ウクライナ問題に向けての学長メッセージ
2022.03.17
その他
学習院大学について
令和4(2022)年3月
学長 荒川 一郎
私は、27年ほど前からウクライナの科学者と共同研究を行って来ました。客員研究員として何度か本学に来ていただいたことや私自身がハリコフにある物理技術研究所に滞在したことがあり、ウクライナには強い親近感を持っています。その親近感を別にしても、今回の軍事侵攻には憤りを感じざるを得ません。情報の統制・操作により、事実を隠蔽あるいは事実らしきものが捏造され、その下での戦争行為です。様々な国、人々からの非難の声が上がるのも当然と言える一方的な暴挙です。学習院歌は「常照らせ真理と平和」で結ばれています。ロシア、ウクライナで起きていることは、この理念に真っ向から反するものです。真理と平和を破壊する行為であり、容認できるものではありません。
武力による解決策を考えるべきではありません。それが悲劇的な結果をもたらすことは自明です。経済的制裁がうまく働けば良いのですが、民間人が広く直接の被害を受けることが心配です。救いと感じるのは、ロシア国内も含めて全世界から戦争に反対する声が挙げられていることです。それらの人々とともに言葉で理性に訴えるべきです。それにより為政者が良識を取り戻し、速やかに理不尽な行動を止め、一刻も早く平和が戻ることを願います。戦禍の中で亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、ウクライナ国内外で避難を余儀なくさせられている方々に人道的支援が速やかに行き渡ることを心より願います。