キャリアデザイン理論
EQ(Emotional Intelligence Quotient)理論
人的資源管理論、労使関係論
障害者雇用
留学生キャリアデザイン
私は大学での教員としてのキャリアだけでなく、企業組織や国内外の会社経営のキャリアの2つの軸を経験してきています。国内外の民間企業の人事及び経営管理の経験を基にした人的資源管理について、理論と実践のバランスのとれた研究に取り組んでいます。既存の理論が実社会ではどのように取り扱われ、どのように解釈され実践されているかが研究テーマです。
働く人にとって、キャリアデザインとは理論を超えてどの様な自己適応が必要か、その最適な方法はなにかについて民間企業における人事部門や経営の経験をもとに探求を深めてきました。理論をベースに、より実践的な研究を行ってきました。また、雇用環境が特殊な障害者雇用、留学生のキャリアデザインについても実戦経験に基づいた処方箋について研究しています。
雇用の流動化が進む中で、企業も働く個人もキャリアに関して、その経営戦略の展開と、個人の希望するライフスタイルをどのように融合させていくかということが重要な経営・社会課題になってきています。
学生の皆さんにとっては、働く個人としてのキャリアデザインを論理的に且つ合理的に、更には戦略的に描きあげることが求められます。大学卒業後、企業や公的組織、あるいは非営利組織に入社し、組織における中長期的な人的資源管理の責任ある役割を担うことになります。あるいはご自身で起業して経営を担う立場になるかもしれません。
どのような形態の組織においても組織戦略を支える人的資源管理のシナリオを設計する立場になるのだと思います。
そうした働く個人としてのキャリアデザインと組織管理を担う管理者として人的資源管理の仕組みを設計し運営していくかは大切な人生と職業のテーマになるかと思います。
私は、企業や大学において、一人ひとり異なる職業設計における答えにつながる理論的な基礎に基づいたキャリアデザインを個々人のキャリアの分岐点の場で行っています。
実践で活用できるキャリア理論と理論に基づく実践的なキャリア設計の方法について学びます。個々人で異なる多様なキャリアの目標を考え、描き出すようにしていきます。その答えはこれからの職業選択の指針になる軸となるはずです。年齢的に早い段階で、それぞれの職業上の目標とその達成計画を描いていくとともに、優れたリーダーシップやコミュニケーション、チームビルディング。EQ理論を軸にした優れた感情マネジメント能力について実践的に学んでいきます。
講義が中心ではなく、さまざまなアクティブラーニングをベースに構成していますので、能動的に学び取る講義構成になっています。就職活動やご自身の将来の豊かなキャリアデザインを描く上での基礎力を身に着けることができる講義・演習構成になっています
日本企業の基軸経営システム研究とそれに適合したキャリアデザインの最適化研究
戦後復興期から現在に至る主力産業における賃金体系を基軸とした人的資源管理をめぐる労使のやり取りを通じたルールをめぐる合意点を事実に基づき分析する研究方法を通じ、人的資源管理の特徴点を明確にする研究に取り組んできました。
戦後、日本の経済における国際競争力の源泉は、民間企業の成長にその原動力を大きく委ねてきました。近年、日本における経済環境や雇用環境、情報基盤技術革新が大きく変化、進展する中、日本の民間企業の人事制度・施策も大きく変容せざる得なくなってきています。それは、職能給から職務給への移行圧力、就労年齢の高年齢化による人材活用の多様化、人口減少に伴う多国籍人材の組織内への取り込み、副業・兼業による就労形態の変化、フリーランスなど非正規雇用者の相対的就労人口の増加対応など人事課題が経営の最重要課題になりつつあります。
日本企業は、今後こうした社会・雇用環境の急激な進化に伴う就労形態の多様化に向き合うこととなります。この変革期に備えて企業の持ち味を損なうことなく良質な人的資源管理を行う為の理論的根拠として、企業がどのような人事施策、特に労使の価値観がせめぎ合う人事制度の議論が現場で行われ、その施策の特徴点は何か明確にすることに取り組んでいます。
そして、そこから明らかになる変革期の日本の雇用現場における最適な人事戦略と個々人のキャリアデザインはどうあるべきかについて実践的な研究に取り組んでいます。経営戦略や人事戦略の最適化理論を学びながら、その中で活動する働き手のキャリアデザインをどのように設計するか、その手順について、先行研究で明らかにされたキャリア理論を在、また将来の変革にどのように適合させていくべきかについての研究に取り組んでいます。
社会環境が大きく変化していく中で、一人ひとりにとって、将来の豊かな生活をおくるために仕事の領域において、実践的なキャリアデザインを描き上げることは極めて重要なテーマでもあります。私は、キャリアデザインを企業が行う経営戦略と同様に、環境分析を行い、自らの活動領域を定め、競争環境に適切に対応できる自分自身の強みの差別化を行い、戦略的なキャリアデザインを設計することについて考えていただくことを提唱しています。私の講義を通じて、みなさんのあらゆる活動や過去の経験が活かされるキャリアのオリジナルな人的資源の明確化と将来計画について考えていきたいと思います。