海外研修

海外研修レポート(アイルランド・Dublin City University)

海外研修レポート(アイルランド・Dublin City University)
園原 遥さん
  • 研修期間:中期(1学期間)/2022年9月5日~2022年12月22日
  • 研修種類:学部授業履修
  • 留学先国名:アイルランド
  • 留学先:Dublin City University

Q.研修先を教えてください。どのような環境でしたか?

アイルランドの首都であるダブリンの大学に、1学期間留学をしました。気候は一年を通して涼しく、1週間に34日は雨か曇りでした。国全体に自然を感じられる場所が多くあり、穏やかでとても過ごしやすい場所でした。シティセンターには服や雑貨を売っているショッピングモールやオシャレな古着屋、カフェなども多くあり、1時間以内ならどこでも1ユーロでバス移動が可能なのでよく友人と出かけました。

私は学校の隣にある寮で暮らしていました。抽選で部屋が決まり、11人部屋は分けられていますが、キッチン付きのリビングは性別国籍ランダムの5人でシェアをしていました。

【写真】アイルランドの風景とDCU

Q.研修先ではどのようなことを学びましたか?

ジェンダーとセクシャリティについての授業を多く履修しました。アイルランドは国民投票で同性婚が決定した最初の国であり、私の友達も性自認が多様でした。多様な人々をあらゆる"普通"として受容しているアイルランドの社会に触れ、日本の現状や今後の在り方について考えさせられました。

授業時間割

ダブリンは多様性であふれており、アイルランド人といってもアイルランドに全くルーツがない人も多くいました。宗教も彼らの親のルーツによってさまざまで、同性婚が法律で認められても、宗教的に認められていないという人もいました。単一の国であっても文化が混ざり合う場所には多くのバックグラウンドを持つ多様な人がいることを理解しました。

Q.準備しておけばよかったこととはありますか?

どれだけ単語や熟語を覚えていても、必要なコミュニケーションは取れません。実際にアイルランド到着1日目にフランス人の人が話している事がほぼ理解できませんでした。単語や熟語を知っている事はもちろん大切なことですが、相槌をするときのフレーズだけでも語彙を増やしておけば、初めから会話をより楽しめたかなと感じます。

【写真】仲良くなったフランス人7人とのお出かけ。英語もフランス語もわからなかった...。

Q.外国語コミュニケーション能力は向上しましたか?

海外研修に行く前よりも格段に上達したと思います。まず海外のドラマや映画を視聴するとき、字幕なしでもある程度理解できるようになりました。これはアイルランドでの日常生活を通して会話で使う英語に慣れたからだと感じます。またTOEICのリスニングの点数も海外研修の前より60点近くアップしました。人が話している英語をより理解できるようになったことで深い話題についても議論できるようになりました。

Q.あなたの異文化(国際的差異)体験について一つ教えてください。

アイルランドではシティセンターや学校内で様々な抗議デモの様な運動が良くなされていました。中でも印象的であったのが、学校で行われていた物価に対する抗議デモです。授業が急に中断され、生徒が続々と外に出て特に家賃が高すぎることに対し抗議を行いました。私たち日本人留学生はどうしていいかわからず、ただ物珍しく傍観していました。この出来事を通して、欧州の人々と比べてどれだけ日本人が社会問題を自分事として捉えていないかを実感しました。

Q.あなたの気づいたホスト国の多様性(国内的差異)について教えてください。

海外に行っていた人が口をそろえて言う事は、授業などの時に日本人と比べて他の国の人は積極的に発言するという事だと思います。実際にアイルランドで多くの国からの留学生と一緒に授業を受ける中で、確かに積極的に質問や発言をする人が比較的多い気がしました。しかし全員が積極的であるかと言われればそうではなく、常に同じ人が多く発言する状況は日本とあまり変わらないと感じました。例えば、大学には日本語を学ぶ専攻があり、アイルランドの学生と日本文化の授業を一緒に履修しました。彼らが毎回積極的に発言するかというとそうではなく、正解がわからない不安から教室がシーンと静まり返ったことがありました。このように積極的と言われる海外の学生でも、性格によって考え方や態度は多様でした。

【写真】私より日本に詳しい友達とin Italy

Q.海外研修の体験をどのようにこれから活かすつもりですか?

海外研修を通して、自分自身と向き合い大切にしたい価値観を改めて認識することができました。また言語をとおして世界の人とつながる楽しさを知ったため、今後は他の言語の習得にも挑戦し、世界をより広げていきたいです。一方で、英語を話せてもある分野についての深い知識がないと英語を道具として使うことができないため、興味のある分野をより深く研究し、かつ知識の幅を広げる学びに力を入れるつもりです。

今振り返ると、海外研修に行く前の私は常に自分を人と比べてしまい、自分の本当の価値や能力を見失っていた様な気がします。アイルランドに行って多くの人と関わる中で、年齢にかかわらず彼らが自由に自分の夢に向かって努力している姿を見て、私は今までなんて狭い世界で生きていたのだろうと思いました。一度しかない人生なのだから、人と比べずに自分が望む道に向かって全力で楽しみたいです。

【写真】夢がかなった瞬間