらいます。それにより、その分野の理論的成り立ちが理解でき、自分で研究を進めていくときの出発点となります。
最近の研究テーマ
私はミクロ経済学を応用して現実の経済を考えることを、研究の中心においています。その中で注目しているのは組織の理論と交渉の理論です。組織の理論では、従来は経営学の分野とされていたものに、情報の経済学を用いて新たな視点を導入しようとしています。そこでは、限られた資源と情報の中でどのような組織を作ったら最適かということを分析しています。
交渉の理論は、ゲーム理論の重要なテーマのひとつで、経済学の観点からは分配に関する分析という意味があります。経済学では、分配の問題はなかなか分析できず、あまり理論的に扱われてきませんでした。ゲーム理論の発展により、労使の賃金交渉など経済社会で重要な分配に関する問題に、経済学のメスを入れられるようになりました。