ビジネス・フォーラム

実践的スキルを卒業後に習得

経済学部のキャリア・デザイン支援は、卒業後も続けられる。実践的なビジネススキルが得られ、ネットワークも広がると好評だ。


POINT

学習院大学経済経営研究所(GEM)は、1985年に経済学部の附置研究機関として設立された。経済学部の専任スタッフを中心に、国内外の研究機関や研究者、産業界や官庁と共同で研究活動を実施し、研究成果を出版物で発表するほか、セミナーや国際会議を開催して研究成果の社会への還元に努めている。

GEMのもう一つの活動が、卒業生のキャリア・デザインを支援する「ビジネス・フォーラム」だ。

2010年のビジネス・フォーラムでは、経済学部を卒業し父親から事業を引き継いだ、ソフトクリエイトの林宗治代表取締役社長が講演した
ビジネス・フォーラム終了後には必ず懇親会が開かれ、講師や卒業生同士で親睦を深める

ビジネス研修と経営者の講演がプログラムの中心

「ビジネス・フォーラム」は、学習院大学経済学部を卒業した社会人に再学習の機会を設けることを目的に、当時経営学科に在籍していた今野浩一郎教授らが中心となって2006年にスタートさせた。年に一度、毎年秋か冬に開催。卒業生を対象にしたビジネス研修と、各界の経営者による講演がプログラムの中心だ。

ビジネス・フォーラムを始めた経緯を、今野教授は次のように振り返る。

「大学にとって、卒業生は財産です。この財産を、卒業生自身にもメリットとなるような形でメンテナンスする仕組みができないだろうか、と考えていました。そこで、若手のビジネスパーソンが比較的安く研修を受けられるチャンスを大学が設けることにしたのです。そうすれば、卒業生と大学との連携をより深めることができ、双方がメリットを享受できますから」

研修内容は、財務、マーケティング、女性のキャリア、ロジカルシンキング(論理的思考)など、ビジネスに必須な実務が中心だ。受講生は一つのコースを受講したら、次回は別のコースを受講して幅広い知識を得られるように、複数の研修を並行して設けている。そのため、「一度受講した卒業生は、リピーターになってくれるケースが多いんです」と今野教授はフォーラムの評価に手応えを感じている。

研修と同時に開催している講演会も好評だという。

「講師は、学習院大学の卒業生を中心に、時代に即した内容の講演ができる人、いわゆる"旬の人"にお願いしています。どちらかというと大企業に勤めている人より、起業した人、事業を継承した人にお願いするようにしています。というのも学習院大学の特色の一つは、経営者を輩出していることだからです。起業した人や事業を継承した人は、背負っているものが大企業に就職した人とは違います。話も実践的だし、自分たちとは異なる苦労話などが受講生の参考になるようです」と今野教授は言う。


ネットワークづくりの場 学生の受講も奨励

卒業生のネットワークづくりもビジネス・フォーラムの目的の一つだ。これまで経済学部では各ゼミごとにはOB・OG会が開かれているが、経済学部全体の卒業生のネットワークはほとんどなかった。

ビジネス・フォーラムを受講する卒業生は毎回30名ほど。多くは20代から30代の若手で、フォーラム終了後は必ず懇親会を開き、親睦を深めるている。その後も講師を含めた交流が続き、刺激を与え合う関係を築いている卒業生も少なくない。

「全く違うゼミを卒業し、学生時代は面識もなかった受講生たちですが、やはり経済学部という同じ環境で学生生活を過ごしたからでしょうね。ネットワークは想像した以上に早く築かれていきました」と今野教授は言う。さらにはフォーラムの企画に参加する卒業生もおり、受講者のニーズを企画に反映させているとも強調する。

学生の受講も奨励している。研修は学生にとって役に立つうえ、ビジネスの現場にいる卒業生が何を考え、何を必要としているかを知ることができるからだ。その経験がキャリア・デザインの参考になることは間違いないだろう。

ビジネス・フォーラム終了後には必ず懇親会が開かれ、講師や卒業生同士で親睦を深める

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