消費者行動論、マーケティング論
<マーケティング・コミュニケーション、ブランド>
<他者の存在と消費者行動>
<食に関わる消費者行動>
日本消費者行動研究学会、日本商業学会、日本マーケティング学会、日本認知心理学会、日本広報学会、Society for Consumer Psychology、Association for Consumer Research
学部生を対象とした講義では、2つの目標を持って講義を実施します。第1に、新聞や雑誌の記事やゲスト講師による講演などによって実例を紹介し、マーケティングへの関心を深めてもらうことです。現実への関心を持つことは、学びの意欲を高めるための第一歩になります。講義をきっかけに、自分自身の周りにあるマーケティング現象に対して、興味・関心を深めてもらいたいと考えています。
第2に、事例を知るだけにとどまらず、その現象をマーケティング論の基礎概念や理論枠組みによって分析できるようになることです。実例を知ることは楽しいのですが、それだけで終わってはいけません。より重要なことは、なぜ、そのブランドが成功しているのか、そのブランドにどのような課題があるのか、その課題を解決するためにどのような方法を採用すべきなのか、などの分析ができるようになることです。そのための基礎力をつけるべく、マーケティング論の概念や理論枠組みを学んでいきます。
現実へ関心を持ち、さらには現象についての分析能力を身につけることは、みなさんが将来必要とする、ビジネスの現場での対応力を養うために、極めて重要だと考えています。
演習では、教室内にとどまることなく、外部組織との交流を積極的に図りながら、グループ研究によって成果物を作成していく予定です。具体的には、他大学のマーケティングのゼミナールと合同の成果発表会に参加することを予定しています。そこでは、実務家からの講評を得る機会を設定することも想定しています。また、演習に実務家のゲストを招くことも予定しています。
また、演習では、学びのコミュニティを作り上げることにも留意したいと考えています。「面白さ」を共有する「仲間」がいることが、議論し、学びを継続させる原動力になるはずです。コミュニティを作ることに積極的である方を歓迎します。
仲間と共に課題設定や課題解決に立ち向かうプロセスを経ることが、卒業後にビジネスパーソンや組織人として活躍する際に、貴重な経験となるに違いありません。
消費者行動と企業のマーケティングとの接点を対象としながら、消費者の心理プロセスについて明らかにしようとしています。とりわけ、実験によって収集したデータを用いた実証研究に取り組んでいます。
具体的には、これまで企業のマーケティング・コミュニケーションやブランドを対象とした研究に取り組んできました。最近では、より多様なテーマに関心を広げています。たとえば、食に関わる消費者行動、サービス提供場面における他者の存在と消費者行動、マーケティングにおける新技術と消費者行動などもテーマとしています。
私が大学で教鞭をとり始めて20年以上が経ちました。ありがたいことに、いまでもたまにだいぶ歳をとった「元」学生と話す機会があります。大人になった姿を眩しく感じると同時に、驚かされることがあります。彼らからは、大学時代に取り組んだテーマ、仲間たちと交わした議論、私から言われた(私にとっては何気ない)一言などの思い出が、次々と出てくることです。
皆さんは驚かれるかもしれませんが、彼・彼女らが持っている実感によれば、少し大袈裟ですが、「学部の時代の学びは、その後の生き方を変える」ようです。大学で仲間と学んだ経験が、職場での働き方や、仕事の選び方に、直接的ではないのかもしれませんが、影響しているようなのです。
大学時代には、「面白い」と感じることを見つけ、その面白さを共有できる「仲間」とともに楽しく学びましょう。何らかの課題に熱心に取り組むことができれば、私が20年前に出会った学生たちの「今」のように、みなさんも素晴らしい大人へと成長できるかもしれません。