増田 一八(マスダ カズヤ)准教授

増田 一八 准教授

増田 一八(マスダ カズヤ)准教授
経済学科:応用ミクロ経済学(開発経済学、教育経済学、医療経済学)

略歴

  • 2010年3月 慶應義塾大学経済学部 卒業
  • 2011年9月 政策研究大学院大学 International Development Studies Program 修了(M.A. in International Development Studies)
  • 2016年3月 政策研究大学院大学 Policy Analysis Program 修了(Ph.D. in Development Economics)
  • 2016年4月~2021年3月 一橋大学経済研究所 講師
  • 2021年4月~ 一橋大学経済研究所 客員研究員
  • 2021年4月~ 学習院大学経済学部 准教授

連絡先

E-mail:add_kazuya_masuda.png

研究分野

応用ミクロ経済学(開発経済学、医療経済学、教育経済学)、Global Health

主要業績

(論文)

  • "Does education secularize the Islamic population? The effect of years of schooling on religiosity, voting, and pluralism in Indonesia (Muhammad Halley Yudhistira氏との共著)", World Development , 130(6):104915, 2020年6月
  • "Length of maternal schooling and children's risk of malaria infection:evidence from a natural experiment in Uganda", BMJ Global Health, 5(2):e001729, 2020年2月
  • "How does female education reduce adolescent pregnancy and improve child health?: Evidence from Uganda's Universal Primary Education for fully treated cohorts(Chikako Yamauchi氏との共著)", Journal of Development Studies , 56(1):63-86, 2020年2月
  • "Multiple micronutrient supplementation using spirulina platensis during the first 1000 days were positively associated with development in children under five years:a follow up of a randomized trial in Zambia(Maureen Chitundu氏との共著)" , Nutrients , 11(4):730, 2019年3月
  • "Multiple micronutrient supplementation using spirulina platensis and infant growth, morbidity, and motor development: Evidence from a randomized trial in Zambia(Maureen Chitundu氏との共著)", Plos One , 14(2):e0211693, 2019年2月

学外での活動

独立行政法人 経済産業研究所(RIETI) プロジェクトメンバー
一橋大学経済研究所 客員研究員

研究テーマ

【研究歴】
私の専門分野は開発経済学、医療経済学、教育経済学です。その分野のなかでも、私はこれまで下記の2つの問いに関心をもって研究を進めてきました。
1. 各個人による人的資本(教育と健康)の形成の程度が、どのような要因で決まっているか
2. その多寡によって、その個人の人生、及び、社会にどのような変化をもたらすのか

私のこれまでの研究としては、主に以下のものがあります。
1. 個人に対する初等・中等教育の普及がもたらす非金銭的な収益率(感染症への罹患、出生率、次世代の子供の健康、投票行動の変化)の探索(ウガンダ、インドネシア)
2. 途上国において持続可能な形で生産可能な食品を用いた乳幼児に対する微量栄養素補助が、子供の人的資本の形成にもたらす長期的な効果の推定(ザンビア)

【現在進行中の研究プロジェクト】
 現在は、「21世紀の発展途上国において適切な教育・医療・開発政策を立案するうえでは、日本の経済発展の歴史に対する深い理解が欠かせない」、という信念のもと、研究テーマは一貫させたまま、主に戦後期の日本を文脈とした以下のプロジェクトが進行中です。

1. 個人に対する中等教育の普及が、その健康や生存期間にもたらす長期的効果の探索
2. 慢性的な感染症の治療に対する公費負担の導入が、医療市場、及び、個人の人的資本にもたらす効果の研究

また、現代の発展途上国や、戦前期、及び、現代の日本における人的資本形成の決定要因を探索することを目的とした複数のプロジェクトが進行中です。

講義・演習の方針

 「開発経済学」は、発展途上国が抱えている様々な問題がどうして起きているのか、という問題の原因と、どうすればその問題を解決できるのか、という問題の解決策をミクロ経済学のツールを用いて考える講義です。現代の途上国が抱える問題は多岐にわたるため、分野横断的な視点と、個別のトピックを掘り下げる専門性の両方が求められる学問です。
本講義では、開発経済学が取り扱うトピックの幅広さを理解し、学生が関心を持つ分野を見つける手助けをすることを目的とし、当該学術分野が研究対象とする諸トピックを順番に概説します。加えて、この分野の最先端の研究が何を問題とし、何を明らかにしようとしているのかを理解するため、担当教員が専門とする人的資本(子供の教育や健康など)の形成に関するトピックに多くの時間を割いて、最先端の研究を紹介します。また、学術研究と途上国支援の実務の間にある乖離・共通点を適切に理解するため、途上国支援の実務に当たる官民のゲスト講師を招聘し、学生と議論する場を設けます。

生き方は人それぞれです。周りの意見に流され受け身で生きる人生もあれば、自分が大切にする価値観に向き合い主体的に生きる人生もあります。どちらの方が幸せになれるかは決まっていません。しかし、それは日本に限って言えば20世紀までのことだったかもしれません。
時間に余裕があり、リスクを取ることの出来る学生時代に、少しだけ広い世界を見て、自分の生きてきた約20年間を見直し、自分がどのような人生を生きたいのか、苦しみながらでも主体的にそれを考えることは、皆さんが生きる21世紀においては、きっと良い人生を送る助けとなります。世界に目を向け、最初の一歩を踏み出す手伝いを出来たら良いな、と考えています。

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