大学時代、学業と並行し芸能活動をされ、また所属していたゼミではゼミ長としての役目を両立されていたという門垣さん。学習院大学ならではの学びと、大学生活で培った「社会で役立つ力」についてお話をうかがった。
もともとスーパーマーケットに行ったりすると「この商品はどうしてこの場所に置かれているのかな?」ということを考えたり、店内の人の動きを観察したりするのが好きでして(笑)、そういう興味が原点にありました。そこから消費者行動やマーケティングといった分野が学べる経済学部経営学科を選んだ、というのが理由です。また、生まれ育ったのが北大阪のほうでとても緑豊かな場所なのですが、目白キャンパスも緑豊かな環境というのも学習院大学を志望したきっかけの一つです。
大学というと、学生である自分のことを認識していない先生が一方的に講義をする、というイメージがありました。ですが、学習院大学の講義にはそういう場面が少ないことに驚きました。少人数の講義が多いというのもありますが、先生が自分の名前を覚えてくださっていることも多く、質問や相談もしやすいというのが魅力でした。
例えば、講義で分からないことがあったとき、一を聞いたら十で返してくださる先生がとても多いです。教えることが大好きで、全力で学生に向き合ってくださっているなと感じる先生がたくさんいらっしゃいます。ただ授業を受け、テストを受け、単位が取れたらそれで終わり、ではなく、卒業後の人生にも生かせるような知識をきちんと教えてくださる先生がたくさんいらっしゃいます。
経済学部では、大人数の授業もありますが、とある大人数の授業の最終日に、自分の身の回りのジレンマについて意見を聞いてみたい学生が全員の前で発表し、出席している学生からアドバイスをもらう、という授業内でのイベントがありました。私は思い切って手をあげ、発表させていただいたのですが、授業で300人もの前で発表する機会というのは滅多にないので、とても貴重な経験だったと思っています。
また、主体的に動くことで得られた経験としては、経済学部では、履修する授業は経済学部のものが多いのですが、それとは別に学部横断型のプログラムもあります。私は英会話のプログラムに応募し、学部をまたいだ交友関係を広げることができました。
主体的に飛び込めばそれを受け止め、大切に育ててくれる環境が整っていたという。所属していたゼミではゼミ長として尽力された門垣さん。どのようなことを意識していたのか?
ゼミをより楽しい雰囲気にすることがゼミ長としての仕事だと思っていました。そのため、ゼミのはじめにアイスブレイクの時間をつくって、1人ずつ持ち回りでネタを考えてきてもらったり、定期的に懇親会を開催したりと、ただ一緒に研究をするのではなく、勉強の枠を超えて仲良くできるような環境づくりに注力していました。
ゼミの河合亜矢子先生は「自分の研究したい分野を好きに研究しましょう」と言ってくださっていたので、ゼミ生それぞれ研究している分野は違いました。私はサプライチェーンの研究をしていましたが、キャッシュレスの研究をしている人なんかもいて、1人で研究する人もいれば4〜5人で1つのテーマを研究するグループもありました。
先生が専門としている分野に限らず、自分たちが興味のある分野を研究していたので、みなさんのびのびとゼミ活動に励んでいましたね。研究課題で道に迷ったら、先生が「次はこうしてみたら?」と的確なアドバイスをくれるのでとても心強かったです。
はい、学業と並行して芸能活動をしていました。部活やサークルには所属していませんでしたが、大学外では歌とダンスを習っていました。忙しかったですが、両立していたメリットは大きくて、ゼミ長の経験で鍛えられた協調性やリーダーシップは芸能活動に生きました。また、芸能活動で身につけた礼儀などは、現在の仕事の中でも生きていていると感じる場面があります。大学時代に培ったものは直接的ではないにしても、社会に出てから役に立っていることが多いと実感しています。
学業とは全然関係のない個人的な話なのですが(笑)、キャンパス内に「さくらラウンジ」という飲食スペースがありまして、当時、そこのメニューに週替わりで食べられるソフトクリームがあったんです。(※)特に好きだったのが手作りプリンの上にソフトクリームを乗せられるというメニューで、それがおいしくて、週替わりと言いながらほぼ毎日、5日に4日ぐらいのペースで友達と食べに行くのが日課になっていました(笑)。
(※)現在、「さくらラウンジ」ではソフトクリームの販売はされていません。
大学卒業後、日用品メーカーに就職しました。現在所属している部署は海外営業がメインで、基本的には自分たちの製品を海外に輸出する業務に従事しています。ほかにも、海外からいらっしゃるお客さまをアテンドしたり、打ち合わせをしたりという仕事をしています。
もともと自分の身の回りにあるもの、自分の好きなものに携わる仕事がしたいと思っていました。そこで普段使っている日用品を見回してみると、受験勉強でお守り代わりにしていたものや、ずっと筆箱に入れて使っていたもの、小さい頃から自分のそばにあったものなどが、現在の勤務している会社の製品だったのです。さらに、海外売上が多い会社だったので、勉強してきた中国語も生かせると思い、志望しました。
母が中国出身なので、幼少期から中国に住んでいる祖父母の家によく行っていました。両親が共働きでしたので、私が1人で行くことが多かったのですが、小さい頃は中国語がほとんど分からず、周りの人と意思疎通がなかなかできなかったですね。それでも中学卒業まで、毎年のように夏休みと冬休みを中国で過ごしていたおかげで、勉強しているという感覚もなく、気付けば話せるようになっていましたので今思えばよかったなと思っています。仕事でもマレーシアやシンガポールといった中国語圏のASEAN地域のお客さまへの対応も担当しています。
はい、まだまだ勉強中ですが、メールは英語でやりとりしています。
勤務先の会社には上司や先輩にも学習院大学の出身者がいるのですが、「私も学習院大学卒です!」と言っただけで輪に入れてもらえるので、それはとても強みです(笑)。学習院大学OB会も定期的に開催されるのですが、普段お話しする機会のない会社役員の方と話すこともできました。少人数だからこそ社内のOB全員が集まっても10数人ほどで、みなさんとしっかりお話しする時間があり、部署・役職を超えた交流ができました。もし学生の数が多い大学でしたら、出身者が社内に何十人もいて、それほど貴重な存在ではないかもしれませんが、学習院大学は少人数だからこそ、卒業後も強固なつながりを感じます。
社会人になって思うのが、学生時代は自由な時間がたくさんあるということです。自分次第でいろいろなことに挑戦できるので、失敗を恐れずに多くの経験を積んでほしいと思います。それが成功しようがしまいが、社会人になってからどこかで生きてくると思います。
また、落ち着いた雰囲気の中でのびのび勉強したいのであれば、全国どこを探しても学習院大学が一番だと思います。中でも経済学部がカバーしている学問の領域はとても幅広く、さまざまな研究をされている先生がいるので、興味を持てる分野が見つかりやすいはずです。自分が夢中になれるものと出会う機会が学習院大学経済学部には待っていると思います。
現在も英語学習をはじめ、自己研鑽を怠らない門垣さん。自分の「好き」を仕事にし、世界で活躍する彼女の表情は、穏やかな中に情熱をたたえているように見えた。