白田 由香利(シロタ ユカリ)教授

白田 由香利 教授

白田 由香利(シロタ ユカリ)教授
経営学科:AI手法による企業情報分析

略歴

  • 学習院女子中等科・高等科卒業
  • 学習院大学理学部物理学科大学院修士課程修了
  • 東京大学理学部情報科学科大学院修士課程修了
  • 東京大学理学部情報科学科大学院博士課程修了 理学博士号取得
  • 企業にて約10年の研究生活の後、学習院大学経済学部 助教授を経て、同学部 教授(現在に至る) 
  • なお、2006年9月~2007年3月、イギリス オックスフォード大学 客員研究員。

連絡先

研究分野

AI手法による企業分析

主要業績

  1. Y. Shirota, K. Yamaguchi, A. Murakami, and M. Morita, "An Analysis of political turmoil effects on stock prices - a case study of US-China trade friction -," Proc. of 1st International Conf. AI in Finance (ICAIF), ACM, 15th to 16th,October,2020, Virtual Conference, (in printing). 2020.
  2. Yukari Shirota and Michiya Morita: "Performance Analysis of Japanese Manufacturing Industry Before and After Lehman Shock," Trade, Economics and Finance (IJTEF), vol.11, no.5, pp. 87-91, 2020.
  3. Kenji Yamaguchi, Yukari Shirota, and Michiya Morita: "Effects of Political Risks on Stock Prices under Global Operations: A Case Study of US-China Trade Friction," Proc. of 27th EurOMA 2020, virtual conf., 29-30, June, 2020, pp. 582-591, 2020.
  4. Diahhadi Setyonaluri and Yukari Shirota: "Marriage or childbearing: Determinants of women's employment in Indonesia," 2019 IEEE R10 Humanitarian Technology Conference (R10-HTC)(47129), 2019, pp. 165-168, doi: 10.1109/R10-HTC47129.2019.9042433.
  5. Yukari Shirota, Takako Hashimoto, and Riri Fitri Sari: "Visualization of time series statistical data by shape analysis (GDP ratio changes among Asia countries)", Journal of Physics: Conference Series, Vol. 971, No. 1, pages=012013, 2018, http://stacks.iop.org/1742-6596/971/i=1/a=012013.
  6. 共著:「大学生のための役に立つ数学」、共立出版、2014。

学外での活動

公益社団法人私立大学情報教育協会サイバー・キャンパス・コンソーシアム数学グループ運営委員会委員、日本経営数学会 常任理事(2021-2022)、オペレーションズ・マネジメント&ストラテジー学会 広報/WEB 委員、IJIRM(International Journal of Institutional Research and Management) associate editor

講義・演習の方針

経営学において数学は重要です。数学の楽しさを伝えるため、講義では「役に立つ数学」を実践しています。又数学が苦手な人でも一目で経営数学を理解できるよう、コンピュータによる数学の可視化(ビジュアライゼーション)という方法で伝えています。経営数学1、2では、世の中で、特にお金の計算で役に立つ、外貨預金、住宅ローン、外国債券、リボ払いなどを教えています。
経営科学応用1では、可視化教材で経営問題における統計的仮説検定を教えています。演習では、企業情報分析を、機械学習の回帰・クラスタリング・分類およびテキストマイニング手法で行います。2023年度のゼミでは、世界TOP500の自動車製造業のハイパフォーマンス・カンパニーにおける重要な要素を機械学習による回帰分析により行いました。希望者はこの成果を学会発表もしました。2024年度も機械学習を用いた企業情報分析を行います。数学の細かい部分に引っ掛かり先に進めなくなることのないように、教師として全体のフレームを理解させることに注力し、データ分析の面白さを伝えていきたいです

研究テーマ

世界の自動車製造業の企業分析を機械学習の手法で分析しています。科研B(2020から4年)を取りました。科研B報告:機械学習による企業行動構造の分析の研究https://www-cc.gakushuin.ac.jp/~20010570/kakenB2020/ を参照してください。Shapley値及びSHAP値は、AI分析手法による回帰分析結果の説明可能性を高める手法として広く普及しています。我々はSHAPによって企業のパフォーマンス評価を行っています。2022年8月に行われた国際会議P&OM (Production and Operations Management)では、自動車製造業の分析で、栄誉あるDecisions Sciences Institute (DSI) 最優秀論文賞を受賞しました(https://jomsa.org/worldpom/conferenceawards/)。
SHAPを研究で使うと同時に、国内学会や国際会議などでSHAPの分析の普及のため、チュートリアル講演を行っています(IIAI2023, JOMSA等)。自分の研究では、企業分析にSHAPを用いる他、インド及びインドネシアのSDGsの達成度の比較分析もこのSHAP手法を用いています。最近は、SHAPの時系列分析を行うことで、目標達成度を高めるための成長戦略を発見することを研究目標としています。SHAPは回帰分析で用います。回帰の他、クラスタリングによって株価や時価総額の変動パターンの分析をしています。世界の自動車製造業といった、業種で行うときもあれば、インド企業の時価総額の成長のように国で行う場合もあります。人間には絶対できない膨大なクラスタリング作業もAIは黙々と短時間でやってのけます。
SNSの収集分析の研究も行っています。2021年の4月から、はからずも、インドとインドネシアでのCOVID-19の検索ワードでSNSを収集していました。インドでコロナが爆発的に拡大し死者が多数でたときは本当に驚きました。その後のインドネシアでの感染拡大についても驚きました。結果、人類の歴史上最悪のパンデミックの最中のSNSメッセージを収集しました。そして、人道主義的視点からこのデータのトピック抽出(どのようなことが話されていたか)を行いました。最悪のパンデミック時に人々がSNSで何を語っていたか、それは後世の人類に役に立つはずです。分析ではインドはProf Basabi Chakraborty、インドネシアはProf Riri Fitri Sariに夫々の国の状況を分析して頂きました(白田 他:「COVID-19に関するインド、日本、インドネシアSNS上でのトピック比較」、東洋文化研究、学習院大学東洋文化研究所、2022年3月を参照)。

メッセージ

コロナ禍で皆さんつらい思いをしていると思います。この時間を活用してAI時代の自分に役立つ学問を習得しましょう。パンデミックの状況を把握し対策や経営計画を考えるためには、統計的仮説検定の知識が役に立ちます。地域別罹患率の有意差検定はχ二乗検定です。数学では、計算の腕力的部分はAIアシスタントに任せてよいですが、指示を出し、AIの言うことを理解できるためには、機械学習のフレームを理解することが必要です。例えば、使えるアセットの全組合せ評価で最適ポートフォリオを計算させることはできますが、何が自分にとって最適なのか、あなた自身が考え指示できなくては困ります。経営的視点から何を目標としてAIを活用したいのか、問い続けながら経営科学を勉強してください。

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