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広島大学のPeltokorpi Vesa Matti教授による研究会が開催されました

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広島大学のPeltokorpi Vesa Matti教授による研究会が開催されました

2024.10.29

10月29日に広島大学のPeltokorpi Vesa Matti教授による研究会「The multifaceted nature of language in multinational corporations
(多国籍企業における言語の多面性)」が開催されました。

本学部からは9名の教員、2名の学生が参加し、活発な議論や有意義な交流ができました。

以下、本研究会の担当である金准教授からのコメントです。

本セミナーでは、企業のグローバル化と多国籍企業における言語の役割に焦点を当て、3つの主要な研究が紹介されました。

第一の研究では、企業の海外子会社管理における言語政策の重要性が強調され、リコンテクスチュアリゼーションモデル(Recontextualization model)に基づいて子会社の言語政策と実行について分析した結果が紹介されました。この研究により、子会社の言語政策は本社の戦略に限らず、子会社がおかれた環境の影響も反映されることが明らかになりました。特に、言語政策の実行においては子会社のリーダーの裁量権が大きな影響を与えることが認識されました。

第二の研究では、言語能力とキャリアの関係に焦点を当て、言語能力がキャリア向上に及ぼすメカニズムが分析されました。その結果、英語能力が個人の人的および社会的資本の獲得に寄与し、これが個人のキャリアに対する満足度や昇進、さらに賃金の向上に繋がることが示されました。

第三の研究では、現在進行中の研究が紹介され、言語に対する無能が身体的健康に及ぼす影響が分析されました。具体的には、英語に対する無能や恐怖が英語による差別の認識を促し、精神的および身体的健康に悪影響を与えることが示されました。

今回の研究発表を通じて、企業および個人のグローバル化における言語の重要性と必要性が再認識されました。報告者の研究結果は、企業の言語政策の運営および実施、そして個人の言語能力に関連するキャリアデザインに対して実務的な示唆を提供しており、大きな意義を持っていると言えます。

報告者および紹介されたの研究論文に関する情報は以下を参照してください。
報告者:Vesa Matti Peltokorpi (ベサ マッティ ペルトコルピ)・広島大学
https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.7ab40f91242033b0520e17560c007669.html
1. Peltokorpi, V., & Vaara, E. (2012). Language policies and practices in wholly-owned foreign subsidiaries: A recontextualization perspective. Journal of International Business Studies, 43, 808-833.
2. Peltokorpi, V. (2023). The "language" of career success: The effects of English language competence on local employees' career outcomes in foreign subsidiaries. Journal of International Business Studies, 54, 258-284.

【写真】研究会後の写真