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学習院大学史料館メモリーアートプロジェクト ~学習院大学史料館から霞会館記念学習院ミュージアムへ~

史料館

2023.11.01

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 学習院大学史料館を知っていますか?

 学習院大学史料館は、令和7年(2025)年3月に霞会館記念学習院ミュージアムに生まれ変わります。それに伴い史料館展示室も今年6月の展覧会を最後にその役割を終えました。

 今回は改装前の展示室で102日からの1ヶ月間行われたメモリーアートプロジェクトのこと、そして史料館のこれまでとこれからについて、史料館の戸矢さんと長佐古さんにお話をうかがいました。

常識を超えて―展示室をメッセージやイラストで埋め尽くそう!

―メモリーアートプロジェクトでは、なんと展示室に落書きができたときいたのですが、本当ですか?どうして落書きを?

戸矢:きっかけは、役目を終えた展示室を改装する前に、壊してしまうのであれば何か自由に落書きをしたいと思ったことです。展示室の常識を超えて、40年にわたって活躍してくれた、思い出深い展示室を絵やメッセージで埋めて、展示室自体をひとつのメモリーアート作品にしたいと考えました。

展示室の常識を超えるとは?

戸矢:展示室に限ったことでなく、壁に落書きをすることは、普通は"いけないこと"ですよね。展示ケースも外から見るもので触れてはいけませんし、ましてや中に入って遊ぶなんてもっての外です。でもメモリーアートプロジェクトではそんな常識を覆し、全部OKなのです。

―いけないことほどわくわくするものですよね。でもよく企画が通りましたね。

メモリーアートプロジェクト詳細

みなさまからの"いいね"で実現

戸矢6月にX(旧Twitter)に「展示が終わったらしばらく自由に展示室に出入りできるようにして、壁や柱やケースに寄せ書きみたいのしてみたい」「100いいね、きたら上に掛け合います!」とツイートしたところ、いつもは30いいねぐらいなのですが、なんとすぐに目標の100いいね、を超えたので、館長(化学科・狩野直和教授)に打診すると快諾くださって。「メモリーアートプロジェクト」という名称も館長のネーミングなのですよ。

 でも、落書きは"方法"で、プロジェクトの真の狙いは在学生に史料館の存在を知ってもらう、展示室に来てもらうということでした。文学部以外の多くの学生が史料館の存在を知らず、ほとんどの学生が展示室に足を運ぶことなく卒業していってしまいます。今回落書きを通してですが、学生が史料館を知り、展示室が「自分の関わった場」になることで、新ミュージアムへの来館につなげたいと考えました。

―ただ落書きするのではない、次につなげる深い意図があったのですね。プロジェクトの手応えはいかがでしたか?

戸矢:初めて展示室を訪れてくれた学生がいました。過去の展示を懐かしんでくれる卒業生や留学生の団体等々、多くの方に参加いただき予想以上の反応がありました。誰かの書いたメッセージに答えを書いている人たちもいて、思わぬ形で交流がなされているのが嬉しかったです。この経験をまた次の段階へつなげていければと思います。

ー素敵なプロジェクト、大成功でしたね。このあと作品はどうなるのですか?

戸矢:展示室は改装しますので、写真として残し、適宜X(Twitter)で公開していきたいと思います。

展示室内

学生のコメント

もうすぐ半世紀-発展する史料館

―ところで、先ほど戸矢さんから史料館は学生に知られていないというお話がありました。ここで史料館についてお教えいただけますか。

長佐古:史料館の前身は史学科資料室です。昭和501975)年2月、文書記録・遺物等の資料蒐集保管並びに、その調査研究を行うとともに、そられ資料を展示して教職員・学生および一般の利用に供することを目的として、北別館に開館しました。

―展示室もそのときできたのですか?

長佐古:いいえ。展示室は昭和60年(1985)に学習院大学に学芸員課程を設置するにあたり、学内に博物館相当施設が必要ということで史料館に展示室をつくり、博物館相当施設の認定を受けました。

―博物館相当施設は博物館と何か違うのですか?

