海外研修

海外研修レポート(イギリス・The University of Edinburgh)

海外研修レポート(イギリス・The University of Edinburgh)
成瀬 悠華さん
  • 研修期間:長期(2学期間)/2021年9月13日~2022年5月27日
  • 研修種類:学部授業履修
  • 留学先国名:イギリス
  • 留学先:The University of Edinburgh

Q.研修先はどのような大学でしたか。

エディンバラ大学は、イギリスの北方に位置するスコットランドの首都、エディンバラにある大学です。学習院のように大きなキャンパスが一つあるのではなく、街の中に校舎が点在しているのが特徴です。学生数も非常に多く、様々なバックグラウンドをもつ学生が世界中から集まり、専攻、国籍、年代問わず多くの人と仲良くなれる空間でした。世界ランキングの上位に位置する大学ということもあって非常にハイレベルな授業を展開しており、熱意のある学生が多く集まり刺激しあう環境ができていたと感じます。

【写真】大学近くの丘に友達と登った時の様子
思ったよりも険しい道でしたが、登って海が見えたときの感動は忘れられません!

Q.なぜイギリスに海外研修しようと思ったのですか。

私は小さいころから海外旅行がとても好きで、中学生くらいの頃から漠然と「大学生になったら留学してみたい」と考えていました。そのときの私は、外国に行っても旅行で5、6日滞在するだけだったのが物足りず、現地で暮らしてみるという経験にあこがれていました
実際に国際社会科学部に入学してから、海外ではあらゆる学問分野において先進的な研究があり日本の大学よりもハイレベルな授業を受けられるということを知り、学びを最大化できそうな、1年間にわたる長期協定留学を決意しました。
入学当初から、大学4年間の集大成として卒業論文を執筆したいと考えていたので、留学がその準備段階のような位置づけとなるよう意識してイギリスを留学先として選択しました。イギリスの大学は、ひとつひとつの科目を深く掘り下げる傾向にあるという点で日本と大きく異なります。私は1年生の1学期の段階から漠然と「中東地域とビジネスという二つの興味を掛け合わせて研究がしたい」という方針が定まっていたため、いくつかの興味に集中できる環境がとても魅力的でした。

【写真】エディンバラの街
この街並みを初めてみたとき、外国に住むという小さいころからの夢が一つ叶ったのだと実感しました。

Q.どのような授業を履修しましたか。

私の留学の目的は、国際関係学、中東・イスラーム文化、ビジネスの三分野を1年間で学ぶことで、一学期に政治学・国際関係学と中東・イスラーム文化について、二学期にはビジネスと中東・イスラーム文化についての授業を履修していました。加えて、アラビア語の授業も履修しており、一つの学期につき3つの科目を履修していました。言語の授業を取っていることから、私の授業のコマ数は他の学生と比べると少し多かったです。
一学期の間はまだ英語に慣れていないこともあり、ライブ形式の授業では時々進行が早く理解が追い付かないことがあったり、録画配信形式の授業でも60分の講義の内容を理解するのに90~100分ほどかかったりすることが多く、非常に苦労したことを覚えています。それでも二学期になると次第に英語にも慣れ、グループワークや課題などを問題なく進められるようになっており、英語力の上達を実感しました。
特に印象深かったのは、二学期に履修したBusiness Simulationという授業です。この授業はチームを作り、Webのシミュレーター上で仮想のコンピューター販売会社を経営し、ビジネスの知識を実践していく授業です。今まで習ったマーケティングの知識を経営判断に落とし込み、その成果が売り上げの向上につながったときにやりがいを感じ、毎週の授業が楽しみでした。

一学期(Semester 1)時間割

  Mon Tue Wed Thu Fri

9:00-9:50

Islamic and Middle Eastern Cultures
(Lecture)
       
10:00-10:50

Arabic 1a
(Lecture)

       
11:10-12:00   Arabic 1a
(Seminar)
Arabic 1a
(Seminar)
Arabic 1a
(Seminar)
Arabic 1a
(Seminar)
13:10-14:00 Politics in a Changing World
(Lecture)
      Politics in a Changing World
(Q&A Session)
14:10-15:00   Politics in a Changing World
(Tutorial)
     
