鈴木 健嗣(スズキ カツシ)教授

鈴木 健嗣 教授

鈴木 健嗣(スズキ カツシ)教授
経営学科:コーポレートファイナンス、コーポレートガバナンス

略歴

  • 2000年明治大学商学部卒業
  • 2005年一橋大学大学院商学研究科修了(博士(商学)
  • 2005年東京理科大学経営学部専任講師
  • 2010年神戸大学大学院経営学研究科准教授
  • 2013年ワシントン大学客員研究員
  • 2015年一橋大学大学院国際企業戦略研究科(組織変更により2018年経営管理研究科)准教授
  • 2019年一橋大学大学院経営管理研究科教授
  • 2024年4月より学習院大学経済学部教授

連絡先

  • E-mail:add_katsushi_suzuki.png
  • 研究室:東2-1013

研究分野

コーポレートファイナンス、コーポレートガバナンスに関する実証研究

主要業績

【主要著書】

  • 『日本のエクイティ・ファイナンス』(2017)中央経済社.(日経・経済図書文化賞受賞)

【主要査読付き論文】

  • "Audit quality and engagement partner busyness: The role of internal resource allocation" Journal of Business Finance & Accounting, 12739, 2023. (with Tomomi Takada)
  • "TLAC bonds and bank risk-taking" Journal of International Financial Markets, Institutions & Money 87, 101795, 2023. (with Yasutake Homma)
  • “Former CEO advisors and firm performance” Pacific-Basin Finance Journal, 102034, 2023. (with Satoshi Ogoe)
  • "Earnings management, horizon problem, and advisor posts for retiring CEOs" Pacific Basin Finance Journal 78, 101972, 2023. (with Souhei Ishida, Satoshi Ogoe)
  • "Do investors value shareholder perks? Evidence from Japan" Journal of Banking & Finance 143, 106575, 2022. (with Wei Huang, Ghon Rhee, Taeko Yasutake)
  • "Shareholder perks and firm value" Review of Financial Studies 34 (12), pp.5676-5722, 2021. (with Jonathan Karpoff, Robert Schonlau)
  • "Labour unions and leverage: Evidence from firm-level union data" Applied Economics 52(27), pp.2882-2894, 2020. (with Nakako Zushi)
  • "Bank health and cash holdings: Evidence from a bank-centered financial market," Pacific Basin Finance Journal 57, 101195, pp.1-15, 2019. (with Toshinori Sasaki).
  • "Executive succession: The importance of social capital in CEO appointments,"  Strategic Management Journal 39 (5), pp.1473-1495, 2018. (with Yoichiro Nishimura, Margarethe Wiersema)
  • 「増資インサイダー問題と資金調達コスト」証券アナリストジャーナル51(1), pp.88-99, 2013. (with 加藤政仁) (証券アナリストジャーナル賞受賞論文)
  • "Do the use of proceeds disclosure and bank characteristics affect bank underwriter's certification roles?" Journal of Business Finance and Accounting 39 (7) & (8), pp.1102–1130, 2012. (with Kazuo Yamada)
  • “Do the equity holding and soundness of bank underwriters affect issue costs of SEOs?” Journal of Banking and Finance 34, pp.984–995, 2010. (日本経営財務研究学会学会賞受賞) 

