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ドイツ語圏文化学科のゼミ 「言語・情報コース ゼミナール」

須田光世

2020.04.01

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STUDENT'S VOICE

多角的に言語の影響力を
探ることが面白い!

須田光世

文学部ドイツ語圏文化学科3年 埼玉県・県立伊那学園総合高等学校 出身

入学前は「所属したゼミが自分に合わなかったらどうしよう」という心配もありましたが、入門ゼミや先輩の声を通じて事前に自分が学びたいと思える分野を知ることができました。そのおかげもあり、現在言語・情報コースの高田博行先生のゼミで意欲的に学んでいます。ゼミで私は、ドイツのグミ「HARIBO」のCM動画のなかで、観る人たちの記憶に残すためにどういった戦略がとられているのか分析しました。例えば、言語表現面はもちろん、その言語表現をどのような姿形の人物が、何色のどのような背景で発話しているのかなど、多角的に言語の影響力を探ることが面白いです。将来、広告業界で働きたい気持ちもあるため、学んだことを活かせたらと考えています。

ゼミの様子


ABOUT SEMINAR

ヒトラーは政権掌握後、
演説で「平和」を口にすることが増えた

都合のよいことだけを宣伝する手法

世の中には「○○で痩せる!」と謳うテレビコマーシャルなど、実にたくさんの広告であふれています。広告は一方的に都合のよい情報を流し、その結果、その人に「欲しい」などの欲求を起こすものです。実際にタレントが痩せる姿を実証してみせるものには説得力がありますが、その後リバウンドしていたとしても、その事実を広告上では見せないでしょう。悪いところは隠し、よいところだけを見せることで消費を促したいからです。

ナチズムが席巻していた時代、ドイツでは反ユダヤ主義を喧伝する「モットー」(宣伝コピー)が数多く流布されました。「ユダヤ人は敵だ」などとコンパクトに言語化することで、反ユダヤ感情を高めようとしていたのです。このように政治的な意図をもって、特定の思想に都合のよいメッセージをメディアなどで広く流すことをプロパガンダといいます。今のコマーシャルと似た手法で人々に影響を与えていたことがわかります。

言葉を集め分析することで
リサーチ能力を高める

このゼミナールではドイツ語圏を核に、言語から社会や歴史にアプローチする研究を行っています。例えば、ヒトラーの演説で使われた約150万語を計量的に分析すると、政権をとって以降「平和」ということばが増えていることがわかります。政権掌握後に戦争の準備を進めていたヒトラーですが、そこから国民の目を反らしたかったのでしょう。為政者が「未来」「発展」「権利」「自由」「理念」など、ポジティブに聞こえる抽象名詞を多用するとき、私たちは気をつけなければならないということが歴史から学べます。重要なのは、「データから何を読み取るか」なのです。

このように社会と歴史に関わる言語データを学生たちが集め、分析・考察して、その内容を発表します。その過程で、リサーチ能力は飛躍的に向上するでしょう。そしてその能力は、社会へ出た際、トップダウンで降りてきた課題を言われた通りに対応するのではなく、自分でデータを収集して分析できる力へとつながります。

高田博行 教授

大阪外国語大学大学院ドイツ語学専攻修士課程修了。文学博士(Braunschweig工科大学)。大阪外国語大学・関西大学教授等を経て、2004年より現職。専門:近現代ドイツ語史、言語と政治。

高田博行 教授

※学年、肩書は取材当時のものです。