教員紹介
和光 純 教授

和光 純 (ワコウ ジュン) 教授

経済学科:ゲーム理論、協力ゲーム理論による経済分析

略歴

  • 1982年:東京工業大学 理学部 卒業
  • 1987年:同大学院理工学研究科博士課程単位取得退学

研究分野

ゲーム理論、数理経済学


主要業績

  • “Cooperative Game(Von Nuemann-Morgenstern Stable Sets)”,(joint with Shigeo Muto)In: Meyers R. (eds) Encyclopedia of Complexity and Systems Science. Springer, Berlin, Heidelberg, 2018.
  • “A note on existence and uniqueness of vNM stable sets in marriage games”, ICALP 2008 Proceedings of Workshop: Matching Under Preferences-Algorithms and Complexity, 157-168,2008.
  • “On the Nonexistence of vNM Stable Sets in an Exchange Economy with Indivisible Goods,”(joint with T. Irisawa and K. Matsumoto)Discussion paper, Gakushuin University, 2007.
  • “Another Proof That Assignment Games Have Singleton Cores Only If Multiple Optimal Matchings Exist,” Economic Theory, vol. 29, no. 1, 2006.
  • “Coalition-Proof Nash Allocation in a Barter Game with Multiple Indivisible Goods,” Mathematical Social Sciences, vol. 49, no. 2, 2005.
  • “On House-swapping, the Strict Core, Segmentation, and Linear Programming,”(joint with Thomas Quint), Mathematics of Operation Researches, vol. 29, no. 4, 2004.
  • “Two Examples in a Market with Two Types of Indivisible Good,”(joint with Thomas Quint), Journal of 
the Operations Research Society of Japan, vol. 46, no. 1, 2003.
  • “On the Shapley-Scarf Economy: the Case of Multiple Types of Indivisible Goods,”(joint with Hideo 
Konishi and Thomas Quint), Journal of Mathematical Economics, vol. 35, no. 1, 2001.
  • “Coalition-Proofness of the Competitive Allocations in an Indivisible Goods Market” in Topics in 
Mathematical Economics and Game Theory: Essay in honor of Robert J. Aumann(Fields Institute communications vol. 23, American Math Soc.), 1999.
  • “Some Properties of Weak Domination in an Exchange Market with Indivisible Goods,” Japanese Economic Review, vol. 42, no. 4, December 1991.
  • “Strong Core and Competitive Equilibria of an Exchange Market with Indivisible Goods,” International 
Economic Review, vol. 32, no. 4, November 1991.
  • “A Note on the Strong Core of a Market with Indivisible Goods,” Journal of Mathematical Economics, vol. 
13, 1984.
  • “A Note on the Competitive Allocations in a Market with Indivisible Goods,” Discussion Paper No. 339, 
大阪大学社会経済研究所,1994.

学外での活動

日本経済学会会員、日本オペレーションズリサーチ学会会員


講義・演習の運営方針

和光ゼミでは、ゲーム理論に関する文献を輪読し、勉強して行きます。ゲーム理論の特徴は、考察対象とする経済現象をゲームとして定式化することです。ゲーム理論という名前は、我々の知る経済現象の多くには、ゲームと同じ構造が見いだせるという考えから付いたものです。興味ある経済・経営問題では、複数の主体(つまり、いくつかの企業、部門、或いは、いく人かの個人)が、相手の行動を考慮しながら、自分の行動を決めています。相手の行動を互いに推察しながら、自分の利得を考えて、可能な手の中から行動計画を立てる。ゲーム理論では、このような状況をゲーム的状況と考えるのです。そして、その状況での合理的意思決定とは何か、また、合理的と考えられる意思決定はどのような結果を導くのかを研究します。さらに、ゲームのルールをどのように設計すれば、どの程度まで、目的とする結果を導くことができるのか、という研究も活発になされ、経済政策や制度の研究にも応用されるようになっています。

ゲーム理論が取り組もうとする社会的ゲームの状況は、遊戯ゲームそのものよりもずっと深刻であることは言うまでもありません。ゲーム理論において数学が用いられる理由は、このような状況にみられる相互依存関係をできるだけ厳密に表現し分析しようという態度のあらわれです。

演習では、ゲーム理論を基礎から学びます。入門書から始めてゆっくりとレベルアップして行きます。また、時おり出てくる数式については、丁寧な説明を加えながらゼミを進めます。そして、参加者が自由に質問をしたり、あるいは、誰かが気軽に自分の意見を言って、それが他の人の質問やアイデアを生み出したりするような雰囲気を作りたいと思います。「よく理解するために他の人と話す。更に、それを通じて、今まで気付かなかった問題や考え方を探る」、これがゼミの存在意義であると思います。私もみなさんと話をするためにゼミに"参加"します。

授業やゼミに関することで皆さんが研究室に訪ねて来たときは、なるべくその場で話を聞きたいと思います。(できないときもあるかもしれません。)皆さんからの質問やコメントはきっと何か新しいことを私に教えてくれるはずです。躊躇せずに来てください。


Q&Aセッション

Q 経済学・経営学を学ぶのに数学はどのくらい必要ですか。

A ミクロ経済学もマクロ経済学も初級のテキストで勉強しているうちは、経済学特有なグラフの読み方さえ熟達すれば、中学生程度の数学的知識でも間に合うかもしれません。しかし、2年次以降の授業を、丸暗記ではなく、考え方も含めてきちんと理解するには、少なくとも「経済数学Ⅰ・Ⅱ」を履修して、偏微分や行列の演算に関する基礎知識を付けておく必要があります。

日経新聞を開いても、数式なんか出てない! その通りです。しかし、1つの記事を書くためにも、その筆者は統計的データ処理をしたり、数学的モデルを用いた論文を読んだりすることがあるのです。積極的に経済学を理解して、自分も経済学の観点から意見を述べようとする人は、大学でもう一度、数学を勉強する必要があると思います。


メッセージ

大学では、是非、興味を持って勉強してください。しかし、何が自分の興味なのかが分からないこともあります。もしそうならば、実はチャンスです。広い視野を持ちながら、自分の興味を絞り込み、深く勉強できるようになるかも知れません。その為には、まず、自分に張り付いている得意不得意のラベルを剥がすことが必要です。そして、片寄り無く授業に出て、そこで解説されるものの考え方を素直に受け入れながら、毎回質問をしましょう。講義に追いつけず、分からなくなると、誰でも焦りますが、1週間後に落ち着いて質問をします。「この点はこう理解したが、間違いはないか?でもその次が……」という、少しだけ確認を含む質問をするのです。これによって、自分の考えを見つける知的活動が始まると思います。つまり、興味を持って勉強し始めるようになると私は思います。

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