遠藤 久夫(エンドウ ヒサオ)教授

遠藤 久夫 教授

遠藤 久夫(エンドウ ヒサオ)教授
経営学科:ヘルスケアシステムの研究

略歴

  • (学歴)横浜国立大学経済学部卒業、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了、一橋大学大学院博士課程単位取得退学
  • (職歴)保険会社、民間シンクタンクを経て1997年より学習院大学経済学部教授、2017年より国立社会保障・人口問題研究所所長、2020年より学習院大学教授に復職。

連絡先

  • 研究室: 東2-1002

研究分野

医療経済学、医療政策論

最近の論文

[論文〇、論稿●、インタビュー等△]
△「新興感染症への対応など環境変化に対応した計画に」『週刊社会保障』(2022年)
●「医師の働き方改革とは何か」『臨床透析』(2021年)
〇「公的医療保険制度における自己負担をめぐる諸問題」『医療と社会』医療科学研究所(2021年)
●「巻頭言:全世代型社会保障への転換」『医療と社会』医療科学研究所(2021年)
●「巻頭言:「社会保障・税一体改革」以降の医療制度改革」『社会保障研究』国立社会保障・人口問題研究所(2021年)
△「Reforming the Social Security System to Create Fairness Among Generations」『内閣府国際広報誌「KIZUNA」』(2021.2)
△「介護保険制度20年:介護人材不足」『読売新聞』(2020/9/23))
●「医療界を取り巻く改革と新型コロナウィルス禍」『地域医療』(2020年)
●「診療報酬政策の意味と課題」『病院』(2020年)
△「医師の働き方改革について」『月刊WAM』福祉・医療機構(2020年) 
△「医療保険制度の改革では国民的な議論が不可欠」『週刊社会保障』(2020年)
●「社会保障審議会介護保険部会のとりまとめについて」『月刊介護保険』(2020年)
〇「医師の卒後研修の現状と課題:医師の地域偏在問題を中心に」『社会保障研究』国立社会保障・人口問題研究所(2019 年)
●「医療費の現状と課題」『社会保険旬報』(2018 年)
△「次期医療計画のポイントを問う」『JAHMC』(2017年)
△「薬価見直し、背景に高額薬」『日経産業新聞』(2017/9/14)
●「医療政策に対する医療経済学の貢献」『医療経済学会10周年記念誌』(2016年)
〇「わが国における診療報酬決定のプロセス」『日本内科学会雑誌』(2014年)
●「平成22年度診療報酬改定:政権交代と中医協」『慶應経営論集』(2014年)
〇「後発品はどこで使われているか:IMSデータを用いた検証」『社会保険旬報』(2013年)
●「医療費の財源と混合診療に関する調査」『週刊社会保障』(2011年)
〇「医師の労働市場における需給調整メカニズム」『日本労働研究雑誌』(2011年)
〇「卒後年数と施設を考慮した外科医の勤務時間分析」『日本外科学会雑誌』(2010年)
〇「外科治療における看護師業務の拡大に関する意識調査」『日本外科学会雑誌』(2009年)
〇「診療報酬制度による内外価格差縮小の方策」『医療と社会』医療科学研究所(2009年)
〇「わが国の医療提供システムと準市場」『季刊社会保障研究』国立社会保障・人口問題研究所(2008年)
●「医療におけるイノベーションと医療保険制度」『病院』(2008年)
●「高齢化時代の医療と介護制度のありかた」『世界の労働』(2008年)
〇「介護保険の利用実態と介護サービスの公平性に関する研究」(共著)『医療経済研究』(医療経済研究年間優秀賞)医療経済研究機構(2007年)
〇「ここにもあった労働問題:医師や看護師の人手不足が発生していること」
『日本労働研究雑誌』(2007年)
〇「医療制度のガバナンス:市場原理と計画原理」『季刊社会保障研究』国立社会保障・人口問題研究所(2006年)
〇「医療における市場性と非市場性-規制体系の再検討について」『組織科学』組織学会(2005年)
〇「急性期入院医療の包括評価・支払い方式に伴う医療資源の消費量変化に関する研究」(共著)『社会保険旬報』2005年
〇"Impact of Public Finances Used for Healthcare Schemes on Access to Healthcare Services and on Health Expenditures" The Japanese Journal of Social Security Policy(2005年)
〇「かかりつけ医」の実態と受療行動に及ぼす影響」『学習院大学経済経営研究所年報』(2005年)
〇「保険償還価格の設定方式による内外価格差縮小の実態と課題」『日本心血管インターベンション学会誌』(2004年)
〇「患者自己負担と医療アクセスの公平性」(共著)『季刊社会保障研究』国立社会保障・人口問題研究所(2003年)

