SDGsへの取り組みAbout Us
「SDGs」は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。
2015年9月に国連で採択された国際社会共通の目標です。
2016年から各国がSDGs達成に向けて着手し、2030年までに達成すべき具体的な目標として
17のゴールとそれらを達成するために必要な169のターゲットが定められています。
このページでは、学習院大学で行われている授業や研究の中からSDGs達成に貢献する取り組み事例を紹介します。
人と地球に優しい流通システムの確立を目指して
主にスーパーマーケットや百貨店など、店舗を持って消費者に商品を販売するサプライチェーンは、情報通信技術の発展に伴う消費者⾏動の変容など環境の変化を受けて、流通システムのあり⽅を⾒直すべき過渡期にあります。これまでの⼩売流通は、店舗を顧客接点の中⼼に据えてより安くより便利な顧客体験を追求し、各社が切磋琢磨を重ねてきました。しかし、顧客接点も提供価値もより多様になり、各社の取り組みだけでこうした多様性に応えるのが難しい状況になっています。例えば、便利さを追求するあまりの⾏きすぎた多頻度⼩⼝輸送が、⾞両の積載率を下げ⼆酸化炭素の排出量を増⼤させるだけでなく、物流現場に⼤きな負担を強い、ドライバーが過酷な⻑時間労働を余儀なくされています。
また、品切れを避けるための過剰在庫が結果的には多くの⾷品ロスを⽣み出しています。こうした流通のムリ・ムラ・ムダを廃し、かつ、⾼い価値を創造するために、商品のつくり⼿から消費者までを含めた流通システムはどうあるべきか。現状の課題、これからの姿について製・配・販、各種企業の皆さんと官公庁、まさに産官学で幅広い視点から議論と実証を重ね、協働を核とした変⾰への道筋を描いています。
社会科学科目「Sustainable Development」を開講
国際社会科学部では、選択必修科⽬として「Sustainable Development」を開講しています。
「Sustainable Development」では、地球のサステナビリティ、社会のサステナビリティを実現する上で、直⾯している諸問題、問題解決(改善)のために必要な⽅策について学ぶだけでなく、学⽣⼀⼈ひとりが「⾃分には何ができるか」を考え実⾏することに主眼を置いています。そのため履修期間中に⽇常⽣活における新たなアクションを⼀つ起こして、その活動を通じて感じたことについて報告することを課題としています。これまで履修者から報告されたアクション例は「家族の協⼒を得て節電や節⽔を⾏なった」「家中の⾐類を点検して不要と判断した服をまとめて寄付した」「アルバイトで教えている塾の⼦供たちにSDGsについて特別授業を⾏なった」「海岸のゴミ拾いのボランティアを⾏った」「貧困世帯への寄付を⽬的としたイベントに参加し、年齢や国籍の異なる⼈たちと⼀緒に活動することの楽しさを知った」など多岐にわたります。
履修前は⾃分⼀⼈が⼩さな⾏動を起こしてもほとんど意味がないと思っていた学⽣が⼤半でしたが、⼩さな活動からも確かな達成感を感じ、さらなる活動へ挑戦していきたいという気持ちが新たに芽⽣えているようです。
公平で効率的な医療システムの研究
日本の医療制度は高額な新薬を安い自己負担額でだれでも利用でき、世界的にも高く評価されています。しかしながら、高齢者の増加によって、高齢者医療費の増加の抑制、高齢者の疾病に適した医療提供体制への移行が求められています。さらには、少子化の進展により、現役世代の社会保障費負担の増加、看護・介護人材の不足が懸念されており、医療・介護制度の改革が喫緊の課題となっています。 これらを背景に、効率的で公平な医療保険制度・医療提供体制の在り方を研究課題としています。また、これらの研究課題は現実に応用されることが重要だと考えるため、社会貢献活動として社会保障審議会の会長を務めるなど、審議会等に積極的に関与しています。
SDGsの基本的な考え方を学ぶ
SDGsとはどのようなものかについて、基本的な知⾒を⾝につけることを⽬標に、SDGsをテーマに取り上げた授業を開講しています。
学⽣は、講義(「国際開発協⼒論Ⅰ・Ⅱ」)の⼀環として、SDGsの概略を学びます。現代のグローバルな課題を理解する「外国書講読」の授業では、SDGsの知識が求められる内容を扱っているため、英語⽂献の内容を出発点としてSDGsへの理解を深めていくことになります。「専⾨演習(国際開発協⼒論演習)」「基礎演習」では、⽂献講読と合わせて、ゲームやワークショップを実施し、SDGsの視点から物事を捉える⼒を養っています。
また、新型コロナウイルス感染症が拡⼤する前は、学部・学科を問わず、学習院⼤学の学⽣を対象に「2030 SDGsカードゲーム」の体験会を開催していました。学⽣たちからは、SDGsについて楽しく理解を深め、⾃分の問題として考えることができたという意⾒が多くあったため、今後も状況を⾒ながら開催できればと考えています。