英語教育システム
English education program
国際社会科学部の英語教育プログラムでは、学生に語学力を身につけさせるだけでなく、
英語環境で社会科学を学ぶという学問的な課題に対応できるようにすることを重要視しています。
学生の初期習熟度にかかわらず、すべての学生が学習やその先で成功するために
必要な英語力と学問的能力を身につけることを目指します。
英語教育システムの概要
1年次のうちにしっかりとした基礎を身につけ、2年次からの英語による社会科学の授業に備えます。また、学年が上がるにつれて徐々に選択肢を増やし学生の興味やニーズに合わせた教育ができるように構成されています。

4つの重要な言語スキル(スピーキング、リスニング、リーディング、ライティング)に焦点を当てた基礎科目の履修
これらの科目は少人数制で行われるため、一人ひとりに目が行き届き、積極的に参加することができます。毎週5日、6つの英語クラスに出席し、継続的に英語に触れることで、基礎を固めます。
自主学習(SDL:Self-Directed Learning)
ISS独自のSDLは、英語教育システムの要となる科目です。学生一人ひとりの目標を設定し、個人に合った学習戦略を立てて学習することで、自律性、批判的思考、自発性を育み、語学学習のみならず生涯学習や職業能力開発にも役立ちます。
1学期:ブリッジ科目
2年次からは、段階的に経済学や地域研究といった社会科学科目を英語による授業で学んでいきます。この学びをサポートするため、社会科学科目と同じテーマを扱う少人数制の英語科目「ブリッジ科目」を受講します。1年次に学んだスキルを伸ばし、英語による専門的な授業への移行に必要なサポートを提供します。

2学期:CLIL(クリル:内容・言語統合型学習)
「広告とメディア」「グローバルな挑戦」「グローバリゼーションとビジネス」、「平和と紛争」、「社会の多様性」という5つのテーマから2科目以上を選択し、語学力を継続的に向上させます。言語学習と社会科学の語彙やテーマを統合することで、国際的な舞台で成功するための総合的かつ実践的な教育を提供します。
選択科目
2年次以降は、Advanced Academic WritingやOral Fluencyといったスキル向上のための科目や、ビジネスや国際関係をテーマに英語でディスカッションを行う科目を選択できます。なかでも特別なカテゴリーであるCLIL Seminarは、教授陣の専門知識に基づきデータサイエンスや人権、経済発展や映画を通じての社会など、社会科学に通じるさまざまなテーマを扱います。
発展的な選択科目
3年次以降は、英語による論文執筆・プレゼンテーションを通じて語学能力を向上させる発展的な科目に参加することができます。Independent Studiesではグローバリゼーション、持続可能性、メディアなどの多様なテーマから学生自身が課題を見つけ、Area Studiesでは、地域研究を主として、実際に研究計画を立て実行し、論文執筆および発表を行います。「英語をツールとして身に着ける」国際社会科学部ならではの語学科目です。
ISSの英語教育システムの特徴
ISSの英語教育システムは、学生が学問的、職業的な将来において成功を収めることができるよう、特徴的で効果的な学習経験を提供するよう作られており、以下のような特徴を持っています。

