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エディスコーワン大学・Eweje教授による研究セミナーを開催しました

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エディスコーワン大学・Eweje教授による研究セミナーを開催しました

2025.12.15

2025年122日、西オーストラリア州にあるエディスコーワン大学ビジネス・法学のGabriel Eweje 教授をお招きし、From Pure Capitalism to Sustainable and Responsible Capitalism をテーマにISS研究セミナーを開催しました。

以下、本研究会の担当である金教授からのコメントです。

Eweje 教授は、これまで取り組んできた経営倫理、企業の社会的責任(CSR)、サステナビリティ研究に基づき、純粋な資本主義から、より持続可能で責任ある資本主義へ移行するための課題について解説しました。セミナーでは、企業は社会に対してどのような責任を果たすべきか、ステークホルダーはどのような行動を期待しているのか、そして世界的な危機の中で組織はサステナビリティ・アジェンダにどう対応しているのか、といった重要な問いが示されました。

続いて、教授が現在進めている「民間および公共部門における管理職のCSRと価値主導型意思決定」に関する研究の予備的成果が紹介されました。本研究は上級管理職インタビューを通じて、管理者の日常的な意思決定に内在する倫理的側面を明らかにするものです。研究結果では、管理者が予算や資源の制約、変化の多い環境の中で、しばしば無意識のうちに倫理的決断を行っていることが示され、意思決定の背後にある緊張やパラドックスが浮き彫りになったと報告されました。

セミナーでは、参加者との質疑応答と意見交換が活発に行われ、多様な視点から議論が深まりました。企業の価値と個人の価値が一致しない場合に、リーダーはどのように対応すべきか、また企業が国内外社会の問題解決に向けてどのような役割を果たすべきかについて改めて考える有意義なセミナーとなりました。

報告者および紹介された研究論文に関する情報は以下を参照してください。

報告者:Prof. Gabriel Eweje(ガブリエル・エウェジェ), School of Business and Law, Edith Cowan University
https://www.ecu.edu.au/schools/business-and-law/faculty/profiles/professor/professor-gabriel-eweje/_nocache