労働経済学、応用ミクロ計量経済学
【論文】
"Association Between the Covid-19 Pandemic and Early Childhood Development (Koryu Sato氏, Keiko Fujisawa氏, Makiko Nakamuro氏との共同研究)", JAMA Pediatrics, 177(9):930-938, 2023年7月
"Quality of Early Childhood Education and Care in Japanese Accredited Nursery Centers: A Study Using Early Childhood Environment Rating Scale, Third Edition(Keiko Fujisawa氏、Makiko Nakamuro氏との共同研究)", PLoS ONE 18(2): e0281635, 2023年2月
"Describing Labor Market Impact of COVID-19 in Japan until June 2020(Hidehiko Ichimura氏、Keisuke Kawata氏との共同研究)", Japanese Economic Review, Vol. 72, pp.439-470, 2022年8月
"Childcare Availability and Fertility: Evidence from Municipalities in Japan" Journal of the Japanese and International Economies, Vol. 43, pp.1-18, 2017年3月
(所属学会)
内閣府経済社会総合研究所 客員研究員
所属学会:日本経済学会、AASLE
「労働経済学」では、働くことや家族形成など身近なトピックを中心にまずは基礎的な労働経済学の理論を学んでいきます。その上で、実際の労働市場における制度や政策を取り上げ、どのように経済学的に解釈できるのかについて議論をしたり、実証分析の結果を紹介したりします。講義を通して、各々の関心のある社会問題について論理的な考察ができるようになることを目標とします。
「演習」では最終的に、関心のあるテーマについて経済理論に基づく仮説を立て、データを用いた実証分析ができる能力を身につけることを目標とします。そのために2年生のゼミでは、さまざまなトピックについて経済学を用いてどのように考えることができるのかを輪読を通して学びます。3年生のゼミでは、実証分析のための基礎的な知識を学ぶと同時に、Rなどのプログラミング言語の習得を行います。4年生のゼミではそれまでに学んだことを活かして論文の執筆を行なっていきます。
私の専門分野は労働経済学と応用ミクロ計量経済学です。その分野の中でも、育児休業や保育施設といった家族政策の政策効果について、政府統計などのミクロデータを用いた実証分析を中心に研究を進めてきました。はじめての論文では、日本の認可保育所の整備が出生率に与える政策効果に関する研究に取り組み、保育需要の高い都市部において2000年代の保育所の整備が出生率を上げたことを明らかにしました。
最近では保育所への調査を実施した研究や、自治体の行政データを活用した研究など、更なるデータの開拓と研究の発展を取り組んでいます。例えば自治体の行政データを用いて、保育所の保育料が保育所利用に与える影響を分析した研究や、就学前の経済・健康面における困難がその後の就学状況に与える研究、発達心理学の分野で開発された尺度を用いた調査により認可保育所の質を定量化した研究などが挙げられます。今後については、保育や介護といった公的制度が関係するような産業における労働市場の分析を進めたいと考えています。
大学生活は後から振り返るとあっという間ですが、学問にとどまらず多くの学びや経験ができる貴重な時間です。一つのことに没頭したり、幅広い経験をしたりと色々な過ごし方があると思います。皆さんが充実した日々を過ごせることを願っています。