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行動経済学・実験経済学・応用計量経済学
行動経済学全般。行動経済学は、人々の実際の意思決定の背後にある要因を明らかにする研究分野になります。これまで、人々の様々な意思決定を、被験者を募って行う経済実験や現実のデータを通じて実証的に明らかにする研究に取り組んできました。
今新しく取り組んでいるテーマの一つは、ナラティブ(物語)が人の意思決定に与える影響です。最近の研究成果から、人々は物語の形式でなされるコミュニケーションに、良くも悪くも強く影響されることが判明してきています。ノーベル経済学賞者のロバート・J・シラー教授が注目する景気といった経済現象をはじめとして、政策決定過程における世論形成、企業のPRやSNSでの広告、まちおこしやクラウドファンディング等の幅広い分野においてナラティブの果たす役割が注目されてきています。ナラティブが人々の意思決定にどのような影響を与えるのか、また、それが様々な政治経済現象にどのような影響を与えるのか、明らかにしたいと考えています。
今後取り組もうと考えているテーマをもう一つ挙げると、社会的責任を果たそうとする営利企業とそれを支える市民の活動やその動機についての調査・研究、及び活動の支援です。社会のサステナビリティが強く意識されるようになった現代社会においては、元来は自己の利益追求を第一としてきた営利企業であっても、環境保護や貧困の削減、地域社会の活性化等、社会全体の利益を積極的に志向していくことが求められています。そして、このような自社の利益を超えて社会全体に利益をもたらす活動の原資については、銀行を通じた与信や政府を通じた補助金ではなく、それぞれの課題に関心の高い市民からクラウドファンディングで調達する時代へと変化してきています。また、今後、サステナブルな経済を築くためにはサーキュラーエコノミーの考えが非常に重要になってきますが、消費者がそのような活動に積極的に取り組むようになるため、すなわち、消費者の行動変容を促すために、企業や行政がどのような施策を行うのが効果的であるか明らかにしていく必要があります。
こうした、社会全体の利益を志向する営利企業の新しい取り組み・経営のあり方や、それを支える市民の活動やその動機について調査・研究、及び活動の支援を行っていきたいと思っています。
私は大学2年生まであまり熱心に勉強をしてこなかったのですが、大学2年生の終わりに経済学に触れて、人生で初めて学問に魅せられて本格的な勉強を始めました。所属していたサークルで、研究者を目指して熱心に学業の魅力を伝えてくれる友人が多くいて、彼らから受けた影響も少なくなかったと思います。おかげで、今でも経済学を勉強することは大変な喜びです。勉学には限らずとも、学生のうちに様々なものに触れたりひとに出会ったりすることで自分の興味関心を広げることができたならば、きっと充実した人生を送れるかと思います。あなたが一生を通じて打ち込めるものが見つかるといいですね。学生のうちに見つけることができなくとも、きっとその後の人生で見つける切っ掛けになることでしょう。様々な人々と交流し、様々なものに打ち込んでみて下さい。それが学業であるのであれば、講義や演習を通じてできる限りのお手伝いをさせていただきます。