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研究室 東2-1115
マクロ経済学に関する実証研究、企業行動の実証分析、生産性分析
など。
※最近の研究についてはreseachmap(https://researchmap.jp/g0000208044)をご覧ください。
所属学会:日本経済学会、日本ファイナンス学会
これまでの研究活動では、主として、マクロ・産業・ミクロ(企業や事業所)の各レベルで構築したデータを用いることで、生産性計測及び生産性の決定要因に関する実証分析を行ってきました。
マクロレベルのデータを用いた具体的な研究成果の一例として、日本の全要素生産性(TFP)を長期時系列で計測し、生産性データベース(JAMP)として日本生産性本部(JPC)のホームページ上で公表しています。また、産業レベルのデータを用いた研究活動としては、日米両国における労働生産性水準の比較を行い、JPCを含む様々な媒体で公表しています。
ミクロレベルのデータを用いた研究活動としては、これまで、各種の政府統計(工業統計、企業活動基本調査、海外事業活動基本調査など)に係る大規模個票データを利用することで、事業所及び企業レベルの生産性計測を行うと共に、生産性の決定要素に関する実証分析を行ってきました。事業所レベルの研究としては、様々な規制、税・補助金、労働市場におけるミスマッチ、金融市場の不完全性などにより発生し得る資本と産出の歪みを計測した上で、これらの歪みが事業所の規模分布と製造業全体のTFP水準へ与える影響を定量的に分析しました。
今後については、生産性向上の決定要因に代表される企業成長の様々なメカニズムの解明に重点を置いた研究に注力したいと考えています。最近は、企業の働き方や労働者の高齢化が企業パフォーマンスに与える影響についてユニークなデータベースを用いて研究しています。大規模なデータセットを分析に用いることで、ミクロデータからマクロ経済に関するインプリケーションを抽出すべく研究を進めています。
マクロ経済学など学部生向けの科目では、
(1)分析すべき対象を自ら考え、
(2)実際に手を動かして分析し、
(3)得られた分析結果を踏まえた何らかの取り組みに繋げるという、
社会人として必要不可欠の能力を養うことが重要と考えています。
こうした目的を達成するために、経済学を学ぶことは極めて効果的なトレーニングとなり得ます。
具体的には、経済学の理論的な知識を踏まえて考えるべき問題を「特定し」、統計学及び計量経済学の知識を活用して社会に存在する様々なデータを「読み解き」、その分析結果の活用に当たって再度経済学的な考え方を「活用する」という一連のサイクルを受講生の皆様が習得できるように、科目間の関係性を十分に意識した指導を行います。
演習では、経済学教育を通じて社会人としての総合的な能力を養う目的から、分析対象の特定や分析結果の解釈に際して必要となる他者とのコミュニケーション能力の向上を意識すると共に、実際の分析作業を取り入れた指導を行い、社会の各分野において第一線で活躍する人材の輩出に貢献したいと考えています。
具体的には2年生では、アカデミックライティングとディベート、3年生のゼミではデータ分析の手法とプレゼン、
4年生では論文の執筆の指導を計画しています。また、2、3年生は他大学のゼミとの交流(インゼミ)も行っています。こうした活動を通じて、様々な価値観に触れ、自ら考え、前に踏み出す力を養う手伝いができればと考えています。
私は、学習院大学で4年間経済学を学びました。
指導して下さいました先生方のお陰で当時は毎日経済学を勉強するのが楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。
私も学生の皆様が楽しい大学生活が送れるように「経済学」を通じて様々な機会を提供していきたいと考えていますが、皆様も広い視野で(第一印象はつまらなそうと感じたことでも)様々なことにチャレンジし、その中の何か心惹かれる物事については継続して取り組んでもらえればと思います。