海外研修

海外研修レポート(メキシコ・Universidad Anahuac Queretaro)

海外研修レポート(メキシコ・Universidad Anahuac Queretaro)
都留 束咲さん
  • 研修期間:Long-term(2学期間)/2024年8月12日~2025年5月30日
  • 研修種類:Faculty academic studies
  • 留学先国名:メキシコ
  • 留学先:Universidad Anahuac Queretaro

Q.研修先を教えてください。どのような環境でしたか?

私は、メキシコのケレタロという街にある、Universidad Anahuac Queretaroという大学に2024年の8月から留学をしていました。メキシコというと危険なイメージを持たれがちですが、私が留学していたケレタロは日本の外務省が定める危険度レベルが0で、メキシコの中でも特に治安の良い街として有名な街でした。

その中で、私が住んでいたアパート、通った大学のあったシバタという地域は、その地域に入るために検問所があり、アパートの敷地前にも検問所があるなど、セキュリティの優れた地域で、本当にメキシコなのか疑いたくなるほどに治安の良い地域でした。

一方で、ガスが止まったり、お湯が出なくなったり、玄関の鍵が壊れて家に入れなくなったりするなど生活水準の違いを感じるような環境でもありました。

【写真】住んでいたアパートの敷地の写真

【写真】大学のグラウンドの写真

Q.メキシコを海外研修先に選んだ理由を教えてください。

私がメキシコに興味を持ったきっかけは、高校時代にあります。高校1年次と高校卒業後の2度、留学とサッカーを通じてメキシコを訪れる機会があり、「またメキシコに行きたい」とずっと思っていました。

学習院大学国際社会科学部への進学を決めた理由の一つも、海外研修が卒業要件になっていたことです。せっかく海外研修に行くのであれば、自分が本当に行きたい場所で、これまでとは違う経験をしたいと考えました。

ただ、学習院大学にはメキシコの協定校がなく、利用できる留学エージェントもありませんでした。そこで、自分で現地の大学を探して直接コンタクトを取りました。現地大学側との交渉では、日本とメキシコで時間に対する感覚が違うこともあり、なかなか思うように話が進まず苦労しました。それでも現地大学の職員の方と面談を重ね、大学にも相談しながら必要な条件を一つずつクリアして、最終的にアナワク・ケレタロ大学への留学を実現することができました。

振り返ってみると、「協定校がないから無理」と最初から諦めず、メキシコに行きたいという強い気持ちを持ち続けたことが、この留学の出発点だったと思います。

Q.どのような学生生活でしたか。

毎日朝にサッカーをして、午後授業を受けるというルーティン化された毎日でした。

一方で、時間がある日は友人とジムに行ったり、食事や買い物に出かけたりもしました。サッカーをしていたのでコンディションにも気を配って毎日自炊をし、ときにはチームメートを家に招いて料理を振る舞うこともありました。外食をする時は基本的にタコスがメインでしたが、メキシコのタコスは本当においしかったです。

冬休みにはメキシコ国内やコロンビアへ旅行し、帰国前には南米を一周しました。有名な観光地だけでなく、各国の街やスラム街を歩き、現地の方と積極的にコミュニケーションを取ることで、よりリアルな現地の暮らしを知ることができました。大学やサッカーだけではなく、こうした経験も、海外で長期間生活したからこそ得られたものだったと思います。

【写真】チームメートとタコス食べに行ったり

【写真】コロンビアのスラムで現地の子供と一緒にサッカーしたり

Q.学生生活の中でもっとも印象に残ったことはどんなことですか?

メキシコで絶対にやりたかったことの一つがサッカーです。もともとプロサッカー選手を目指していたこともあり、留学するなら現地でも本格的にサッカーをしたいと思っていました。

そこで、大学のサッカー部のセレクションに参加しました。メキシコ人学生やほかの留学生など100人近くが参加していましたが、合格したのは自分だけでした。不合格だったら全く違う留学生活になっていただろうと思うほど、自身の留学経験を大きく左右する出来事でした。

サッカー部では毎朝練習し、その後大学で授業を受けるのが基本的な生活でした。大学のサッカー部は全国1部リーグに所属していたので、試合のたびにメキシコ国内を遠征しました。いろいろな街を訪れ、長い時間をチームメートと一緒に過ごしたことは、観光旅行では決して得られない経験でした。

加えて、サッカー部の監督が元メキシコ代表選手で、2002年の日韓ワールドカップで来日した経験があったこともあり、日本人である自分に親しみを持って接してくれたことが、チームに溶け込むきっかけにもなりました。

【写真】サッカー部での試合前の写真

【写真】サッカー部の選手・監督・家族でBBQ(左の柄のシャツが監督)

Q. 海外研修期間で、どのようにコミュニケーション能力や外国語能力を向上させましたか?

メキシコには高校時代にも行った経験があり、渡航前から簡単なコミュニケーションができる程度のスペイン語は話せました。それでも、大学生活やサッカー部で現地の学生と毎日過ごしていると、「これを言いたいのに、どう言えばいいのかわからない」という場面が何度もありました。

そんなときは、そのまま諦めるのではなく、文法や単語をその場で調べ、すぐに実際の会話で使ってみるようにしました。そうした"アウトプット"を何度も繰り返していくうちに、少しずつ自分の言いたいことを表現できるようになりました。

Q.海外研修を通して学んだことを教えてください。

留学を通して強く感じたのは、海外研修は、ただ海外で一定期間を過ごせばよいというものではないということです。

言葉や文化、生活習慣、人種など、海外に出ればさまざまな違いに直面します。思い通りにいかないこともあります。それを自分で考え、試行錯誤しながら乗り越えることで得られる"生きた経験"を通して、新しい価値観が生まれ、自分が将来何をしたいのか、どんな人間になりたいのかも少しずつ見えてくるのだと思います。

学習院大学には、自分の「やりたい」を理解し、協力してくれる環境があります。私自身、大学に協定校がないメキシコへの留学でしたが、職員の方々と連絡を取りながら現地大学を探し、治安面などの条件も一つずつ確認して、海外研修を実現することができました。

行きたい国や、海外でやってみたいことがあるのであれば、「制度にないから」と諦めるのではなく、まず自分から動いてみてほしいと思います。

Q.これから海外研修に参加する後輩の皆さんや受験生へのメッセージをお願いします。

国際社会科学部には、海外研修という貴重な機会があります。せっかくその機会があるのであれば、「なんとなく海外で過ごす」のではなく、その期間に何を得たいのか、何を学びたいのかを考えてほしいと思います。

大学では、高校までと違い、自ら行動しなければ何も始まりません。何を得るのか、何を学ぶのかは、自分次第です。だからこそ、自分のやりたいことがあるなら、周囲に伝え、実現する方法を考えてみてください。

大学生活では、漠然とした将来への不安、周囲への羨望、理想と現実の乖離など、思わず逃げたくなるような出来事もあるかと思います。それでも、考えることをやめず、自分自身と向き合い続け、自分の"やりたい事・なりたい姿"から逆算して行動に移すことが大切だと思います。

私自身、メキシコに行きたい、サッカーをしたいという強い気持ちを持って動き始めたことで、当初は想像していなかった多くの人や経験に出会うことができました。海外研修は、そのような一歩を踏み出せる貴重な機会です。ぜひ自分なりの目的を持って、思い切って挑戦してほしいと思います。