15:00-15:50          
16:10-17:00       Islamic and Middle Eastern Cultures
(Tutorial)
 

二学期(Semester 2)時間割

  Mon Tue Wed Thu Fri
9:00-9:50          
10:00-10:50          
11:10-12:00   Arabic 1b
(Seminar)
Arabic 1b
(Seminar)
Arabic 1b
(Seminar)
Arabic 1b
(Seminar)
12:10-14:00   Business Simulation
(Lecture)
     
14:10-15:00   Introduction to Islam
(Lecture)
  Introduction to Islam
(Lecture)
 
15:00-15:50          
16:10-17:00 Arabic 1b
(Lecture)
       
17:10-18:00 Business Simulation
(Tutorial)
Introduction to Islam
(Tutorial)
     

Q.学生生活はいかがでしたか。

国内外に友達を作ることができてとても貴重な時間を過ごせたと思います。留学前は、友達ができるかとても不安でしたが、現地の学生はみな気さくで、授業やSociety(サークル)で話した人とすぐに仲良くなることができ、多くの人と知り合うことができました。また、イギリスの大学に留学しているからイギリス人の友達ばかり、ということもなく、中国や香港、韓国などアジア圏からの留学生に加え、日本の別の大学から交換留学に来ている学生とも出会うことができました。様々なバックグラウンドを持つ人たちと一緒にご飯を食べたり遊びに行ったりする中で日本と外国の違いや外国で日本がどう見られているかを学べたことは、非常に有意義だったと感じます。加えて、社会人としてエディンバラにいる日本人の方に会うこともありました。一人ひとりの経歴や考え方を聞くことで、自身のキャリアを考えるきっかけになりました。
また、友人との時間だけでなく一人の時間も有意義に過ごしていました。冬休みにロンドンへの一人旅に挑戦したり、何もない日に一人でゆっくりアフタヌーンティーを楽しんだりと、自分のペースで楽しみたいこともバランスよく取り入れる生活をしていました。

【写真】サークル主催のダンスパーティーの様子(左から二番目)
実はこの写真、Ceilidhというスコットランドの伝統的なフォークダンスを踊ってへとへとになった直後のものです...(笑)

【写真】ロンドン旅行の際のアフタヌーンティー
大英博物館のカフェでゆったりとアフタヌーンティーを楽しみました。一人旅の魅力に気づいた瞬間です。

Q.海外研修を通して学んだことを教えてください。

この留学を通して困難を切り抜ける力と語学力を大きく向上させられたと感じます。
困難を切り抜ける力は、授業を受けて課題を提出していく中で身についたと感じます。留学先での最初の学期には、学期末の時期に最終試験やエッセイなどの課題が難しく、英語での課題や試験に慣れていなかったこともあって試験がうまくいかずに落ち込んでしまいました。そこで、第二学期を前に「課題は分割して少しずつ取り組む」「書いた課題は必ずネイティブの友人に見てもらう」という二つのルールを自分で決めたところ少しずつ課題の質があがっていき、最終的には納得のいく課題を提出して単位を修得することができました。二学期末に2週間かけて全力で取り組んだレポートの添削をお願いして目の前で間違いが次々と指摘された時は非常に悔しかったものの、その時のアドバイスを今でも課題提出や英語の勉強に生かしています。この経験から、困難だと感じたことでも冷静に対処するためにルールを決めて、ほかの人の助けを借りることの重要性を学びました。
また、この留学を通して語学力を大きく向上させることができたことはとても大きな変化です。渡航前には、日常生活や手続きにも不安がある状態でしたが、留学を経て、大学の難易度の高い授業を聞いてその場ですぐにグループワークを行えるレベルにまで成長しました。また今では、留学前に感じていた、英語を話すことへの抵抗感を感じることも全くなく、「一回で伝わらなければ何回でもいいから、とにかく話してみよう」という前向きな気持ちで英語を話すことができるようになっています。このマインドを持てるようになるために、渡航当初恥ずかしくてあまり話していなかった私に「みんな君の話に興味があるんだから、英語の上手い下手は気にしなくていいんだよ」という言葉をかけてくれた友人には、今でも感謝しています。