主な書籍

  • 『医療費の患者負担の在り方』(共著)医療科学研究所監修 法研(2022年)
  • 『社会保障と経済社会』第3巻(共著)東京大学出版会(2010年)
  • 『内科学書』Vol.1:内科学総論(共著)中山書店(2009年)
  • 『医療制度改革の国際比較』  講座医療経済・政策学 第6巻(共著)勁草書房(2007年)
  • 『保健・医療提供制度』  講座医療経済・政策学 第3巻(共編著)勁草書房(2006年)
  • 『医療経済学の基礎理論と論点』  講座医療経済・政策学 第1巻(共編著)勁草書房(2006年)
  • 『医療保険・診療報酬制度』  講座医療経済・政策学 第2巻(共編著)勁草書房(2006年)
  • 『社会保障システムを再考する』(共著)国立社会保障・人口問題研究所編:東京大学出版会(2005年)

最近の学会報告、シンポジウム、講演等

  • 「今日の医療制度改革の全体像」『社会保険特別研究会:健康保険組合』(2021.12)
  • 「Current Status and Issues of Japan's Medical System Reform」『AMDD(米国医療機器・IVD工業会) Annual General Meeting』(2021.9)
  • 参議院「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」参考人発言(2021/5/31)
  • 衆議院「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案(204国会閣17)」参考人発言(2021/3/24)
  • 「活気ある国家:生きがいの創出」シンポジウム」座長『先進医療技術工業会・米国医療機器・IVD工業会』(2020.12)
  • 「予防と健康増進:エビデンスに基づく政策形成のあり方」『シンポジウム 第15回研究大会 医療経済学会』(2020.9)
  • 「介護保険制度の現状と課題」講演『第 6 回介護&看護 EXPO セミナー』(2020.3)
  • 「これからの医療政策と社会保障 ~地域医療構想の進捗状況とその行方~」『地域医療振興協会』(2019.12)
  • 「持続可能な医療・介護制度を考える」『福井県長期ビジョン特別講演会』(2019.10)
  • 「高齢化と医療・介護制度改革:高まる都道府県の役割」講演,『社会保障・人口問題基礎講座』厚生労働統計協会(2019.10)
  • 「高額薬剤が医療費に与える影響:シンポジウム座長」『医療経済フォーラムジャパン第 18 回公開シンポジウム』(2019.10)
  • 「費用対効果評価の制度化~残された課題と今後の対応を考える~」『シンポジウム総括講演:医療経済学会 第 14 回研究大会』(2019.9)
  • 「超高齢国家日本の医療制度改革,介護制度改革の現状と課題:韓国への含意」『社人研・KIHASA(韓国保健社会研究院)国際合同セミナー』(2018.12)
  • 「国民医療費の現状と課題」『医療経済フォーラム・ジャパン 第 17 回公開シンポジウム』基調講演(2018.10)
  • 「介護保険制度の持続可能性について:保険財政とマンパワーの視点から」基調講演『医療経済学会 13 回研究大会』(2018.9)
  • 「診療報酬政策と医療保険財政」『第 63 回日本透析医学会学術集会シンポジウム』(2018.6)
  • 「超高齢国家日本における医療制度・介護制度改革の現状」『中日連携による高齢化社会への対応:進路と未来』日中平和友好条約締結 40 周年記念国際シンポジウム:中国社会科学院・日本学術振興会 @北京(2018.6)
  • 「超高齢国家日本における医療と介護の現状と課題」『第 22 回厚生政策セミナー』国立社会保障・人口問題研究所(2018.2)
  • 衆議院「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(193国会閣15)」参考人発言(2017/4/11)
  • 「医療(介護)制度改革の方向と課題」『国立保健医療科学院 公開シンポジウム』(2017.4)
  • 「社会保障と経済の好循環」パネルディスカッション『平成28年度 医療政策シンポジウム:日本医師会』(2017.2)
  • 「医療費の財政制約と薬剤開発はどうあるべきか」『第28回製薬協セミナー』(2016.9)
  • 衆議院「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案(185国会閣2)」参考人発言(2013/11/12)

研究テーマ

私の研究テーマは医療経済学、医療政策論です。様々な医療・介護政策が実際の医療や介護にどのような影響を与えたのかを経済学(効率性と公平性)の視点から分析しています。私は国の医療や介護に関する多くの審議会に参加してきましたので、自分がかかわってきた政策の効果がどのようなものか。これもこのテーマを研究するモチベーションの一つです。

