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物理学科のゼミ 「町田研究室」

上原大毅

2019.04.01

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STUDENT'S VOICE

試行錯誤しながら
研究を進めることが楽しい

上原大毅

理学部物理学科4年 佐賀県・私立佐賀学園高等学校 出身

2018年発足と新しいため測定器などを一から自作したりもする研究室です。手を動かして物を作ることが好きなので、その点が自分に合っていると感じたことと、何より町田洋先生の人柄に惹かれ所属することを決めました。私はこの研究室で、「量子スピンアイス」と呼ばれる磁性体について研究中で、絶対零度付近まで冷却したときの熱伝導率などを調べ、未知の現象を捉えようと試みています。研究手法が確立されていない実験を、試行錯誤しながら地道に進めていくことが楽しいです。この研究室では学生同士は無論のこと、先生と学生でも活発に議論し合える雰囲気があることも魅力的なところだと思っています。

ゼミの様子


ABOUT SEMINAR

「超伝導」や「熱電現象」など、
物質の性質を解明する

リニアの速さを実現する、
「超伝導」とは

品川から名古屋まで、新幹線で約1時間30分。しかし、2027年開業予定のリニアモーターカーであれば、約40分になるといわれています。驚異的な時間の短縮を実現させる原動力が「超伝導」です。特定の物質を冷却した際に電気抵抗がゼロになる超伝導現象により、強力な磁界が発生しますが、リニアはこれを利用し、浮上しながら走行するため、驚異的な速さが実現されるわけです。

冷却すると電気抵抗がゼロになるこの特定の物質を「超伝導体」といいます。端的にいえば、この超伝導体は元素①と元素②を混ぜ合わせ、焼き固めることで生まれます。私たちの研究室では「元素①と元素②を混ぜ合わせると、なぜそれが超伝導体になるのか?」など、物質の性質である物性を明らかにするために、実験的な手法を用いて研究を行っています。

これら物性を紐解く基礎研究は、未来の交通技術やエネルギー技術の発展につながるもの。より効果的な超伝導体を発見できれば、リニアモーターカーの運用コストも低くなりますから、私たちが支払う運賃も安くなるかもしれませんね。

壁を乗り越えるときにこそ、
論理的思考力が育まれる

この研究室は、2018年に立ち上げたばかりです。そのため、学生には実験設備の構築や、実験データの取得や解析に至るまで、物性物理学研究に関するほぼすべてのプロセスに関わってもらうことになると思います。現在は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電効果など、主に固体のもつ性質を明らかにするための研究を行っています。

実験を行っていると上手くいかないことも多々ありますが、目の前に立ちはだかる壁を乗り越えるときにこそ、自ら論理的に考察する能力が身につくと考えています。そのため、学生たちには好奇心をもって、積極的に色々なことに挑戦してほしいと思います。

町田洋 准教授

京都大学理学研究科物理学・宇宙物理学専攻博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、東京工業大学理学院物理学系助教を経て、2018年より現職。

小出篤 教授

※学年、肩書は取材当時のものです。