受験生サイト受験生サイト
入試情報入試情報
資料請求資料請求
アクセスアクセス

学長メッセージAbout Us

学長メッセージメインビジュアル

ようこそ学習院大学へ 

 学習院大学は、明治101877)年に華族の学校として出発し、明治171884)年に宮内省所管の官立学校となった「学習院」を母体に、昭和241949)年に私立の新制大学として開学しました。今年度は大学創立75周年を迎えますが、国立から私立に転換した極めて珍しい発展過程をもつ大学です。現在は5学部17学科と大学院6研究科と法科大学院で構成され、大規模な大学ではありませんが、これまでに多くの社会に貢献する「人財」を育成してきました。

 輝かしい未来を期待した21世紀でしたが、四半世紀を過ぎようとする現在、少子高齢化の進展や人口減少、経済成長の鈍化や経済格差の拡大、温暖化・環境問題の高まり、新興感染症のまん延、戦争の勃発、大地震などの大規模災害の不安、生成AIの登場など、私たちの社会の不確実性は大きく高まっています。このような時代を生きるには、変化の予兆を機敏に感じ取る感性や予想しない変化に対応できる柔軟性・強靭性を身につけることが大切です。

 学習院大学は、学界や社会で高い評価を受けている教授陣による少人数教育が行われ、それぞれの専門教育には定評があります。一方で、不確実性の高い時代には、専門にとらわれずに視野を広く持つことも必要です。そのため、所属する学部の授業だけでなく、関心に応じて選択できる「全学共通科目」を充実させています。その中には「生命社会学」や「宇宙利用論」など文系、理系の枠を超えた学際的な科目もあります。また、「データサイエンス」をはじめ3つの分野において「副専攻制度」を用意しており、自分の専攻に加えて特定のテーマを追求することができます。

 学習院大学では、このようにそれぞれの専門を深めるとともに、より広い領域の学際的な学びを実現することができます。

 学習院大学は、これからも時代を創る「人財」を養成すべく改革を進めていきます。

学習院大学長 遠藤久夫

学習院大学長 遠藤 久夫

学長告辞

令和6年度 大学院、専門職大学院及び大学入学式

 はじめに、去る1月1日に発生しました令和6年能登半島地震により犠牲となられました皆様に、深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。学習院大学経済学部のある教授はゼミ活動の一環として、地元と協力しながら学生を率いて、高齢化と人口減少に悩む奥能登地方の「地域活性化プロジェクト」を長年やってこられました。その先生から、いろいろ話を聞いておりましたので、この度の災害には深く心を痛めます。被災地域の皆様が1日も早く日常の生活に戻られることを心よりお祈り申し上げます。

 さて新入生の皆さん、入学おめでとうございます。学習院大学を代表して心より歓迎いたします。また、皆さんを長年にわたり温かく支えてこられたご家族や関係者の皆さま方に、心よりお祝いを申し上げます。本年度の新入生は、学部は5つの学部をあわせて2164名です。大学院は6つの研究科と法科大学院をあわせて188名です。新入生の皆さんを迎え、耀英一学習院長、卒業生の同窓会である桜友会の東園基政会長、父母会をはじめとして、来賓の皆様のご臨席を賜わるなかで、入学式を挙行できますこと、大変嬉しく思います。 

 皆さんがこれから学ぶことになります学習院大学は、明治10年に華族学校として出発し、明治17年に宮内省所管の官立学校となった「学習院」を母体に、昭和24年に私立の新制大学として開学したもので、国立の学校から私学に転換したわが国では極めて珍しい学校です。新制大学になって今年度は75周年を迎えます。当初は2学部で発足しましたが、着実に発展し、現在5学部17学科と大学院6研究科と法科大学院で構成され、これまで様々な領域で、社会に貢献する人材を育成してきました。昨年4月には新図書館を中心とした東1号館が完成し、学生諸君が集い、知的交流を行う新たな拠点となりつつあります。また令和8年を目途に学習院女子大学を統合して、学習院大学の新たな学部として発展させていく計画が進んでおります。学習院大学は、これからも時代の要請に応えるべく前進していきます。本日から皆さんは、新たな学習院大学の歴史を作っていく大切なパートナーとなりました。我々は、そのことを、大変心強く思っています。