メッセージ

メッセージ1.
友達をつくりましょう。数は少なくてもいいですから良い友人を作ってください。大学生の4年間は、就学期最後のステージで、これから社会人としてどう生きていくべきか、不安や迷いがある時期です。そんな気持ちを共有しながらできた友人はいつまでも心の友になり得ます。

メッセージ2.
大学の授業は役に立ちます。大学の授業は社会に出て役に立つのか。こんな疑問は昔からありました。結論をいえば役に立ちます。授業の内容がそのまま社会に出て役立つことは少ないかもしれません。でも勉強の仕方、方法などを学生時代にきちんと身につけた人と、そうでない人とは仕事の仕方にも大きな違いがあります。漫然と授業を受けるのではなく、勉強の「仕方」を身に着けてください。

メッセージ3.
演ずるのは皆さんです。学習院大学はとても良い大学です。先生は高く評価されている方が多く、キャンパスも緑豊かで施設もそれなりに整っています。駅にも近い。しかし、大学はしょせん舞台でしかありません。演ずる役者は皆さん自身です。人生に一度しかない大学生活を有意義なものにできるかどうかは皆さん自身のパフォーマンスにかかっています。是非、学習院大学を利用しまくって、積極的で濃密な大学生活を送ってください。

学外での活動

[非常勤講師等]

  • 京都大学大学院医学研究科非常勤講師
  • 一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会:理事・企画運営委員
  • 公益財団法人医療科学研究所:評議委員

[所属学会]

  • 医療経済学会(元会長)/日本経済学会/日本医療・病院管理学会

[審議会委員等]

〇2022年6月現在
「医道審議会」委員(厚生労働省)
「医道審議会 医師分科会」委員(厚生労働省)
「医道審議会 医師分科会医師専門研修部会」部会長(厚生労働省)
「医師の働き方改革の推進に関する検討会」座長(厚生労働省)
「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」座長(厚生労働省)
「第8次医療計画等に関する検討会」座長(厚生労働省)
「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」座長(厚生労働省)
「医療介護総合確保促進会議」委員(厚生労働省)   
「東京都地域医療対策協議会」委員(東京都)
「東京都保健医療計画推進協議会」委員(東京都)  
「社会保障審議会 医療保険部会(柔道整復療養費検討専門委員会/あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会)座長(厚生労働省)  
〇過去に参加していた主な審議会等
「全世代型社会保障検討会議」委員(内閣)
「社会保障制度改革国民会議」会長代理(内閣)
「社会保障制度改革推進会議」委員(内閣)
「中央社会保険医療協議会(中医協) 」会長(厚生労働省) 
「社会保障審議会」会長(厚生労働省)
「社会保障審議会 医療保険部会」部会長 
「社会保障審議会 介護保険部会」部会長 
「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」座長(文部科学省)
「臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会」座長 (厚生労働省)
「厚生労働科学研究費補助金政策科学総合研究事業事前企画評価委員会」座長(厚生労働省)
「社会保障審議会:短期間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」部会長
(厚生労働省)

講義・演習の方針

[ヘルスケアシステム論Ⅰ、Ⅱ]

[授業概要]
少子高齢化が進む中での医療と介護の問題を扱います。人は年を取ると病気になりやすく、また身体が不自由になり生活するのもたいへんになります。したがって、高齢期には医療保険制度や介護保険制度がとても重要な存在となります。幸い、日本の医療保険制度や介護保険制度は外国と比較しても非常に優れた特徴をもっています。しかし、日本はすでに世界一の高齢国家で、今後ますます高齢者は増え、現役世代は減っていきます。今後ニーズが増えていく医療や介護の費用を、減少していく現役世代がどのように負担していくのか。介護や看護の担い手となるマンパワー不足にどう対応するのか。このような課題に直面している医療保険や介護保険を今後も維持するために様々な改革が行われています。授業ではこれらについて講義します。少子高齢化と低経済成長が避けられない日本にとって、社会保障制度の持続可能性の問題は第一級の国内問題です。若い人たちにとっても有益な授業だと思います。ヘルスケアシステム論Ⅰ(第1学期)、ヘルスケアシステム論Ⅱ(第2学期)の2部構成になっています。ヘルスケアシステム論Ⅰでは少子高齢化の問題と医療や介護を中心とした社会保障制度の仕組みや実態・課題について勉強します。ヘルスケアシステム論Ⅱでは、これらの制度を持続可能にするための政策について詳しく勉強します。

[演習]
日本の少子高齢化の問題や医療制度と介護制度の課題をテーマとします。教材については学生諸君と相談して決める予定です。

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