統合的なスキル開発
スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングに加えプレゼンテーションと自立学習能力を伸ばすことが重要だと考え、社会科学の学習に活用できる運用力を身につけられるようにしています。
少人数制クラスによるきめ細かなサポート
少人数制により、学生一人ひとりに合わせた指導が可能になり、学生と講師との質の高い交流が生まれます。効果的な語学学習には欠かせない、学生が気軽に参加・質問し、個別のフィードバックを受けられる環境を用意しています。
英語による講義受講への段階的移行
ブリッジ科目やCLILにより、海外経験が浅い学生でも、無理なく英語で行われる社会科学の授業へ移行できるようカリキュラムを設計しています。3年次以降対象の社会科学科目は全て英語で授業を行いますが、それまでにしっかりと準備をすることが可能です。
学生の習熟に応じたカリキュラム選択
学年が上がるにつれて、学生の興味や目標に沿った科目を選択できる柔軟性が高まります。さまざまなテーマや目的の科目から選ぶことができ、学生は各自のニーズに合わせたカリキュラムを自分で組み立てられます。
グローバルな舞台への準備
ISSの英語教育システムは、今日の世界情勢を念頭に置いて設計されています。社会科学を英語で学ぶための特別なカリキュラムにより、グローバルな問題に自信を持って取り組み、国際的な学術的・専門的コミュニティに参加できるような学生を育成します。
先生からのメッセージ
~英語力が伸びる学生とは~
ISSで英語科目をマネジメントしている教員から見て「語学力が伸びる学生」には、多くに共通する習慣や考え方があるそうです。ISSの英語学習では、語学を教えるというだけではなく、このような学習に対する姿勢もまた身に着け、伸ばしていってほしいと考えています。
マーチャンド・ティム教授


学生の声
ISSで学んでいる学生の声をお届けします。実際に英語教育システムで学んだ感想がどのようなものなのか、覗いてみましょう。
英語科目の授業で学んだことはどのように活きていますか?
英語力の伸びはもちろんですが、なにより自分の視野が広がったと感じています。
ISSの英語の講義では様々な社会問題について話し合ったり、プレゼンテーションの授業では興味を持ったトピックについて調べ、考察も交えながら発表したりと英語だけを学ぶ、というより英語を使い多くの議題について考える場面が多いので、日常生活においても多角的な考え方が身についているなと思います。
英語の力がついていると実感することはありますか?
バイト先に外国人のお客様が多く、接客時に自然と会話を英語に切り替えられていることが、一番英語力がついたことを実感する瞬間です。実際、英語で接客するととても喜ばれますし、話が弾んだりすることもあります。また、学校では周りの学生に圧倒され、自分はまだまだだと感じることが多い一方で、日常生活の中で目に入った英語がスラスラ読めたり聞けたりした時に、自分の英語力が伸びていると感じる場面が多いです。
将来のキャリアについて、現在考えていることはありますか?
私は幼い頃からメディア業界やファッション業界に興味があり、日本だけでなく海外にも拠点を置き、グローバルな視点で世界中の人と交流しトレンドを取り入れるというキャリアを目標としています。必ずしも英語を必要とするキャリアではないとしても、自分の英語力を武器として海外からの情報を日本の人々に伝えられるような国際人になりたいと考えています。
英語科目の授業で学んだことはどのように活きていますか?
2つの授業を例として説明します。
①Independent Studies
この講義で、初めて英語の論文を書き上げました。学会での発表にも参加させてもらい、自分の言葉で相手に意見を伝え、コミュニケーションを取ることができました。
②Area Studies
地域研究を英語で行い、受講生それぞれが様々なテーマを持ち、プレゼンテーションや議論を行うことができたことが最も印象的でした。この講義を経て、世界の課題にこれまで以上に興味を持つようになり、日常的に英語のニュースやラジオを聞くようになりました。
これらの授業を通して、自分の興味探究を英語で行うことを楽しむことができるようになりました。
※Independent Studies、Area Studiesは3・4年生のみ対象の選択科目です。
英語の力がついていると実感することはありますか?
自分の意見を英語で伝えることが得意になりました。私はTim Marchand先生の授業を1年次と4年次に受講したのですが、1年次は適切な語彙が出てこなかったり、辞書で都度調べるなど意見を伝えるのに時間がかかっていました。
語学留学や英語科目の受講を経て、4年前期に再び先生の授業を受けた際には、先生の質問に対してすぐ答えられるようになっていました。
「英語の質問→日本語に訳す→日本語で答えを考える→英語に訳して答える」という思考回路から「英語の質問→英語で考えて答える」に変化していたことを実感しました。この成長は講義の場のみならず、将来英語でコミュニケーションを取る際にも役立つだろうと思います。