武石 彰(タケイシ アキラ)教授

武石 彰 教授

武石 彰(タケイシ アキラ)教授
経営学科:企業の戦略と組織

略歴

1982年東京大学教養学部教養学科国際関係論卒、1990年マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院修士課程修了、修士号取得、1998年マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院博士課程修了、Ph.D.取得。株式会社三菱総合研究所(1982~1994年)、一橋大学イノベーション研究センター助教授、教授(1998~2008年)、京都大学大学院経済学研究科教授(2008~2020年)を経て、2020年より現職、京都大学名誉教授。フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)客員研究員(2015~2016年)。

連絡先

  • E-mail:add_akira_takeishi.png
  • 研究室:東2-1102

研究分野

経営組織、経営戦略、技術経営

主要業績

  1. 武石彰『経営学入門』岩波書店、2021年。
  2. 武石彰「質の高い研究論文の評価軸:強く、清く、美しく」青島矢一編『質の高い研究論文の書き方:多様な論者の観点から見えてくる、自分の論文の形』白桃書房、2021年所収、1-12頁
  3. 武石彰「イノベーションの経済・経営思想」諸富徹編『資本主義経済システムの展望(岩波講座 現代 第3巻)』岩波書店、2016年所収、137-164頁
  4. 武石彰、青島矢一、軽部大『イノベーションの理由:資源動員の創造的正当化』有斐閣、2012年。
  5. 青島矢一、武石彰、マイケル・クスマノ編『メイド・イン・ジャパンは終わるのか:「奇跡」と「終焉」の先にあるもの』東洋経済新報社、2010年。
  6. Itami, Hiroyuki, Ken Kusunoki, Tsuyoshi Numagami and Akira Takeishi (eds.) Dynamics of Knowledge, Corporate Systems and Innovation. Heidelberg: Springer, 2010.
  7. Nagaoka, Sadao, Akira Takeishi and Yoshihisa Noro, "Determinants of Firm Boundaries: Empirical Analysis of the Japanese Auto Industry from 1984 to 2002." Journal of the Japanese and International Economies, 22, 2008, pp. 187-206.
  8. 武石彰『分業と競争:競争優位のアウトソーシング・マネジメント』有斐閣、2003年。
  9. Takeishi, Akira, "Knowledge Partitioning in the Inter-Firm Division of Labor: The Case of Automotive Product Development." Organization Science, Vol. 13, No. 3, 2002, pp.321-338.
  10. Takeishi, Akira, "Bridging Inter- and Intra-Firm Boundaries: Management of Supplier Involvement in Automobile Product Development." Strategic Management Journal, Vol. 22. No. 5, May 2001, pp.403-433.
  11. 藤本隆宏、武石彰、青島矢一編『ビジネス・アーキテクチャ:製品・組織・プロセスの戦略的設計』有斐閣、2001年。
  12. 一橋大学イノベーション研究センター編『イノベーション・マネジメント入門』日本経済新聞社、2001年。
  13. Cusumano, Michael A. and Akira Takeishi, "Supplier Relations and Management: A Survey of Japanese, Japanese Transplants, and U.S. Auto Plants." Strategic Management Journal, Vol. 12, No. 8, November 1991, pp.563-588.

学外での活動

企業・社会人向けプログラムなどでの講義・講演、日本学術振興会科研費審査委員、政府委員会など
所属学会:組織学会

研究テーマ

私は、企業の組織、戦略、イノベーションに関わる研究を行っています。主なテーマとして、(1)企業間分業と競争優位・技術革新の関係、(2)イノベーションの社会的プロセス、(3)音楽産業と技術革新の歴史などを取り上げ、インタビュー、アンケート、各種データなどを用いて、実証研究を行っています。
一つ目のテーマでは、日本の自動車産業を題材にして、企業と企業の関係、分業のあり方がどのように競争優位、技術革新につながるかについて研究しています。二つ目のテーマでは、内外の企業が生み出した様々なイノベーションの実例を題材にして、不確実性の高い革新的なアイデアに希少な経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報など)が動員されていく組織的プロセスとその経営成果への効果について研究しています。三つ目のテーマでは、日本やアメリカの音楽産業を取り上げ、その歴史が技術とビジネスの革新によってどのように形作られてきたかについて研究しています。
また、学問としての経営学が社会の実践においてどのような役割を果たせるのか、その役割を担うためにはどのように研究と教育を行えばよいのか、という問題について関心を持っています。

講義・演習の方針

「経営組織論Ⅰ、Ⅱ」は、経営組織の基礎について学ぶ科目です。経営組織とは何か、何のためにあるのか、経営組織が目指す成果を生み出していくためには何をどのように考えればよいのか ── これらのことについて経営学が明らかにしていること、論じていることを理解していただくことを目的としています。
経営組織をめぐる経営学の基礎的な知識や議論を概説することが授業の中心になりますが、実例の紹介も交え、また経営学を学ぶことの実践における意味にも触れながら、授業を進めます。経営学の基礎を学ぶみなさんに、経営学に興味をもっていただける授業となるよう努めています。
演習では、イノベーション、組織、戦略を基本テーマとして、基礎的なあるいは先端的な書籍・論文の輪読、ケース・ディスカッション、プロジェクトなどを行います。輪読は経営学の論理を学ぶこと、ケース・ディスカッションやプロジェクトは経営学の論理と現実の関係を学ぶことを目的としています。少人数のメンバーによる双方向のやりとりを大切にし、お互いに刺激、貢献し合いながら学ぶ場、機会を一緒に創りたいと考えています。全体を通じて、経営学の知識を受動的・表面的に学ぶのではなく、経営学は現実においてどのような役割、意味を持ちうるのかを主体的に考えながら学習することに力点を置き、経営学の知識・議論を理解し、実際の問題にあてはめ、活用する基礎力をつけていただくことを目指します。

メッセージ

これから何をしたいのか、明確な目標を持っている人もいるでしょうが、よくわからない人、やがて目標が変わっていく人もいるでしょう。
社会に出る前の貴重な時間となる大学時代を、試行錯誤を重ねながら、様々な可能性を探索、開拓することに費やしていただければと思います。その過程に、なんらかの形でささやかでも関わることができれば、幸いです。
No music, no life. You ain't heard nothin' yet.

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