学外での活動

2023年~現在  経済産業省 スタートアップファイナンス研究会 委員
2022年~現在  日本経営財務研究学会 副会長
2022年~現在  日本ファイナンス学会 理事
2022年~現在  日本ファイナンス学会学会誌 「現代ファイナンス」 編集者
2022年~現在  日本経営学会学会誌 「日本経営学会誌」 編集委員
2021年~現在 公認会計士・監査審査会 公認会計士試験 試験委員
2021年~現在 日本証券業協会「公開価格設定プロセスの在り方等に関するワーキンググループ」委員
2021年~現在  Pacific Basin Finance Journal, Editorial board member.
2019年~現在 日本証券業協会 エクイティ分科会 外部委員
2019年~現在  証券経済学会 理事
2018年~現在 公益法人日本証券経済研究所 客員研究員
2021年~2022年 経済産業省 スタートアップファイナンス研究会 委員
2021年~2021年 内閣府 成長戦略会議「スタートアップの育成の在り方に関するワーキンググループ」委員
2021年~2023年 証券経済学会学会誌 「証券経済学会年報」 編集委員長
2021年~2023年 証券経済学会 常務理事
2021年~2023年 証券経済学会 学会賞選考委員
2020年~2022年 日本証券業協会 JSDAキャピタルマーケットフォーラム 研究委員
2019年~2020年 立教大学 経済学部 非常勤講師
2018  日本経営財務研究学会第42回全国大会 大会実行委員長
2018年~2019年 慶応義塾大学 商学研究科 非常勤講師
2016年~2022  日本経営財務研究学会学会誌 「経営財務研究」編集委員
2013年~2019  日本経営財務研究学会 評議員
2008年~2009  一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 非常勤講師
2008年~2009  独立行政法人 中小企業基盤機構 ナレッジアソシエイト
2007年~2010  日本経営財務研究学会 幹事
2006年~2007年 社会知性開発研究センター 客員研究員

講義・演習の方針

 企業価値を高めるためには何が必要なのか、コーポレートファイナンスの観点から上場・非上場企業についての数多くのデータを利用した実証研究を行っています。特定の分野の知見にこだわらず幅広い学際的な視点(例えば経営学のみならず、経済学、会計学、心理学、社会学など)を研究に取り入れ、独自性・新規性を生み出すよう心がけております。
 最近の研究テーマとしては、(1)企業のCEOChief Executive Officer)の研究(選解任、任期とその影響、新CEOによる戦略変更、旧CEOの取締役留任・顧問相談役就任の影響など)、(2)企業の資金調達(特に上場企業の株式発行、IPOInitial Public Offerings)市場改革、スタートアップ企業の資金調達など)、(3)企業の現金保有政策(現金保有額、現金の価値など)、(4)ペイアウト政策(配当、自社株買い、株主優待など)、(5)フィンテック(P2Pレンディング、ロボアドバイザー、ブロックチェーン、仮想通貨など)、(6)個人投資家の金融リテラシーと投資行動などが挙げられます。

研究テーマ

 私の担当する経営財務論は、企業価値最大化のために必要なお金にまつわる意思決定を学ぶ学問です。具体的には、どのような方法(株式、負債、公募、私募など)で誰から資金を集めべきか、その資金を企業の抱えるどの投資案(事業、M&A(買収・合併)など)に振り分けるべきか、投資により儲かった利益をいかに取り扱うべきか(再投資、保持、株主への分配など)を学びます。企業の環境や直面している状況に応じて最適な経営財務の意思決定は異なるため、その巧拙は企業価値を大きく左右します。こうした点を理解いただくために、いくつかの事例を用いながら解説していきます。経営財務論の知識や能力は、企業の経営陣、経営企画部門、財務管理部門、IR・広報部門のみならず、各事業部門のマネジャーにも求められる。また、金融機関(銀行、証券、保険)、経営コンサルタント、証券アナリストにおいては実務に直結する必須の知識・能力と言えます。
 演習においては、卒業後のキャリアを考えるうえで有用となるような指導を心がけていきたいと思います。例えば、一線級でご活躍されている社会人などを講師に招きディスカッションや体験を共有いただくこと、他大学のゼミとの交流を通じて切磋琢磨いただくことなどを考えております。また、研究者、大学教員を目指される方に対しては、博士取得を見越した指導を積極的に行っていきたいと思います。

メッセージ

 新卒一括採用、終身雇用、年功序列といった日本型雇用制度は崩れ始めており、今後も続いていくとは思えません。また、企業買収、事業再編、転職、起業などが当然のように行われるようになり、就職後に皆さんが直面する環境変化は現在よりもはるかに大きくなります。こうした時代を迎えるにあたり、大学在学中から意識を高め、チャレンジを行い、自分の価値を高める癖をつけることがとても重要になってくると思います。不確実な時代に対応できる学識を皆さんと共に考え、皆さんの成長の可能性を広げる一助となりたいというのが私の学部教育における方針です。皆さんとお会いできることを楽しみにしております。

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