教員紹介

佐々木 康朗教授

Yasuo Sasaki

研究分野
意思決定論、システム科学

自己紹介

大学院では、システム科学の観点から人々の意思決定を扱う研究室で学びました。この基本的な研究のスタンスは、今でも変わっていません。私自身は、特にゲーム理論における意思決定者の認識の非対称性に興味を持ち、基礎理論研究を中心に行ってきました。最近では、これを経営科学的な文脈に応用することにも関心があり、企業経営の諸場面における知識と意思決定の関係を研究しています。例えば、企業の競争環境の認識のしかたが戦略行動にどのように影響するか、企業内・企業間の知識共有や移転はどのように達成されるのか、といった問題に取り組んでいます。21世紀は知識社会の時代とも言われます。知識が私たちの意思決定にどのように関わるのか、より良い意思決定を行うために知識をどのように捉えていけばいいのか、これからますます重要なテーマになると考えています。

メッセージ

対象や手法を選ばず、各自の興味関心に応じて様々な研究ができるのが、意思決定研究の魅力です。学生の研究テーマは、私自身のものと同じである必要は全くありません。幅広い社会的課題に興味関心を持ち、「問題はどのような構造を持つのか」「どうすれば問題は改善されるのか」といった問いに、意思決定やシステム的な観点から切り込む気概のある方を歓迎します。
一人一人きめ細かい指導を保証しますが、それは教員が手取り足取り世話をするという意味ではありません。主体的に研究活動を推進する意欲のある学生を歓迎します。関心のある問題を妥当な研究計画に落とし込み、それを学術論文として仕上げる過程を最大限にサポートします。その中で、ゼミ等における議論、コミュニケーションを重要視します。これらを通じて、研究自体を深めることはもちろん、その後のキャリアでも広く通用可能な知的体力やスキルを身につけてほしいと思います。また、社会人学生の方も歓迎します。

最近の研究テーマ

企業経営における知識と意思決定

研究室

現時点(2019年4月)では、まだ研究室の学生はおりませんが、以前の勤務先の大学では、学生の課題に応じて、ゲーム理論等を用いた数理的分析、シミュレーション分析(エージェントベース等)や、社会調査や実験に基づく実証分析などで、研究指導をしていました。研究のアプローチとして、理論でも実証でもサポートします。
文献の輪読は、意思決定論やシステム科学に関するものを想定していますが、少人数ですので、学生の興味関心に応じて柔軟にテキストを選定したいと思います。また、定期的に各自の研究テーマに関連のある英語文献の精読と報告も行ってもらいます。