教員紹介
和田 哲夫 教授

和田 哲夫 (ワダ テツオ) 教授

経営学科:知的財産権に係る戦略、国際経営

略歴

  • 1989年:東京大学法学部第一類卒
  • 1989−1992年:郵政省官房文書課、大蔵省財政金融研究所研究部
  • 1994年:カリフォルニア大学バークレー校経営大学院修士(M. S.)
  • 1996年:郵政省郵政研究所主任研究官
  • 2000年:学習院大学経済学部助教授
  • 2003年:カリフォルニア大学バークレー校経営大学院Ph. D. 取得
  • 2004年:学習院大学経済学部教授

連絡先

  • E-mail:add_tetsuo_wada.png

研究分野

国際知的財産制度・契約と企業戦略


主要業績

  • “The choice of examiner patent citations for refusals: Evidence from the trilateral offices,” Scientometrics, forthcoming.
  • "Obstacles to prior art searching by the trilateral patent offices: empirical evidence from international search reports," Scientometrics, vol.107, no.2, May 2016, pp.710-722
  • 「特許協力条約(PCT)に関する計量分析の必要性と課題」中山信弘先生古希記念論文集、2015、弘文堂
  • "Alliance Structure and the Scope of Knowledge Transfer: Evidence From US-Japan Agreements," (joint with J. Oxley), Management Science, vol. 55 no. 4, April 2009, pp. 635-649.
  • "Licenses and joint ventures as knowledge acquisition mechanisms: Evidence from U. S.-Japan Alliances," (joint with J. Oxley)in A. Arino and J. Reuer(eds.),Strategic Alliances: Governance and Contracts, Palgrave, 2006.
  • "Market Position, Resource Profile, and Governance: Linking Porter and Williamson in the Context of International Courier and Small Package Services in Japan"(joint with Jack A. Nickerson and Barton Hamilton), Strategic Management Journal, vol. 22 no. 3, 2001.

学外での活動

所属学会:European Policy for Intellectual Property, International Society for Scientometrics and Informetrics, Academy of Management, American Economic Association、International Network for Social Network Analysis 等


メッセージ

「自分が何をしたいのかまだ見つからない」という学生は多いけれど、すべての人は自分のやりたいことをすでに持っていると信じている。自分のやりたいことは自分しか知らず、外から与えられるものではない。しかし、まだ意識下にある自分のやりたいことは、意識できている部分だけでも外部に表現してみること、それをきっかけにして他の人たちとのコミュニケーションをはかること、そしてときには壁にぶつかること、を通じてはっきりしてくることが多い。そのような「やりたいこと」の意識化を助ける場を作り出せたらいいなと思っている。


教育・研究活動について

各先生の講義では、確立された理論や分析手法などを、思考の道具として皆さんは学ぶことになります。道具ですから、たとえば料理を作る上での包丁とか、解剖のためのメスにあたります。研げば研ぐほどよく切れるようになるでしょう。ただ、たくさんある道具をどう使いこなせれば高度職業人なのか?
答えは百人百様でしょうが、私は「自分のコミュニケーションの道具として使いこなせればいい」と思っています。上司にはその上司がいて、社長にも株主や資金提供者がいて、みな説明責任を負っています。説明責任は、日本でかつてないほど大事なものと理解されるようになってきました。外部に対して、あるいは経営トップに対して、自分たちの組織がこれからどうすべきか、説明の機会が与えられるのは、皆さんが社会人になったあと意外に早く来るでしょう。仕事の出来る人は、他人の真剣な提案をよく聞いてくれる、ということもわかるでしょう。いま学ぶすべての道具は、説得力を高めるために役立つことが将来わかるはずです。

では、とにかくたくさんの道具を身につけたほうがいいのか?手当たり次第に面白そうなものをたくさん学ぶ、というのは学生の大事な特権なので、まずは特権を十分生かしてほしいです。しかし、本当に面白いと感じたり、「なるほど」と自分が思えないようなものを受け売りしても説得力はない。高度な理論でなくても、きちんと本当に理解して腹の底から言えることには、力があります。では、きちんと腹の底から自信を持っていうためには?自信がなくてもまず表現してみること、だと思います。自分が興味深い、という感覚をいろいろ言い換えて表現してみれば、伝わり方がわかってきます。自分が面白いと思う感覚が他人に伝えられたとき、そのテーマがもっと好きになっているに違いないでしょう。一つでいいから、そういう自分が本当に面白いと思えるものに出会ってほしい、というのが私の願いです。

自分は何を面白いと思うか、最後に紹介しておきます。私の研究テーマは、企業による知的財産権制度の戦略的利用の方法です。技術開発、特許出願、契約交渉、訴訟など諸側面において、企業は必死になって戦略を練り、駆使します。イノベーションは企業の生存可能性を左右し、重要特許を握ることは他企業の生殺与奪の権を握ることにもなります。特許訴訟の費用が数億円になることは普通ですし、損害賠償額が数百億円にのぼる例も珍しくありません。また、特許、商標、営業秘密など知的財産権は、国内・海外のM&Aにおける最重要資産であることが多いのです。複雑な制度をいかに利用するかを企業は真剣に考え工夫しますから、その戦略的反応の結果はとても込み入ったものになります。どのように現実にはね返っているか、よく現実を理解し、仮説を立て、データを積み重ねて検証することが私の目標です。研究のため先行研究やデータを調べるのにも時間がかかりますが、不完全でもいいから自分のいいたいことを発表し、厳しい批判とともに別の見方やアイディアをもらう、という過程が何より大事だと言うことを研究生活でいつも感じています。調べることも大切だけど、自分の問題意識を組み立て、他人にぶつけてみよう、そして他人の言っていることをよく聞いて批判してみよう、そこから話が始まり、考えが深まり、世界が広がる、ということを学生にいつも言っているのですが、それは私が自分に言い聞かせていることと同じなのです。

ページトップへ