 さて、多くの皆さんは生まれていないと思いますが、今から25年前の1999年は、学習院大学が50周年を迎えた年でしたが、同時に、その2年後に20世紀が終わり21世紀を迎えようとする年でもありました。多くの人は輝かしい、幸福あふれる21世紀になるように強く願いました。さて、それから四半世紀が過ぎようとしています。この間の日本は、世界はどうだったでしょうか。インターネットの普及により情報・通信の利便性は格段に向上しました。女性がより社会で活躍しやすいような環境が整備されつつあります。社会の多様性が重視されるようになってきました。様々なハラスメントに対して社会の目は厳しくなりました。これらは、世の中はよくなっているなと実感できることです。しかし、一方で、新たな難しい課題が登場してきたことも現実です。たとえば、とどまることのない少子化は、高齢化の進展や人口減少をもたらしています。皆さんが65歳くらいになる2070年には日本の人口は今より3割減って、65歳以上の人口は全人口の4割になると推計されています。このような社会はどんな社会なのでしょうか。経済の状況をみても、バブル崩壊以降失われた20年、30年などと呼ばれたように経済は長期間低迷しました。1968年以降日本のGDP(国内総生産)は42年間、世界第2位でしたが、2010年に中国に抜かれ第3位に、昨年はドイツに抜かれ世界第4位となりました。今後はどのような展開をたどるのでしょうか。また温暖化はさまざまな異常気象を引き起こし、環境問題の高まりは我々の生活スタイルを大きく変えていくことになるでしょう。世界的な新興感染症のまん延や戦争の勃発など予想もつかないことが起き、世界が混乱しました。阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震などの大地震や、異常気象による洪水などの大規模災害が頻発しており、南海トラフ地震や首都直下型地震の不安も増しています。また、これまでにない新技術である生成AIの登場は、社会を良い意味でも悪い意味でも大きく変える可能性を秘めています。現在は、社会を大きく変えることになったインターネットが登場した30年前ととても似ているように思います。

 こうしてみると、21世紀は、「先の見えない、不確実性が高い時代」だと言わざるを得ません。このような未来を生きることになる皆さんは、変化の予兆を機敏に感じ取る感性と予想しない変化に対応できる柔軟性を身につけることが大切だと思います。どうしたらそのような能力を身につけられるのでしょう。いろいろな方法があるでしょうが、皆さんがこれから学ぶことになる大学での勉強はとても重要です。そのことについてお話しします。

 学部に入学された皆さんに申し上げます。大学の授業は高校までの授業と大きく異なります。何が違うかというと、それぞれの分野に一生かけて取り組んでいる先生が教えてくれるということです。したがって、授業の内容の背後には非常に深いものがあります。高学年になってゼミナールや研究室に所属するようになると、そのことはよくわかります。現在は複雑な社会ですから、表面的な様相だけでは変化の本質はとらえられません。その意味で、それぞれの分野を深く探求する大学での勉強はとても重要です。勉強を続けると、日々何となく接している事柄や現象が、実はこんなに深い意味があったのか、と驚かされることも多いと思います。一方で、大きな変化は特定の領域で起きるわけではありません。複数の領域間で相互に関連して起きるのが一般的です。そのため、視野を広く持つことも必要です。これには、日々、新聞を丹念に読むことなども有益でしょう。学習院大学では、それぞれの専門を深めるとともに、より視野の広い学際的な学びができるように、制度が整えられています。その一つが、自分の専攻する分野以外のことが学べる、豊富に用意された「全学共通科目」です。その中には「生命社会学」や「宇宙利用論」など文系、理系の枠を超えた学際的な科目もあります。また別の仕組みとして「副専攻制度」があります。これは、自分の専攻に加えて特定のテーマを追求することができる制度で、現在「データサイエンス」をはじめ3つの分野の副専攻が認められています。このような制度を利用して、関心の幅を広げていただければと思います。

 また、先ほど示した、我々を取り巻く様々な課題は、日本だけの問題ではありません。そのほとんどが、グローバルに起きています。その意味で、皆さんはグローバルな視点を持つことを避けることはできません。学習院大学は、短期・長期の留学制度をはじめ、様々な国際化のプログラムを用意しています。

 このように、学習院大学は、専門を深めつつ、視野を広めることのできる仕組み、グローバル化に対応する仕組みを整えて、皆さんをお迎えしています。しかし、これらは、演劇に例えるなら、舞台や装置にすぎません。主役を演ずるのは皆さんです。大学で勉強するということは、皆さん自身がより主体的に取り組むことが前提になります。4年間は本当にあっという間です。どうぞ学習院大学という知的な環境を大いに活用して、充実した大学生活を送ってください。 

 大学院に入学された皆さんに申し上げます。皆さんは学部での勉強を通じて、学問の面白さ、奥深さに触れ、大学院でより専門を深め、研究者やプロフェッションを目指したいという志を持った方たちだと思います。さきほどお話ししたように、21世紀は多くの課題を抱えています。これらの課題を解決する上で、人間がこれまで蓄積してきた叡智、すなわち学問を活用することは非常に有効です。皆さんはそれを学ぶことにより、それぞれに、難しい課題を解決することに貢献することになるのだと思います。学習院大学には、高い研究力に裏付けられた研究志向の風土があります。たとえば、研究に対する国の補助金である科研費の採択率は、3年連続で、私立大学で第1位という実績があります。これは研究力の高さを示す一つの証左だといえます。学問の道は決して楽ではありませんが、学習院大学大学院の高い学問的風土の下で、志ある皆さんが充実した学究生活が送れるよう心から願っています。

 本日、ここにお集まりの皆さんが、それぞれに目的を遂げられて、数年後の修了式、卒業式を笑顔でお迎えできるよう、心より祈念して学長の挨拶といたします。

令和年4月3日 学習院大学長 遠藤 久夫

Recommend

  • 学習院大学開学75周年
  • This is the View of Gakushuin-Univ.
  • GAKUSHUIN Knowledge Search
  • 学習院大学開学75周年

  • This is the View of Gakushuin-Univ.

  • GAKUSHUIN Knowledge Search