長佐古:主な違いは設置主体でしたが、令和42022)年4月「博物館法の一部を改正する法律」が成立し、新ミュージアム移転後は登録博物館となります。

思い出深い展示会は来館者数歴代1位のあの展覧会

―およそ40年の歴史の中で数々の展覧会を開催されてきたと思いますが、思い出深い展覧会はありますか?

長佐古:どの展覧会にもいろいろな思い出がありますが、平成31年(2019)の「華ひらく皇室文化」展は、図らずも御代替わりの年にあたり皇室に対する世間の関心が高まったことと相まって、全国巡回で12万人の集客があり、当館にも歴代1位の1万人以上の来館者がありました。これは開催のタイミングが時勢にぴったり当てはまったことと、多くの方にご覧いただけたことでとても思い出深い展覧会です。他にも平成24年(2012)の「大正の記憶―絵葉書の時代」展、平成27年(2015)の「ボンボニエール―掌上の皇室文化―」展も思い出深い展覧会です。

―「華ひらく皇室文化」展の開催時期は"図らずも"とのことですが、展覧会はいつごろからどのような準備をされるのですか?

長佐古:テーマの候補は常にいくつもストックしています。そのなかからテーマを決めて具体的な準備を始めるのが、大体2年前ぐらいからです。ですから「華ひらく皇室文化」展も準備を始めたときには御代替わりと重なるとは思ってもいなかったのです。

歴代1位

展示ケース
展覧会のスナップで飾られた展示ケース内で、
戸矢さん(左)と長佐古さん(右)

新ミュージアムはこうなる

―そうしますと来年度開館の新ミュージアムでの展覧会準備も、すでに着々と進んでいるのですね。

新ミュージアムはどのようなミュージアムですか。また、史料館がミュージアムになると、どのような点が変わるのでしょうか。

長佐古:新しくできる霞会館記念学習院ミュージアムは、学習院の歴史と知の集積を未来に伝えるミュージアムです。旧大学図書館を改修して開館します。近代建築の父・前川國男が設計した機能的で美しいモダニズム建築の旧大学図書館も、歴史的価値のあるものです。

 これまでとの違いはなんといっても常設展示室の存在です。ランドセルや制服の導入、馬術や東洋史といった教科教育など、学習院ではむかしから非常に先進的な教育が行われてきました。常設展ではそういった学習院のゆたかな教育の歩みを紹介します。また、特別展示室はこれまでの展示室の2.5倍の広さになり、重要文化財などの指定品も展示することのできるスペックになります。学芸員課程の学生の発表の場である展示スペースも常設されますし、一般の学生にも展覧会を開催していない期間には展示室をポスターセッションなどに使ってもらえるようにしたいと考えています。でも新ミュージアムには落書きはダメですよ(笑)。 

常設展示室
常設展示室(完成イメージ)
特別展示室
特別展示室(完成イメージ)

―ところで、博物館といえばオリジナルグッズを販売しているミュージアムショップやティールームが併設されていることがありますが、新ミュージアムにもできるのですか?現在史料館が入っている東別館は歴史ある素敵な建物なので、そのような施設として利用できたら喜ばれそうですね。

長佐古:本当ですよね。でも残念ながら今のところそういった計画はないようです。

―そうなのですね。

 でも、メモリーアートプロジェクトで学生が新ミュージアムに足を運んでくれるように種を撒いて、新ミュージアムには学生が足を運ぶきっかけになるような利用方法も検討されていて、本当に開館が楽しみです。学内の方にも学外の方にも、ぜひ多くの方に訪れていただきたいですね。

長佐古:霞会館記念学習院ミュージアムの開館は令和7年(2025)3月(予定)です。

 開館記念の「芸術伝統文化のパトロネージュ―華族文化、美の饗宴―」展の開催に向けて現在準備を進めていますので楽しみにしていてください。 

―今日はありがとうございました。 

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